その119
毎日がゆうつだ。
何でこんなことになってるのかと思う。
仲間はずれにされたり無視される。おまけに聞こえよがしの悪口・・・。
始まった時は中学にもなって馬鹿見たいと、無視していたのに、最近はどんどんひどくなる。
盲腸の後からエスカレートした。
「優ちゃん、自分が美香のエンコー相手だと思われてると思ったらどんな顔するかな?」
溜息と共に、窓の外を見る。
「・・・傷つくだろうから、絶対いえない・・・」
噂の発生源は予想がつく・・でも彼は噂を流したのでなく事実ではないと無責任な噂を否定しないだけだろう。
「そして美香が、音を上げるのを待ってる・・・さいてー」
だから、絶対に屈しない!!!
「・・・でもきついよな・・・そろそろ限界かも・・・。」
毎日学校に来てても、喋る相手もいないってのもつらいもんだと知った。・・おまけに陰口つきだ・・。
・・・もう一度溜息が出た。
パート練習中の音楽室の窓から校庭を見る。
「てんきいいなぁ・・」
手に持ったクラリネットを見ながら、ぶつぶつ言う私を、同じパートの人が何か言いたそうにしてやめたのが見えた。
クラブの時はまだましだったが、それも怪しくなってきた。
・・・このままだと、クラブにもいずらくなるかも知れない・・・・
もう一度大きな溜息がでた。
「・・美香、学校辞めようかな?」
時計を見ると、保護者面談のために父が来る時間だった。
待ち合わせの、校門へと向かった。
ーーーーー
伯父に頼んで美香の保護者面談にかわりに参加する事にした。
卒業してから久しぶりに見る中学の学舎はとても懐かしかった。
待ち合せ場所の、校門で僕は美香を待った。
「・・・優ちゃんがどうしてくるの!!??」
僕の顔を見て、美香が驚いて声を上げた。
「伯父さんが忙しいらしい、僕は土曜だし時間あったから・・。」
僕の、言い訳に美香がものすごく嫌な顔をする。」
「・・・うそだ・・・探りに来た?」
僕はとぼけた顔で、なにを?何か美香やましい事あるの?と聞くと、美香がものすごく嫌な顔をして向こうを向いた。
ちゃんといわないからこんな事になるんだよ?ふくれっつらの美香を見ながら僕は心の中で呟いた。
僕は美香の腰に手を回して寄り添って歩こうとしたら、美香が”ここ学校!!”とものすごく不機嫌になった。
怖いので、腰に手を回すのは諦めてみた。
「・・・優ちゃん何たくらんでるの?」
美香のひどい台詞を無視して、にっこり微笑んで”何のこと”と聞いてみたら、美香にますます嫌な顔をされた。
たくらんでるわけではない、状況を確認するのと、美香につこうとしてる虫を払うためだ・・・。
教室について、中に美香と入った。座っていた教師が僕のほうを向いて立ち上がり、やがてびっくりしたように声を上げた。
「・・中野?! スーツ着てるからわからなかったよ。懐かしいなぁ中野か!!」
美香の担任は、僕の高校時代の社会科の教員だ、叔父から聞いていた。
「谷内先生お久しぶりです。」
僕の挨拶に、美香の顔を見てもう一度僕の顔を見て彼は言った。
「・・・なんで中野が、橘の保護者なんだ?」
美香が黙って、真っ赤になってうつむきながら・・兄代わりなので・・・といってるのが聞こえる。
美香の言い訳を聞きながら、僕は淡々と答えた。
「実は、彼女のご両親に頼んで代理できました。保護者というより将来の配偶者の立場で来ています。」
美香の真っ赤になって怒ってる顔が見えた。でも僕は続けた。
「彼女が学校でおこってる問題で振り回されてるようなので、先生にその解決方法をご相談しようと思って」
谷内先生が唖然とした後、僕と彼女を見比べて、呆れた顔で、おまえ全然変わってないね?・・・と言う。
そして、しばらく考えた後美香のほうをむいていった。
「橘、いい機会だから聞く。お前は自分に向けられてる噂を知ってるか?」
「・・・・・・」
美香はうつむいたまま黙って答えない。
「先生は、援助交際の末に妊娠して、流産して。それを止めるために君をたしなめた泉を弄んだと聞いているが?その相手は中野か?」
・・・・谷内先生の台詞に僕は息が止まるかと思った!!僕は思わず叫んだ!!・・・
「馬鹿な!!美香は僕にキスしかさせてくれないのに!!妊娠なんかするわけないじゃないか!!そんな噂が立つぐらいなら、僕はもっといろんなことをしたい!!」
僕の台詞に、美香が叫んだ。
「!!!優ちゃんのこだわりどころは、そこなの!!??」
谷内先生が、それを聞いて大きく溜息をつく・・。
「・・・根も葉もないってのは、今のでわかったよ・・・・」
美香の涙を浮かべながら、僕を睨む姿を見て、僕はうろたえた。
「・・いや・・?みか? 心配だから来たんだよ?」
僕の台詞を無視して、美香が続けた。
「優ちゃんに知れたら、優ちゃんが傷つくと思って黙ってたのに・・・。」
・・・美香大ばか者だ・・・
谷内先生が、美香に淡々と諭した。
「・・・橘、反省と、繊細・・はこいつの辞書にはないと思うぞ?」
美香が、僕のほうを見て言った。
・・・良くわかりました・・・と
・・いや? 美香? 谷内先生の言葉を信じるのか? 僕はお前の恋人だよな?・・・
谷内先生が美香の顔を見て微笑んで言った。
「全部教えてくれるか?何でこうなったんだ?」




