その123
美香が音楽室に荷物を取りに行くから待ってろと言う・・。
・・・なんで?美香が僕のものだと言うのをわからせて、美香に被害を加えてる奴らを見きわめるこんな良い機会を僕が逃すわけないだろう?・・・
”僕がついてくとなんか不都合でも?”
にっこり微笑んで言った僕の台詞に、美香がこの上なく嫌な顔をしていたが、僕は有無を言わさなかった。
並んで歩くと顔見知りの先生方が声をかけてくれた。
その一人一人に、僕は僕と美香の関係を話した。
・・・・美香の非常に嫌そうな顔を無視して・・・・
二人きりになったらもめるだろうなと思いつつ、うつむいてる美香をあえて無視して、すれ違う先生方や生徒たちに愛想を振りまいた。
・・・援助交際の相手が、こんなに堂々としてるわけないだろう!!・・・・
僕の心の中では、今作ってる笑顔からは想像できない嵐が吹き荒れていた。
美香が突然固まった。
不思議に思って美香の視線のほうを見ると、先日美香にコンビニで嫌味を言っていたこの顔が見えた。
・・・いた!!!・・・・
獲物を捕捉して僕は、思わず心から微笑んだ。
真っ赤になってるそのこを、見つめながら近づき、そしてささやく。
「今日は、この前美香といる時に御出会いしましたね。」
極上の笑顔で、にっこりと微笑んだ。
真っ赤になってうなずくそのこの顔を見ながら美香を傷つけた代償はどう払ってもらおうか・・と思いながら僕は言葉をつなげて彼女の様子を伺う。
「・・・なんかこの前あったときは、少し誤解があったようだけれども?僕と美香は正式に婚約してるので、君たちが心配してくれてるような事実は全くないよ?」
僕の台詞に、少したじろぎながらとぼけようとした彼女に釘を刺すために、そしてこの場にいる全員に知らしめるために、美香の首に巻かれてるチェーンについた指輪をはずし美香の左の薬指につけて、そこにキスを落とした。
その場から黄色い声が上がった。
先生方が息を潜めた。
・・・・・そして美香がきれた・・・。
「優ちゃん!!どこでもここでもそんな話しないで!!」
・・・ふ~~~~~~~ん、キスは良いんだ?美香も成長したもんだ。・・・
僕はどうでも良い事に感動しながら、淡々と返した。
”だって自慢したいし?”・・・・と、その言葉と同時に美香を抱き寄せながら、先生方のほうを向いて確認する。
「校則のどこにも婚約してはいけませんって、書いていないですよね?」
美香が僕の言葉に節度ある交際がどうたらこうたらと、全くかわいくない事を言い出したのを聞いて、思わず人にどんだけ我慢させてるか気づいててないのか!!とはらがたつ。
お前ね、僕がそんなこと考えてなかったら、お前はとっくに妊娠してるよ?
にっこり笑って美香を見た。美香が怯んで逃げようとするのが見えた。
・・!!!!逃がすか!!!
「僕の行動が、美香の思うところの節度ある交際じゃないって言うのなら、僕の思うところのいろいろな節度のない交際の実践をぜひ行って、美香との認識の違いのすりあわせをしてみたいな」
僕の顔を見て、怯えた目をして後ろに下がりながら美香が言った。
「優ちゃん、美香がわるうございました、美香無事に卒業したいので、高校卒業までお願いですから、いろいろは、我慢してください。」
美香の怯えた顔を見て、仕方ないと呟くと共に、溜息が出る。
・・お子様を好きになったんだものな?・・・
周りが、あっけに取られてるのが見えて、誰かが”妊娠って嘘じゃないの?”と言うのが聞こえる。
・・・はい嘘ですよ?そこにいたる過程の、とても楽しいあれやこれや・・僕は美香にさせていただいた事は残念ながらございません。・・・
噂を立てただろう本人たちを睨まず、何故か僕を涙目で睨む美香を見ながら、ああ、今日はアパートに美香をお持ち帰りできるんだろうか?と心の中で思う。
・・・まあ、お持ち帰りしても何もさせてもらえず、忍耐と言う名の苦行がまってるだけだから、良いんだけれどもね?・・・
もう一度美香を抱き寄せて、美香の顔を見つめた。
美香は相変わらず怒っていた。




