その144
自宅に帰ってから、やっと美香が電話に出てくれた。
小さな声で、僕のなまえをよんだ。
・・・・どう、説明しよう?
線引きはしてたつもりだったが、向こうに誤解させる行動をdとったのも事実で・・・・
いいわけをしてごまかそうか?と思う僕と、自分の情けなさを素直にいってしまって楽になろうと思う僕とがせめぎあっていた。
美香に納得してもらういい言い方は何だろうか?
考えながら言葉を捜した。
「彼女は、生徒会活動を一緒にしてる同級生で、別に付き合ってるつもりは無かったんだ。誤解してるんだと思う。今日はっきり伝えたから。」
僕の言葉に、美香の返事はなく・・・気まずい沈黙が流れた。
僕はもう一度言った。
「美香?僕が好きなのは君だけだから、そこはわかってほしい」
沈黙が長い。
電話の向こうで中野先輩の声が聞こえた。
声の大きさから、すぐそばで話しているように思える。
何で先輩といるんだ?
幼馴染みで、家族同様の付き合いなら仕方がないとはわかっているが、僕は嫉妬で気分が悪くなった。
どうして返事をしてくれないのか?
僕と中野先輩とのどちらのほうが美香の心の中をしめる率が高いのか?
君と付き合ってるのは僕のはずだろう?
僕はじれて少し強い口調で問いかけた。
「美香?僕の話聞いてくれているの?返事をして欲しい!!」
僕は電話の向こうに居る美香に、思いどうりにならない美香の行動にたいしてと、嫉妬心でかんしゃくのようなものを起こしていた。
美香の淡々とした声が、電話の向こうから響いてきた。
「自分の心をごまかせると思うならどうぞ続けてください。私をごまかしたって、先輩の気持ちにはうそはつけないでしょう?」
そして・・・・電話が切れた。
・・僕は受話器を持ったまま、動けなかった・・・・
自分の心をごまかす?・・何に対して?
僕の気持ちがどうだって?・・・美香君こそ僕の気持ちがわかっていないじゃないのか?
美香こそ、どうして僕の気持ちがわからないんだ?




