その167
会場の設営が終わり受付の打ち合わせが終わった。
都からこちらに向かってるが場所が今一つわからないと電話が入った。
「ゆうちゃん私、わかるとこまで迎えに行くね?」
駅から少しそれていりくんだところにあるので確かに場所は分かりにくい。
雑居ビルからでて、私は駅に向かった。
ーーーーーー
会場準備が整ったころに、美香の電話がなった、都ちゃんが道にまよっているという。
「優ちゃん迎えにいってくるね?」
美香の言葉についていこうかといったら、一人で行くという。。
「寂しいからすぐに戻ってきてね?」
僕の台詞に、物凄く嫌そうな顔を見せて、こちらを向きながら小さな声で”彼女は努力します”と言った。
・・・逆らわないなんて珍しい?どうしたんだろう?・・・・・
ドアの向こうに、消えて行く彼女を見送りながら一瞬一緒に行こうかとも思ったけれど、どこまで過保護なんだと思いなおして、止めた。
柳と、店長(宮下さんというらしい)と料理の内容と費用の打ち合わせをしているうちに、都ちゃんと会長の吉田君たちが到着した。
費用について吉田君に言って、受付を頼んだ。
「・・・え?料理つきでそんなもので良いんですか?」
吉田君の問いに、柳が答えた。
「ただね、ここを使っての感想と、今後ケータリングとあわせてのマーケティングについて、役員はレポートを出してね?」
・・・・・・・
「使えるものでなかったら、後で追加請求するわよ?気合入れて書いてね?」
にっこり笑って、言った柳に少し気後れしたように吉田君がわかりました・・と返す。
・・・さすがですね・・・、絶対元は取る気だよな・・・。
呆れてみてると、今度は僕のほうをむいて言った。
「中野君、一つ貸し覚えておいてね。」
「お前、充分元取ってるんじゃないか?」
にっこり笑って、僕に言った。
「あら?それとこれは全く別よね?」
「・・・・・わかった・・・・。」
・・・槇原さん・・あなたの奥さん何とかしてください・・・。
吉田君達が即席で受付表を作り、会場内に人が集まってきた。
僕はそういえば美香が戻っていない事に気づいて、都ちゃんに聞いた。
「美香、一緒じゃなかったの?」
都ちゃんが、「ここ分かりにくいから、しばらく残って案内係するって、美香駅の方向に行ったの。私には会場の手伝いしてって言ってたし、もう戻っても良いと思うんだけど?」
美香の携帯を鳴らすが、応答はなく・・又、バイブにしてて気がつかないんだろうか?
・・・・でも嫌な予感がする・・・・・そういえば義弘はどこに行ったんだ?・・・・
「ちょっと、見てくるね?」僕は柳の”過保護~~”という台詞を無視して、会場の外にでた。
ーーーーー
都に中の手伝いを頼んで、私は会場案内をする事にした。
やはり道がわからず迷子になってる人もいた。
駅に近いほうの角まで出て、立っていたら声をかけられた。
「美香?」
・・・振り向くと義弘先輩がいた・・・
「・・・ここは私が見てますので、良いですよ?」
自分の気持ちもまとまらず、一緒に居たくないことを暗にほのめかしたが彼はきずいてないのか?無視してるのか?私の言葉をスルーする。
「少し話がしたい・・・」
そういわれて拒否できなかった。
今回の騒動の誘引は自分の人の話を聞かない浅はかな行動の結果のように思えていた。
だから、優ちゃんが彼に報復しようとしている事も阻止したいと思っている。
ただそれをどう伝えて、どう阻止するかだ。
うつむいてる私に、彼は肯定と取ったのか続けた。
「教室で話してから思ったんだ・・ただの誤解だったのに、僕は・・君にひどいことをした・・・。僕の行動は理由はどうであれ許される行動ではないと思う」
私は黙って、うつむいていた。
・・でも確かに私も悪かったと思います。・・・・でも何か違和感を感じてその言葉が伝えられない。
「いくら自分で手を下していないとは言え、知っていながら放置してたのは僕が悪かった・・、中野先輩が僕に報復をと思ってるなら甘んじて受けようと思う。でも、君には直接謝りたかったんだ。」
彼の一見潔く聞こえる台詞にやはり違和感を感じた。
何がいけないんだろう?男らししく彼は謝ってるのに、どうして私はそれを受け入れたくないんだろう?
あんな短時間に自分の行動を反省して、私の様子を見て謝罪の言葉を言ってる。
・・・この彼の男らしく思える行動のどこが気に入らないのか・・・・?
・・アナタガアヤマッタカラッテ、ワタシノナカノコノドロドロシタオモイデハキエテナクナナラナイヨネ・・・・
私は彼を見ながら心の中で彼に聞いてみた。
で?あなたが謝ったら、私の請けた心の傷は」なくなるんですか?
あなたは私がどんな思いをしたのか今この瞬間に理解しようとしてくれながら、その言葉を言っているんですか?
あなたが私に許しを請うて、私に許されたら、私の一年半のあのおもいでもなくなるというんですか?
あなたに謝られたからって、私の受けた傷や、嫌な思い出は、消えてなくなりませんそれをわかっていているならそのことはどう償うというんですか?
自分が言葉で謝って許されると思うそれって子どもの心理ですよね?
今までの私の気持ちを考えもせずに、自分だけ楽になりたいと思ってるその情けなさにきがついてないんですか?
聞きたいことは沢山ある、でも私はこの自分のなかのどろどろとした感情と向き合うのもイヤになっていた。。
・・・もうこれいじょう考えたくないし!!・・・
違和感の正体は、多分この人の自分の事しか考えてないことに全くきずかずに、潔く謝ればそれで済むと思っているようなその台詞だろう。
むしろ堂々と、”謝るつもりはない、お前のせいだ!!”って、いってくれたほうがすっきりする。
自分の問題と向き合わず・・と言うか向き合えずきずかず、何が原因でこうなったのかを考えず、相手に謝れば終わり、・・と思ってるようなこの行動。
・・・・同じ事を繰り返さないですか?あなた?・・・
自分の問題をごまかして?イヤふたをして?あなたは何を目指してるんですか?
潔い謝り方の研究?
・・・・・きっと同じ事を繰り返すんだろうな・・・
そんな・・この人のどこが良くて付き合っていたんだろうか?
この人の何を見ていたんだろうか?
もしこの人と別れなかったら優ちゃんと付き合ってなかったかも知れないと思っていた・・・
いいえ!そんなことはない。優ちゃんは自分の気持ちを楽にするために、相手に許しを請う人ではない。
自分の問題と向き合わずに、ごまかす人ではない。
自分が原因で、課せられたペナルティは誰に告げることなく、黙って受け止めるだろう。
そしてそのことを隠すことなく堂々というに違いない。
”僕はそういう人間だ!!”・・と。
・・・今はね・・今度はその問題と取り組むよ・・と、だから許しは請わない・・と。
君に許しを請うのは、その問題が解決した時だ・・・と。
それを誰にも言わずに実行するだろう。
だから優ちゃんは誤解されるんだ。
言いたいことは沢山あった、でも彼に今何を言っても私の気持ちは、言いたいことは伝わらないだろう。
・・・私は彼のふたをこじ開ける労力を割いてまで、彼にそれを伝える気はない・・・・
「・・・・もう、終わった事ですから・・」
私の顔を見て、ほっとしたように笑顔になるその人を見て、苦い思いがこみ上げた。
でも私はその気持ちを彼に伝えることなく彼に微笑んだ。
すみません、大幅に修正かけてます。




