その160
「お前のささやかな、胸が当たって困る。誘われてるのかと思った。」
・・・・このおひとは公衆の面前で何をいっているんだろう?
私はあっけにとられるとともに呆れた。
私のかおを見て、再び優ちゃんが続けた。
「誘ってくれてるのなら、非常に嬉しいし、もう少し育つまで待とうと思ってたけれど、僕が育ててもいいことだし?」
ね?・・・と、極上の笑顔で笑いながら言った優ちゃんの台詞に首をかしげる。
育てる?どうやって?他人がどうやって私の胸を育てるんだ?
いやいやその前に優ちゃん何気に失礼なこといってなあい?
思考が駄々もれの私の百面相を見ながら優ちゃんは笑いを噛み殺しつつ、私の耳元でささやいた。
「もめば、大きくなるよ?僕がしてあげるよ。」
・・・・・その衝撃的な台詞が私の耳から脳に届くまでに、数分を要した、最初血の気が引いて、そしてそのあと頭に血液が充満した。
「・・・・・優ちゃん?」
私は低い声でその発言の主を睨み付けた。
周りが息きを飲んで成り行きを見守ってるのがわかったが、そんなことどうでもいい私の怒りは爆発した。
「優ちゃん!!美香結婚するまでなにもしないでって約束したでしょう?!美香お嫁に行くまでいやだって言った!!」
思わず叫んだ私の台詞に優ちゃんがため息をついて言った。
「・・・最後までしなくても、胸を育てるだけだよ?」・・・と。
優ちゃんの言葉に、私は叫ぶ!
「それもやだ!」
優ちゃんは、諦めたように言った。
「わかりました、お子さまにはお子さまに会わせて、お子さまようのキスだけで我慢いたします。・・・・でも触るぐらいいじゃない?婚約してるんだから・・・・・。」
「やだっ!!!」
即答した私のせりふに優ちゃんはすねたように言った。
「・・・触っても、減るわけでなし、むしろ増えるのに何で嫌かな?」
・・・・いやいやいや!!そういう問題でないでしょう?・・・
私は優ちゃんを睨む、優ちゃんはそれを無視して周りの子に、ほんと美香はお子様だから・・と、愚痴をこぼし・・。
ふと笑い声に振り向くと都が悶絶してるのが見えた・・・。
「・・・都?」
何かがつぼにはまったようで笑い転げる彼女を冷ややかに見た。
クラスの友人たちが、私のほうによって来て、小さな声で言った。
「・・橘さんの彼って、いつもあんな感じなの?」
私は憮然として答えた。
「・・・美香で良いよ?・・そうです!!成りだけ大きい大きい!!お・こ・さ・ま・です!」
私の言葉に、優ちゃんが反応した。
「身も、心も、お子様には言われたくないね!!!」
私は思わず反論する。
「今年、27になるってのに、TPOを考えて、言って良いことと悪い事の区別もつかない人にお子様言われたくありません!!」
優ちゃんが面白そうに返してきた。
「別に恋人に愛をささやくのに、場所選ぶ必要もないでしょ?」
「優ちゃんのは、愛じゃない!!エロです!!」
優ちゃんはにっこり笑っていった。
「エロのない愛情表現なんて面白くないじやない?」
・・・・くうぅ・・この・・この・・・・この・・・屁理屈男何とかしてください!!!
