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昨日見た夢  作者: 清水澄
17/185

その17

お気に入り登録、ご評価ありがとうございます。


 嬉しいです。


 清水澄 拝

 嵐たちが去って、美香と二人きりになった。

僕は言葉少なげで、美香と視線を合わせないようにしていた。


美香も言葉少なげで、僕の様子を伺っていた。


美香の作った夕食を前に美香が話かけてきた。


「優ちゃんごめんね・・・。」


「・・・・?」


僕は思わず顔を上げて、美香を見た。美香が泣き出しそうな顔で僕を見ていた。


「美香がわがままを言ったから、優ちゃんの都合もあるだろうに、同居する事になっちゃって・・・」


 美香をじっと見た、ドウキョスルコトガイヤナンジャナイ・・・キミニ テヲダサナイジシンガナイダケナンダ・・・・

 

     僕の心の声は彼女にはまだ語れない。


「一緒に住むのがいやなんじゃないよ・・?」

 「でも優ちゃんずっと怖い顔だよ・・?」


「・・・・・美香、僕は家事が出来ないよ?ご飯作るのずっと美香の仕事になるよ?」


 美香は顔を上げて、にっこり微笑む。

 「美香、ご飯作るの好きだよ?家で優ちゃん家の分もずっと作ってきたよ?」


あの人たちは受験生に何させてんだ・・・?


 「・・洗濯とかも自分でしてもらわないといけないよ?」

   「大丈夫!!優ちゃんのパンツだって洗ってあげるよ!!」


 「・・・・パンツは自分で洗うからいい・・・置いといて・・・」



 「家事に疲れたから、勉強できない言い訳は聞かないよ?」


 美香はにっこり微笑んで、言った。

   「大丈夫だよ?むしろ5人分が、2人分に減るから、楽になるし。」


・・・・本当にあの人たちは・・・・受験生に何させてるんだ・・・・。


 もう一度遠慮がちに美香が聞いてきた。

  「・・・優ちゃん、美香パンツ洗うよ・・?」


    「・・・・パンツは、いい・・・・」



 美香が下を向いた、横に移動して、僕は美香の顔を覗き込んだ。

    そして視線を合わせて言った。


 「美味しいご飯と、美香の笑顔が毎日見られるならそれ以上は僕は望まないよ。」


 ずっと、作ってくれるんでしょう?・・と僕が言うと。美香は真っ赤になりながら、

うん、優ちゃんが許してくれるなら・・・。とつぶやいた。



 うん、僕の命がなくなるまで、君の横にこうしていたい・・・。

    まだ心の中のつぶやきだけれども・・・・。

       でも、きっと君を僕のものにしてみせる



              君は僕のものだ。・・・・






  毎日が、何とか無事に過ぎていった・・・。


 僕の欲望は、僕の意を無視して・・・いやくみ取ってというべきか・・・。

毎日僕を悩ましてくれたが、思春期の高校生がスポーツでそれをごまかすように、僕は勉強に打ち込む事でそれをごまかした。


ただ、一番困るのは夜・・・。


 美香は僕の思いなんかまったく気がつかず、場所が変わった寂しさか、僕への嫌がらせか、二つあるベッドは充分な広さがあるはずなのに、僕のベッドに入り込んで僕に引っ付いて寝ている。

 狭いから、離れて欲しいと依頼しても、いつの間にか抱きついてくる。


 そんな美香を、傷つけまいと思いつつ、夜中にこっそりと抱きしめてこのまま僕のものにしてしまいたいと思う欲望と戦う・・・。


母の声がよみがえる・・・・


・・・妊娠させないでね・・・・。


・・・そうか、避妊すれば良いのか・・・!!!違う、違う、落ち着け僕!!!


・・・・・・・・・アイテハマダショウガクセイダ・・・・・




そんなこんなで、僕の理性と忍耐力を試すための 40日が無事に終わった。


 夏の終わりの、ネット模試で 美香は見事、Aランクをたたき出し、僕は秋の模試に向けてのアドバイスをしこの合宿を終える事となった。


 今日は、美香の荷物を引き上げに、母親たちが来る予定だ。



 「・・・ちょっとは寂しい・・・?」


荷物をまとめている美香が僕に聞いてきた。


 「・・・・かなり寂しいよ・・?」


美香を手伝いながら僕は言った。


美香が下を向いて小さな声で言った。


「ここにずっといたいな・・・?」


笑いながら僕が返す。


「でもここに引っ越したら、志望校に通うの大変だよ?」


希望の学校変えようかな・・・と美香が言う・・。


 どきん・・と一つ僕の中で鼓動が聞こえる・・・いや、これは恋心によるものではない、雛鳥のすりこみだ・・・。早まるな、僕。


「これだけがんばったのに・・・?」


僕の言葉に、僕の目を見て、そしてあきらめたように下を向いて美香は言った。


「・・・・・合格したら。優ちゃん美香にお祝いしてくれる?」


「・・・なんでも、聞いてあげるよ・・・・」


もう一度、美香は僕の目を見て言った。


「約束だよ。」


美香が、小学生でなく・・・女に見えた・・・・。僕は息を呑んだ・・・。


「美香^~^むかえにきたよ~~」


能天気な、親たちが登場し、僕たちの会話は途切れた。


 わあ~い、と、そちらに駆け寄る美香に、僕は彼女の真意を問いただせなかった。
















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