その124
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すみ 拝
美香の怒ったを見ながら、自分の行動を省みて、たしかに大人げなかったなと反省する。
このままついていくか、どこかで待つか考えていた。
廊下を見下ろすと中庭が見えた。
「美香?美香の用がすむまで、あそこで待ってるよ。」
うなずいた美香の横顔を見ながら、中庭のベンチに向かう。
ぼっと空を見てたら谷内先生に声をかけられた。
「お前なぁ、橘の立場も考えて行動しろよ?中学生相手にいい大人が本気で牽制かけるなよ…」
あきれた顔で僕に話しかける谷内先生の顔を見ながら、僕は言った。
「確かにおとなげなかった自覚はありますが、一気に片をつけたかったので。」
谷内先生が僕の言葉を聞いて笑いながら、続けた。
「まあ…高校の頃は、腹にいちもつもってるようだがなに考えてるか解らないいけすかない奴だったな? 大人気がないけれど今の方がずっと人間らしいな?」
・・・・どういう意味なんでしょうか?・・・・
僕は、心情を隠して、笑顔で先生と向き合った。
谷内が僕の顔を見て、笑いながら言った。
「そうそうその顔。自分の心の中を隠して、表面上だけの付き合いをして、うまく回りを騙してたな?」
僕は笑顔を貫く。
そんな顔を見てまた笑いながら言った。
「大人げないが、今の方がずっといい。何であの頃は自分を隠してたんだ?」
先生の言葉を無視して微笑んで僕は変わってませんよ?と言ってみた。
谷内先生が、あきれた顔で、続けた。
「教師が生徒会役員決めて、規律を決めてたここの校風を、生徒会中心の生徒が規律を自主的に決める校風に5年かけて改革した。その黒幕だろうお前?」
僕の表情を伺いながら僕に言う谷地先生の顔を僕は相変わらずの笑顔で見つめた。
「5年の歳月をかけて生徒会で改革を図ってたよな?生徒会長は毎年変っていたがその裏で一貫して
糸を引いてたのはお前だろう?」
なんの事か解りませんと僕は返してみた、何でいまさら中高時代の事をこの人は言うのか・・て、いうか何でばれてるんだ?
ここの高校と中学は別の生徒会だが実はリンクしている。中学の生徒会の主要人物がそのまま持ち上がる事も珍しくなかった。
谷内先生が、微笑んで言う。
「そういえば学園祭の時に、お前、ロリコンだって噂があったが、あれは橘のことか?」
思わず笑顔が崩れた僕の顔を見てにやりと微笑む谷内を睨んだ。
「・・・そうやって何かの拍子に少しだけ見える本音が高校時代から面白かったよ?」
・・・なんで隠すかな・・?
不服そうに言うのが聞こえる・・・余計なお世話だっ!!!
「それとも橘のことだから、本音を隠せないのか?」
谷内の言葉に微笑みながら返す。
「・・・別に美香の事は昔から隠してませんから。」
僕の言葉に、呆れつつ、僕の後ろを見ながら言う。
「橘?こいつって、自分が他人からどう見えてるかって、思ったよりわかってないようだな?」
僕が後ろを見ると、美香がきょとんとした顔で、谷内に聞いた。
「優ちゃんが自分のことを知らないのは、昔からですが・・・・一体なにがあったんですか?」
・・・美香お前ほんとに、いとしの恋人の扱いひどくないか?・・・・・
谷内が僕の表情を見て笑いながら、美香に言う。
「・・・いや?中野が昔、生徒会を裏で操ってたって話・・。」
それを聞いて美香がしたり顔で言った。
「・・ああやりそう、自分表に立たず、人にやらせる・・それって優ちゃんの得意技ですよ」
・・・・・・・・・・おまえ、後で覚えとけよ・・・・・
「しかもそれを気づかれてると思わない浅はかさ・・も優ちゃんの得意技?」
・・・・・・・・・・おまえ、本当に覚えとけよ・・・・・・
美香の暴言を憮然と聞いてる僕の顔を見ながら、谷内はますます笑う。
そしてふと思い出したように美香に聞いた。
「橘の初恋って、中野か?」
何を聞くんだこいつは・・と思いつつ美香の顔を見た。美香が馬鹿正直に答えた。
「幼稚園の時に出会った、整形外科の先生です♪」
谷内が僕の顔を見て、笑うのが見えた。
「そうか?そうだったのか・・。」
一人で納得し笑う不気味な谷内を見てたら、美香が忘れ物したと言う。
「優ちゃんもう少し待ってて。」
うなずいて後姿を見送ったら、谷内が笑いながら僕に言う。
「お前本当に一途だな?覚えてるぞ?お前の志望動機。」
嫌な予感がする・・・。
そういえば、高校時代彼に何かの拍子に何で医者になりたいんだと聞かれて、いつものように答えたら”建前はいらないお前の本音はどこにあるんだ?”と、詰め寄られて、つい、初恋の相手の初恋が医者だったから悔しくて・・・、と答えてしまった記憶がある・・。
僕の表情を見ながら、笑って、”馬鹿の一念に近いものがあるな?”と言う谷内を引きつった笑顔で見る僕がいた。
!!!美香早く帰って来い!!!!




