その149
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清水 澄
泣きながら要領を得ずに語る私の話を、都は辛抱強く聞いてくれた。
そして都は私に言った。
「美香が、泉先輩に誤解を与えて、別れる事になったのと。泉先輩が、美香の事陥れる行動を取ったのは別の話だと思うよ?」
私は泣きながら都の顔を見た。
都はそんな私を覗き込みながら続けた。
「どんなことがあっても先輩が美香にとった行動は・・たとえ直接手は下してなかったとしても、・・・しちゃいけない事じぁあないのかなぁ?」
都は私の頭を抱き寄せながら、続けてくれた。
「ましてや好きな子に対してでしょう?男としてそれはどうなの?美香、あなたどんだけその仕打ちを我慢してたの?」
淡々と頭の中に響いてくる都の答えに、でも、それでも自分を許せない自分が居た。
「・・でもきっかけを作ったのは、美香なんだよ?」
都は大声を出して怒った口調で言った。
「でも!!誰かが傷つけられたからって、正義の味方が何をしても良いって事はないでしょう」
「相手を傷つけた時点でその人は加害者でもあるでしょう?」
都は怒って続けた。
「そんなん、自分を信じてくれなかったって言うのなら、自分だって美香を信じてなかったんじゃないの?
男と女のことなんて、どちらがより悪いなんてことはないよ!!二人とも一生懸命だったならなおのことだって!!タイミングが悪かっただけじゃないの!!」
・・・都?私たちって?中学生だよね?都の台詞って、百戦錬磨の大人の感想に思える・・・・
びっくりと都を見つめる私を見て、都が照れたように言う。
「・・私ね、4人姉妹の末っ子なの。お姉ちゃんたちにいろんな話聞いてるから、ものすごい耳年増。」
舌を出して続けた。
「引っ付いたり離れたり、泣いたり、怒ったりしてるおねえちゃんたち見てると、恋愛に対して冷めた目をしてしまうって言うか・・・」
「だからね、美香の援助交際の話も、お姉ちゃんを見てるようでうんざりだったんだ。」
”ごめんね、良く知りもしないで思い込みで意地悪して。”
私のほうを向いて続けてくれた。
「でも美香を見てて、美香と話してて、美香のまっすぐな気持ちを知って。自分がいかに側面しか見ずに決め付けていたのかって思った。だから、お姉ちゃんたちとも自分の気持ちをありのままに言って話してみたらふわふわ男の尻追いかけてるだけかと思ったけれど、そんときそん時は一生懸命なんだって言うのがわかって・・。」
にっこり笑っていった。
「自分が、いかに一つの方向でものを見て、自分の色眼鏡で決め付けるお子様だってわかってはずかしかった。」
都は私の顔を見て続けた。
「ねえ、美香?私たちはわかってることよりも、わかってないことのほうが多いの。そして、見えてることよりも見えてないことのほうが多いのよ。」
”それなのに・・・”
「自分に対しても、他人に対しても、一方方向から見た物事だけでどちらが悪いって決め付けるのって怖い事だと思う。悪かったのは美香だけじゃないよ?でも美香も悪かった。そして大事なのはこれからどうして行くかだとおもっちゃあ駄目なの?」
・・・都は大人だと思う。そしてそんな友人を持って私は幸せだと思う。・・・
「うん、よっちゃんと別れなかったら、きっと都と出会わなかったよね?」
都はわけの分からない私の台詞に、大きな目を開けて、そしてしかめっ面をした。
「・・・なんのこと?」
しかめっ面をして悩む都に私はわらった。
そして都を抱きしめて、言った。
「友達になってくれてありがとう。都大好き」
都は小さな声で”私は怖くて優兄ちゃんのライバルにはなりたくない”・・と言った。
・・・いや、ライバルなんかじゃないよ。別格だよ都は。・・・・・
そう心の中で思いながら、もう一度都を抱きしめた。
私は今自分にできることをして、よっちゃんとの関係を考えよう。
すみません、キリが良かったのでぶつ切りにしてました。
明日から、1回/日更新に戻します。




