その154
優ちゃんが下を向いて黙りこむのが見えた。
回りを見ると皆なにか言いたげに優ちゃんを見ていたが、優ちゃんは気がつかないでいる?それとも無視?
私は優ちゃんの顔を覗き混んだが表情が読めなかった。
「中野!」
谷内せんせいの呼ぶ声に優ちゃんが少し顔をあげた、先生は優ちゃんになにか投げるのが見えた。
優ちゃんはそれを受け止めて手のひらのなかを見てもう一度谷内せんせいの顔を不思議そうに見る。
そんな、優ちゃんに谷内先生は笑いかける。
その顔を見た後優ちゃんは私のほうをむいて手を伸ばして言った。
「美香、おいで。」
私はてを引かれて教室を出た。
ーーーーーーー
美香から離れたが非常に気まずかった。
自分の感情がコントロールできない。
美香が聞きたいなら聞くといったが、他人の前でする話でもないし、二人きりになりたかった。
顔をあげないまま、ふたりきりになる方法を思案していた。
谷内先生に名前を呼ばれて顔をあげたら、彼が僕のほうに何か投げた。
思わず受け止めたものは・・・・?鍵?
彼のほうを見ると笑ってる。
この、鍵の場所に思い当たり、美香のてを引いて、そこへ向かうことにした。
社会科準備室の鍵を開けてなかに入った。美香が僕にてを引かれて恐る恐るついてきた。
古い紙の匂いと、埃の匂いが充満していた。
一番奥まではいって、簡易ソファーを見つけてみかが声を出した。
「何で、こんなとこに?」
僕は美香に答えた。
「あの人はここを自分の休憩室に使っていたんだ、まだ続けてたんだ・・・。」
僕はソファーに近づき、後ろの窓を開けた。
外を見下ろすと、グランドが見えた。後ろに立ってた、美香の肩を軽くつかんでソファーにひ引き寄せて座らせた。
美香と視線があったが、思わずそらしてしまった。
「義弘と話したんだって?」
僕の言葉に美香が顔を曇らせたのがわかった。
「・・・優ちゃんまさかそれで不安になったとか言わないでよ。」
・・・そのとうりなので黙っていたら美香が溜息をついた。
”なんで、みんな勝手にいろんな想像するのかな?”
美香の呟きが聞こえた。
僕は、美香に視線を落とした、美香が僕の目を見て、もう一度ため息をついた。
「たいした話しはしてないよ?誤解を解いただけ。」
僕は、黙って次の言葉を待った。
美香は”言わないと駄目?”と聞いてきた。
「・・・・美香が言いたくないなら良い。・・・」といったその後に、美香が溜息をついて呟いた。
よっちゃんにした同じ間違いを優ちゃんとはしたくない。
何のことだろう?
美香は僕の顔を覗き込んで言った。
「優ちゃん?美香は優ちゃんだけが好きなんだよ?何が聞きたいの?」
僕は、情けないと思いつつ義弘に言われた事を言った。
「・・美香との誤解がなければ、今となりにいるのは僕だといわれた。・・僕と義弘は似ている。美香はタイミングの問題で、僕でなくても・・・」
美香が、僕の頬を両手で挟みこむように叩いた。僕は驚いて美香の顔を見た。
「・・今優ちゃん美香に対して、ものすご~~~~く!!失礼なこといったのわかってる?」
僕をにらみつける美香の顔を見た。
「美香誰でも良くないよ?どんなに似た人でも優ちゃんはこの世に優ちゃんしかいないでしょう?そんなに美香の気持ちがわからないならもう良いよ?美香優ちゃんとなんか絶対結婚しない!!」
僕は、美香の言葉に目の前が真っ暗になった。
僕は、思わず切れて美香が叫ぶのも聞かずソファーに押し倒し、抱きしめた。
・・・・嫌だ、お前は僕のものだ!!絶対誰にも渡さない!・・・・・




