その127
シップを貼り終わり二人が落ち着いたのを見計らって、美香の喧嘩相手にうわさの事を聞いた。
僕の問いに美香の顔を見ながら、ぽつりぽつりと話し出した。
「最初は、昔付き合っていた子とちょっとした誤解から分かれてしまった、でもまだ忘れられないしもう一度付き合いたいからその誤解を解きたい。何とかならないかと悩んでるって聞いた。」
美香が不思議そうに聞いた。
「それがどうして援助交際になるの?」
「去年の春に、たまたまであったときに、態度の悪い大人の人と一緒で、ただならぬ感じだった、きっととひろ先輩と別れて自暴自棄になってるんでないかって噂になって・・・。」
・・・それは僕のことか?・・・
「それで、何とかしてあげないといけないと思って、ひろ先輩がやっとの思いでデートに誘ったのに、こともあろうかその相手と来て、しかも、自分の身を省みず彼女を何とか助けようとしてるひろ先輩を無視して抱き合っていたって、その現場を他の先輩も見たって言ってて。」
・・・美香の冷たい視線を感じた・・アノテーマパークの話しか・・・。
「みんなで、助けてあげようと思ったのに、何時の間にか三人でいなくなって、心配してたら、その後ひろ先輩が青い顔して橘さんが入院したって言うの。」
・・それって盲腸でだよね・・・・
「それ以上はどれだけ聞いても教えてくれなくって、でもあの大人の人とのラブシーンを見たら、みんながあの二人はただの関係じゃないよって言って・・・・・。」
・・・それで援助交際?・・・・・
「ひろ先輩にどんだけ聞いても教えてくれないし、みんなが言ってる事を否定もしないし・・・だからみんなそれで良いんだと・・」
・・作り話が暴走した・・・と、それもどうだろう・・・
美香が彼女に事実を話し始めた。
「よっちゃんとはね、小学生の頃に少しだけ付き合ってたの。」
彼女はじっと美香の話を聞いていた。
「優ちゃんと出かけたときに、駅で他の人と歩いてるのを見てその人がよっちゃんの彼女だって挨拶されたの。」
彼女が美香に言った。
「その話聞いたことある・・・一生徒会の手伝いをしてた子が、先輩のこと好きになって自称彼女ってことになったけれど、ほんとは違う子と付き合ってたのに誤解されて困ったって言ってた」
美香は首を振りながら続ける。
「でも本当に私のことや、そのこの事考えてるなら、線引きはしてくれるべきよね?なぜあいまいにしてたの?」
美香は淡々と続けた。
「それに私が嫌だったのは、女の子とデートしてた事実より、美香にごまかしの言い訳しかしなかった事。自分のずるさや曖昧さは反省しないの・・。その時この人と違うなって思ったの。」
・・それでおしまいにしたの・・・・・
「でもね、それからも度々、やり直したいって言われて・・。」
その話を聞いて僕は思わず口を挟む。
「・・僕は聞いてないよ?その話・・・」
僕の低い声に少し怯みながら、美香は言い訳をした。
「・・だって?その頃美香優ちゃんと何も無かったもの。」
美香の言葉に思わずうなる。
「兄としてでも報告をうけるべきところだろ?それは?」
僕の言葉に美香が平然と返した、
「・・だから、テーマパークに誘われた時は相談したじゃない??」
僕らの会話を聞きながら、彼女がどういう関係なの?いつ知り合ったの?と美香に聞いていた。
そういえば紹介してなかったと、美香が僕のほうを向いた後に彼女に言った。
「幼馴染なの、そしていとこ、今お医者さんの勉強中。」
・・・いや美香?僕は一応国試は受かってるぞ・・・
「付き合いだしたのは8月初め、婚約したのは8月終わり・・かな?」
「よっちゃん、昔は優ちゃんのこと大好きだったのにね?それなのになんで美香が騙されたなんて嘘つくかなぁ・・。」
溜息をついて悲しそうな顔をしてる美香の頭を思わず引き寄せた。
美香はされるがままにしている。そして、僕の胸に顔をうずめた、声は聞こえなかったが、温かい水が僕のシャツをぬらすのがわかった・・。
義弘、うその代償は大きいと思えよ?




