その172
お読み戴きありがとうございます。
美香が内心で、怒り狂ってるのを知っているはずなのに、優はあえて無視して友人の加治との話を続けていた。
優ちゃんの、あの自分中心に物事をゆがめてしまうところ美香だい嫌い!!
確かに優ちゃんにキスして欲しいと思ったのは美香だ!!でも、優ちゃんがやりすぎたせいでの被害やダメージは、私のほうが大きいじゃないか?絶対ずるい!!
でも優は、美香がどんなににらみ続けても、内心の怒りをその眼光に込めようとも涼しい顔で、むしろ美香に仕方ないな?と彼女がわがままで怒っているような苦笑を向けていた。
その笑顔と視線を見て美香はますますエキサイトする。
本当に腹がたつ!!結局彼は大人で美香は子供!彼にしてみれば美香が彼が仕掛ける恋人同士のスキンシップであたふたうろたえるのを見るのも面白がってるのだろう。
ますます、いらいらする美香に優ちゃんと喋ってたはずの竹中が笑いながら近づいて来ていった。
「美香ちゃん?初恋っていつ?」
後ろで優が憮然としてる・・?なんのはなしだろう美香が怪訝な顔で優のほうを見ると優が”答えるな!”・・と合図を送ってるのが見えて、美香はにこやかに微笑んで答えた。
「4歳の時に、入院してた整形外科の先生。」
美香の答えに、後ろの一群が沸いた。
「「「中野って、単純!!一途!!」」」
美香が優希をそっと見ると、余計な事を言って・・と優希が怒ってるのが見えた。
怪訝な顔をしてる美香に、柳がそっと近づいて耳打ちした。
「中野君がお医者になった理由はね、美香ちゃんの初恋の相手を見返したかったからだって。」
何時の間にか後ろに来た優希が美香の耳をふさいだ。
「・・・お前はどうも僕の天敵らしいな?大学帰ったら覚えてろよ?」
柳をにらみながら、悪態をつく優希を美香が見つめた。
「優ちゃんて、美香がそんなに小さい頃から美香の事好きだったの?」
美香の問いを最後まで言わさずに、優希は手を伸ばし美香の小さな頭を自分の胸に抱きとめる。
「仕方ないだろう、好きになったんだから。」
小さく美香にだけ聞こえる声で、ささやいた。
美香が優の腕を握り締めて引き寄せる。その様子に気がついた柳が優にささやいた。
「さすがにそれ以上は、向こうに見えるドアのむこうに事務所があるからあちらでどうぞ?」
優が顔を上げると柳がドアを指差した。美香を見下ろしてどうする?と聞くと美香が小さくうなづくのが見える。
周りの様子を伺いながら、そっと優希は美香の手を引いてドアのほうに向かった。美香は素直についていった。
「・・・話だけだよね・・」美香のさす釘に、優は溜息をついて答える。
「・・・・努力します・・・」
ドアの向こうは小さな机が一つ、椅子が一つ簡易の事務所のようだった。
優希は美香を抱き上げて、机に座らせて、その前の椅子に自分はすわり低い位置から美香を見上げた。
「さっきはごめん、あんなところで美香に恥をかかせるような行為はするつもりはなかった。」
美香は優希の言いにくそうな台詞と、気まずそうな顔をじっと見つめた。
「・・・あいつらが、言った事は本当。僕は義弘と美香が付き合う前から君が好きだった。だから義弘の事がなおの事許せなくも思い、あいつの事が気に入らない。そして僕は美香に触れたいのを10年以上我慢してるんだ。だから、美香に触れるといつも我慢が効かなくなる。さっきもあそこまでするつもりはなかった。気がついたらああなってた・・ごめん、僕のほうが大人だからこらえないといけないのはわかってるけれど、もう10年も辛抱してる僕の気持ちもわかって。」
美香は優希の顔を見下ろして、その頭を自分のひざで抱きしめていった。
「・・・みかね、優ちゃんにキスされるのは好き。抱きしめられるのも好き。」
ひざから美香の言葉が伝わって優しく優希の頭に響く。
「・・・でね、その先も知ってみたい気持ちもあるの、でもね、今はまだじきでないと思うの。」
美香は優希の耳にキスをしながら続けた。
「だからもう少し待って欲しい、優ちゃんが大人なのはわかるけれど美香はまだ子供だよ。」
美香は思う、きっと余裕なんてないのだろう、だから暴走するのだ。
でも自分はまだその準備は出来ていない・・・・。
「・・・・優ちゃんに抱きしめられて、夢を見るのも好き。だから一緒に寝たいけれど、優ちゃんに無理させてるなら、もう行かない。」
優希はそういった美香の顔をまじまじと見た。
きっと一人で山にこもっている修行僧よりある意味僕のほうが耐え難いかもしれない・・・・。
だが心の叫びは美香には聞かせられない。だって彼も、美香の暖かいね息を聞きながら夢を見るのが大好きだから。そして朝目覚めた時に彼女の寝顔をそっと見るのが大好きだから。
「・・・解ってるよ・・・」
そして二人で仲直りのキスをした。
書き方変えてます。
ラストに向けて一人称ではまずいといまさらながらきずいたので・・・・。
すみません。




