その181
アパートに帰って、優希は美香とと向き合って座った。
「美香・もう一度聞くよ?どうして僕に交通費を出してって言わないの?」
美香は優希の顔色を見ながら、恐る恐ると言った風情で答えた。
「・・・だって、美香が会いたいんだよ?美香の電車賃だよ?」
!!!!何でこいつは・・・・
「美香は、僕が時間が無いから自分が会いに来てやってるって思わないの!?」
美香が目を丸くして驚いた。
「・・???なんで??美香が会いたいのに?なんで!?会いに行ってやってるなの!?」
真剣にわからず悩んでる様子を見て、優希はあきらめて言った。
「・・・判った・・美香僕がバイト代だそう。」
美香が怪訝な顔で優希を見た。
優希が机から通帳と印鑑を出した。
「今日渡そうと思ってたんだ、おじさんたちの許可は取ってある。」
美香の名前の通帳、そりゃ、許可が無ければ作れないだろう・・・。
「僕のを直接渡して管理してもらおうと思ったんだけど、いやだろう・・?」
遠慮がちに言った優希の言葉に美香は首が取れるんじゃないかと言うぐらいうなずいた。
「一か月分の食費と、交通費、美香へのハウスキーパーとしての報酬を含めて毎月振り込むから、足りなかったら言って。」
美香があけたそれには、優希が言った内容の金額にしては多すぎる金額が入っていた。
「・・・優ちゃん、こんなに多いよ・・?それに美香そんなにしょっちゅう来れないよ。」
優希は、何も言わなかった。
これは譲らないと言うことか・・・。
「・・優ちゃん、それにね?美香優ちゃんのご飯作ったり、身の回りの事するのは好きでしてることだから・・・」
優希は、美香に諭すように続けた。
「・・でも、その自分のこずかいの範囲じゃあこれないんだろう?それに僕もそれでは食生活が貧しくて体調が不安だ。」
「それに・・・自分が必要な分を差し引いてしか入れてないから、大丈夫だよ?美香僕がいくらもらってるか知らないだろう?」
美香はまだ不安げに、通帳を見つめた。
「・・それと・・残りは、僕らの結婚資金に回せばいいから。」
”え?”・・と美香が顔を上げた。
「外食ばかりだと、かえって不経済で、美香の電車代だしても、美香が作りに来てくれたほうが、まだ、おつりがくる。」
美香が優希の顔を覗き込んだ。
「それに美香が会いにきてくれれば、僕が美香不足になったときに帰らなくていいから、仕事に打ち込めるし?
いい事尽くめなんだけれどもな?」
下を向いて考え込んでいる美香を抱きしめて優希は言った。
「・・僕のわがまま聞いてくれないかな?」
優希に抱きしめられたまま美香はてを彼の背中に回して、胸に顔をうずめて言った。
「・・・・本当にいいの?」
優希は、美香の耳元でささやいた。
「受け取ってくれないと・・・すねる・・・。」
その子供っぽい言い分に、美香は思わず笑ってしまった。
「優ちゃん大好き・・・ありがとう。」
優希はそんな美香の頭にキスを落として言った。
「・・お礼を言うのは僕のほうだよ?美香、僕を選んでくれてありがとう。」
そして、唇に、キスを落とした。




