その162
優ちゃんと校内を回ったが時間はあっという間に過ぎて・・。気がついたら終了時間になっていた。
「・・・優ちゃんこれからどうするの?」
おとなしく帰って欲しかったが、どう考えても今日の優ちゃんの目的を予測するとそうなるはずもなく・・。
「・・生徒会の打ち上げに呼ばれてるし、行こうかと思う美香も来るだろう?」
・・・美香は美香で、クラスの打ち上げに行きたいんですけれど?・・とも言えず。・・・
よっちゃんも来るのに、野放しには出来ないよね・・。
「・・・めんどくさい・・・。」
小さくささやいた私の台詞に、優ちゃんが後片付けの手伝いかと思ったようで手伝ってくれると言ったが丁重に断った。
全然違うし?あなたの巻き起こす事件のことですよ・・・?
一緒に生徒会室に行ったら、一緒に受付をした先輩がいて受付の片付けは終わったから他を手伝ってと言われた。
どこに行けばいいんだろうと悩んでたら、会長さんに”美香ちゃんはお客さんの接待をして・・”と言われた。
・・・はて?お客さん?・・・
不思議に思って周りを見回すと、にこにこ笑ってる優ちゃんと視線が合った。
・・・・おきゃくさんですか?私よりもここの事には詳しいと思うんですけれど?・・・・・
にこにこ笑う優ちゃんを無視して、仕事はないかと探したが・・・。
皆、忙しそうに相談していて、新参者のお手伝いは役に立たないようだ。
谷内先生が、私にささやいた。
「中野の頃に、部外者を入れる許可を自分たちでもらった以上、運営管理も自分たちでするってことになったんだ。設営から撤収そしてその後の現状復帰すべて生徒の手でまかなわれている。
それまでは、文化祭、体育祭は、ただの学校行事でやらされてる感満載だったんだけれどもな?
何時の間にか、生徒による大事なお祭りに変わってしまってたよ。
いまや、僕らは全く口を挟む隙もない。僕らの仕事は生徒会の現状復帰完了の合図を聞いて、形式的に見回りをするだけだよ。」
改めて生徒会役員の動きを見た。
高等部の会長さんは、中等部の会長さんと相談しながらメールや電話ではいってくる撤収の報告をまとめて見取り図をつぶして行く。高等部の会長は、中等部の会長にまず意見を聞きそれにしたがって動いてるように見える・・?
「主体は中等部、高等部はそのフォローをしてるだろう?あれで人材を育ててるんだ。」
高等部の会長に確認を取りながらてきぱきと指示を出し仕事をこなしてるたった一年上の中等部会長のその様子に、優ちゃんの時代に優ちゃんが作った?と言われても今の優ちゃんを見て想像できなかった。
・・ああでも私が自分で自分の気持ちがわからなでパニックになってる時、私でさえわからない部分を一緒に考えて整理して、解決方法を見つけてくれる・・
「最後の見回り、分担通り今回ってます。」
ドアが開いて、入ってきたその声は、よっちゃんだった。そして優ちゃんを見て、眉をしかめて会長さんに言った。
「・・さっきから気になっていたんですが、何で部外者がここにいるんですか?」
淡々と告げらているが、よっちゃんは鋭い目で優ちゃんを見据えて、そしてその声は部屋に響いた。
「僕が、今までの生徒会活動の事をお伺いしたくていていただいてるんだ。」
きっぱりと会長さんがよっちゃんに告げた。
溜息をついて、でも明らかに優ちゃんに敵意を向けながら、よっちゃんが続けた。
「・・・部外者ですよね。」
「生徒会OBだ問題ない。」会長の吉田さんとよっちゃんのやり取りを聞きなながら、私は面白そうに成り行きを見る優ちゃんの服を引っぱった。
”なに?”面白そうな顔で私のほうを見た。
・・・なんでこのひとは自分が火種になってるのにこんなに平気な顔をしてるんだろう・・。
”外で待ってて・・。”小さな声でささやいた私をそのままの表情で見て優ちゃんは言った。
「必要ない。」
しっかりと、きっぱりと。
ああ美香知ってる優ちゃんがそんな言い方するときは誰も意見できない。
なきそうになりながら成り行きを見る私をちらりと見て、でも優ちゃんはもう一度私に言った。
「・・僕がここに来た理由を考えて?このぐらいで動揺してどうするの?」
・・・だから!!私は私が原因でトラブルが起こるのが嫌なんです!!・・・・




