その171
優ちゃんが買ってきてくれた絆創膏で、キスマークを何とか隠し…でも優ちゃんは不服そうだった。
「せっかくマーキングしたのに。」
わざとか!わざとつけたのか!?
睨み付ける私の視線をかわしながら、ゆうちゃんは平然と腰にてを回した。
・・・・・・ええい!さわるでないっ!!!!!・・・・・
私の視線に、伸ばしたてを引っ込める彼がいた。
でも私はにらみ続けた。キスマークの事は許しません!
ーーーーーー
美香を促し会場に戻る道のりを歩く。別にわざとマーキングしようと思った訳でなく、勢い余っただけだったが…
でも美香はわざとだと思ってるようで、めんどくさいので否定せずほっておいた。
・・・・今日家にかえったら誤魔かせばいいか・・・。
そう思いつつ腰にてを回して引き寄せようとしたらものすごい目で睨まれた。
思わず伸ばしたてを引っ込める。それでもまだ睨んでいる。
マズイ・・・・・今日続きはできるんだろうか?
・・・・・何で、あそこは家ではなかったんだろうか!あんな積極的な美香に今度はいつあえるんだろうか?
「遅いよ?何処まで行ってたの?」
会場内で怒る美香を都ちゃんに任せて、食事を取ってると後ろから声をかけられた。
振り向くと友人の加治が谷内先生といた。
「美香がなかなか見つからなくて。」
僕の言い訳に、彼らはむこうで都ちゃんと話をしてる美香の首筋の絆創膏を見て生暖かい視線を僕に向ける。
「…あれは猫に噛まれたらしい…」
僕の言い訳を聞きながら谷内先生が、"橘は猫の子供を産むのか…"と呟くのが聞こえた。隣の加治が吹き出した。
「人間は猫の子なんか生めないでしょう?」
僕の返事にニヤリと笑って、そうか?と言う谷内先生から視線をそらす。
その時いきなり斜め後ろから僕の耳が引っ張られた。僕は思わず右後ろに傾いた。
「中野くん!美香ちゃんになにしたのっ!」
・・・・柳・・・・このタイミングで何故お前が出てくる?
「私の話を聞いてるの!?」
回りが突然の乱入者を見た。
加治が僕にささやくのが聞こえる。
「この美人おまえのしりあいか?紹介してくれ!」
この状況が判ってるのか?このタイミングで言うことか!?
僕は彼を無視して、柳の手を払いながら彼女に返す。
「・・・・・なんの事でしょうか?」
とぼけてみたが、彼女に通用するはずもなく・・・・。僕の耳をもう一度引っ張りながら言う。
「決まってるでしょうあんな絆創膏、出掛ける前はなかったわ!あんだけ美香ちゃんの立場を考えてって言ってるのに!何で夜まで待てないの!」
・・・・そうか、夜ならいいのか?・・・・・
「・・・・・仕方ないだろう?勢い余ったんだから。」
心の突っ込みは賢明な僕は隠して、憮然としながら呟くと、柳が僕の頭を殴った。
「あんたの辞書には、我慢って言葉はないのか!!!」
柳のがなり声を聞いて、美香がこちらを怪訝そうな顔で見た。それを目の端で伺いながら僕は柳に返した。
「・・・美香に関することに限定すれば。・・・無いです。」
きっぱり言い切った僕の顔を穴の開くほど見つめた後に、柳が低い声でうなった。
「・・・解ったわ。覚悟して頂戴。」
「何を覚悟するの?」
・・・突然の美香の乱入・・・・
柳が美香を抱きしめながら、僕の悪口をつらつらといった。
「ごめんね美香ちゃん、こんな節操なしの野獣と二人きりにした私が悪かったわ。」
・・・いや待て待て・・・美香は僕の婚約者だ。・・・・・
美香がきょとんとした顔で僕を見た。僕は美香に絆創膏をさして柳の怒ってる理由を教えた。
美香が真っ赤になって、柳に恐る恐る言った。
「・・・陽子ちゃん・・?実は誘ったのはあたし・・・。」
柳の美香を抱きしめる手が固まった。
「・・そうそう、美香に煽られたしキスしただけ。僕は節操なしじゃない。」
美香が僕の台詞に真っ赤になって怒鳴った。
「確かに誘ったのは私だけれど!煽ってない!勝手に暴走したのは優ちゃんじゃない!!キスマークなんか見えるトコにつけてなんて頼んでない、美香キスしてって言っただけなのに!!」
美香の言葉に周りのざわめきが止まった・・・。
僕らは、美香を黙って見つめた。皆が固まってこちらを見てるのが見える。その中に平然と食事を食べてるように見える義弘が見えた・・・。
生徒会長の吉田が言った。
「・・仲が宜しいのは、とてもよいことですが?明るい男女交際の範囲ってどこまでですか?」
谷内先生が言いにくそうに言った。
「・・・ええっと・・、ここは校内ではないが、関係者が多いので、今の発言は皆削除するように頼む・・ぞ?」
吉田が返した。
「橘さんが、のらねこに咬まれて、傷バンを貼ってる話ですよね。」
美香の涙交じりの呟きが聞こえた。
”優ちゃんなんか、絶対許すもんか!!”
僕だけのせいか!?美香?
叫んだのは、美香あなたです。
すみ。
お読み戴きありがとうございました。




