その133
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すみ 拝
この学校の総合祭は学校見学のついでに来る人が多く、入場者数が半端でない。私と都は一般来場者の受付を任されていた。
優ちゃんは駅についたら連絡するといってくれたが、電話に出られる状態でもなく、私は都と二人来訪者を捌くのに必死になっていた。
お昼近くになっても優ちゃんの姿は見えず。そっと、携帯を確認したが、着信はない。
「やっぱり、忙しいのかなぁ?」
きっと急な用事が出来たのだろう。お医者さんは忙しいのだ。
へこむ気持ちを仕方がないと言い聞かせ私は自分をふるい立たせていた。
どのくらいたっただろう。高等部の先輩が私と都に囁いた。
「あそこのベンチで座ってる人ちょっと素敵よね、?もう一時間以上もあそこにいるわ。だれかまってるのかなぁ」
先輩が言う方向を見ると、こちらをじっと見ている人がいた。
紺色のジャケットに、ジーンズ姿、ベンチに座って足の間で腕を組んでこちらを見てる。
先輩はちょっと素敵と言うが、少し長めの髪を後ろに流すようにオールバックにセットして サングラスをかけて、私から見ると、なにを目指してるんだろうと思う。
・・・・やくざみたいだ・・・・・
私の好きなタイプでないな、と思って視線をそらそうとしたら、こちらに向かって、てをふってる・・・?
私は左右を見た、先輩も都も首を振っている。
「誰の知り合い?」
誰に言うわけでもなく呟いた私に皆が、「さぁ・・・・?」と返事を返してくれる。
でも心の中の違和感を何となく感じ私は考えた。
・・・・・あのジャケット見たことあるよね?・・・・
・・・・・・・・どこで見たんだっけ?・・・・・
真剣に考える私の方にそのビジュアル系のヤクザが近づいてきた。
そのやくざは憮然とした表情を浮かべていた。
近づいてくるやくざに、知った顔を重ねた。
「優ちゃん!?」
あっけに取られながら、疑問系の声をあげた私に、優ちゃんは不機嫌に言う。
「いつ気がついてくれるのかと、あそこで待って一時間以上も経った。ちょっとひどいんじゃないの?」
・・・・・言い訳できないかもしんない・・・・・
「・・・・・その不思議な出で立ちでなかったら、すぐわかったよ?」
少し罰の悪い思いを抱きながら返した私の台詞に、愛がないと呟いてから、都に久し振りと笑顔で声をかけてた。
「・・・・・父兄受付はあっち。」
自分の罰の悪さを隠すために、邪険に隣のブースをさして伝えた私に、父兄でなく、婚約者の受付はないのかとたわけたことを聞いてきた。聞き耳を立ててる先輩方が目を丸くして驚いている。
私は低い声で言った。
「・・・ない!!それとも、父兄止めて、一般入場手続きする?」
うちの学校は、一般入場者と、父兄入場の場合配られる入場許可のシールの色が違い、入れる場所も違ってくる。
一般入場者の場合、入れる場所に制限がかかるようになっている。
「・・・父兄で良いです。」
「よし!!最初から素直に受付してください!!」
しぶしぶといった風情で答えた優ちゃんにたたみかけるように、私が答えた。
そんな私達の様子に、都が笑い出して・・美香は相変わらず尻に敷いてるという。
・・・美香、尻にしいてません!!優ちゃんがお子様過ぎるんです!!・・・・
憮然とした私の表情に、周りにいた高等部の先輩方が笑った。
「・・・会長が見たらショック受けるだろうな。・・・」
「自分の理想が、粉々に崩れて・・・。」
・・・・そもそも、優ちゃんを理想にするのが間違いなんです。この人は最初から崩れまくりです!!・・・・・
憤然とする私から父兄用のシールを受け取り、それを胸に貼ってから、都のほうを見て首をすくめていた。
・・・都!!そんなの甘やかしちゃ駄目!!・・・・
ーーーー
美香と約束した時間よりも、少し早めに学校に着いた。
ここの中等部と高等部は校門が一緒で入って手前に中等部の校舎、グラウンドをはさんで奥が高等部の校舎になっている。
校門から少し入った中等部の校舎入り口に設営された、受付を見ながら、その途中にあるベンチに座って美香が一般来訪者の受付をしてる姿を見た。
あの後、美香の学園生活がどうなってるのか探るために美香にばれないようにあまり普段しないかっこうできた。
そして美香にきづかれないように少しはなれたところでその姿を観察する。
「・・・やくざ見たいって言うだろうな・・・あいつ・・・」
自分で作った髪形と、サングラスをかけた姿を見ながら、きっと美香が見たら呆れるだろうなと苦笑いした。
美香のために協力してもらった友人とは、このベンチで待ち合わせている。
30分ぐらいして、待ち合わせの時間に、彼が来た。
僕の前を通り過ぎて、もう一度戻ってきた。そして僕を見て言った。
「・・・中野か?どこのやくざの幹部かと思ったぞ?職業変えたのか?」
・・・変えてません、・・・・
不愉快を隠さずに彼を見る僕の顔を見て、”ああ、そういうとこは変わってないし・・”と笑う。
「お前の美香ちゃんはどこだ?」
僕は彼に、受付を見るように言った。
「・・・どっち?」
「真ん中。」
彼は感慨深げに言った。「6歳児の時の面影ないよな?綺麗になったな?」じっと見つめるやつに少し腹が立つ。
「減るからあんまり見るな。」
そういった僕を、ホント相変わらず危ない奴、と言って笑った後、”先に生徒会室に挨拶に行く”といって受付に行ってしまった。
彼がいなくなった後、彼の言葉を反芻する。
「・・・確かに綺麗になったと思うよ・・びっくりするほどに・・・」
誰に言うでもなく呟いて、美香は僕にいつ気がつくんだろうと、かくれんぼをする気分でもう一度ベンチに座った。
・・・みか?はやくみつけておくれ・・・・・
「一時間以上かかったら、お仕置きかな?」
お仕置きの方法を想像して、思わず笑みがこぼれる。
「ホントどうしようもないね・・。」
・・僕はどんだけ美香が好きなんだろうと思う。・・・
・・・みか?は・や・く・み・つ・け・て・・・・・