「もう、もう!!!優ちゃんなんか!!」
笑いながら優ちゃんが聞いてきた。
「・・・・嫌いになった?」
私は言葉に詰まった。
小さな声で、悔しいけど言った。
「・・・好きです。」
優ちゃんはそれを聞いて、満面の笑みで私の耳元でささやいた。
”僕も大好き”
そんな私たちに谷内先生のささやき声が聞こえた。
「・・・お二人さん非常に悪いが、ここは学校で、それ以上の接触は止めたほうが。」
その言葉に、私は、恐る恐る周りを見回した。何時の間にか集まったのか生徒に囲まれていた。
その人垣を見て、私の頭は真っ白になってその場に座り込んだ。
「!!いや~~優ちゃん!!美香あと4年ここ通わないといけないのに!!どうしてくれるのよ!!」
優ちゃんは、周りのギャラリーを見回して、私のほうにかがみこんで私を立たせようとしながら言った。
「・・僕が・・てよりも、殆んど美香が言ってたようにも思うけれど?」
優ちゃんの手を払いのけて、その場から動けないでいた。
そんな私にクラスメイトが近寄ってきて、谷内先生に言った。
「橘さん気分が悪いようなので、保健室に一緒に行きます。」
それまで、優ちゃんを囲んでいた子達もわらわらとよってきて、私を支えてくれた。
「・・ああ、頼むね?」
谷内先生の言葉を聞きながら、私は沢山の友人に抱えられながらその場を離れた。
・・・・・・優ちゃんの、馬鹿!!!!・・・・・・
ーーーーー
沢山の友人に抱えられるようにして移動する美香の後姿を見送った。
「・・ちょっと安心してくれた?」
その台詞に横を見ると、都ちゃんが笑っていた。
「・・前が、どんなのかしらないけれど、そうだな?孤立していじめられてるようには見えないな。」
僕の台詞に、都ちゃんが続けた。
「・・・今日の優兄ちゃんとのやり取りで、流産はデマってわかっただろうし、優兄ちゃんが生徒会に関わってた事も良いように伝わるだろうし・・・」
”ありがとう”
僕の台詞に都ちゃんがてれたように返してくれた。
「・・ううん?美香が我慢したことを考えたら、まだ申し訳ないぐらいだよ?」
”ほんとうにごめんなさい・・・”
きっと、美香に言いたくても改めていえなかったんだろうその言葉を僕は都ちゃんから受け取った。
・・・美香は多分、言葉以外の方法で、もう受け取っていると思うよ・・・・・
ーーーーー
保健室に皆につれてきてもらったものの罰の悪さはなくならず。どうしたら良いのかわからなかった。
黙り込んでる私に声がかかる。
「橘さんの彼って素敵ね?」
私は思いっきり不本意丸出しの顔で中川さんを見た。
「・・・あれの?どこが?」
中川さんをはじめ周りの子は笑いながら私に言った。
「ホント橘さんって面白い人だったのね?」
・・・私は普通だと思うよ?・・・
怪訝な様子であろう私の顔を見て、彼女は続けた。
「最初生徒会の誘いを断った時、怖い人だと思ったのよ。だって、あの生徒会の誘いをあんなふうに断るんだもの・・」
「あれから、近寄りがたくって、遠くから見てたらあの噂でしょう?ますます、話しかけにくくって・・」
笑いながら中川さんの言う内容をぼっと聞いてた。
堀さんも横から言った。
「滝さんと仲良くなって喋ってるのみたら、イメージ変わって・・今日の様子でもう一つ違って・・・あの噂本当にデマだったのね?でも誰がどうしてあんなひどい噂にしたのかな?」
・・・・まあ、噂ってそんなものでしょう?心の中で思うが口には出さなかった・・・・・
「美香ちゃんの彼って、ここの卒業生ですってね?」
私はうなずいた、
「いつから付き合ってるの?なにしてるの?」
みなの興味津々菜質問にぽつりぽつりと答えた・・・・。
・・・うん、みなとは仲良くなりたいが、こういう場面は少し居心地が悪いかも・・・
・・・優ちゃんか、都、早く来てくれないかな・・・・
みなの後好奇目にさらされて居心地悪いながらも、優ちゃんの話で皆はわいてくれたようだ。
しばらくして都が助けに来てくれた、まだまだ聞きたそうな皆と別れて都と合流した。
「・・・ご苦労様」
・・・そのねぎらいはなんだろう?都のはかりごとにまんまとはまって振り回されたことに対してのねぎらいか?・・・
怪訝な顔で都を見る私に、都が言った。
「美香の事誤解する人がなくなると良いよね。」
・・・うん、ありがとう、都の気持ちは受け取ったよ・・・・・
・・・・でもね、これからの事考えると、ある意味別の意味できっと好奇の目ににさらされるような気がする・・・
・・・・優ちゃんの馬鹿!!やりすぎです!!!・・・・・




