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昨日見た夢  作者: 清水澄
118/185

その118

 根岸さんを誘って僕らは、美香の作ったお弁当を食べた。


「全部一人で作ったんか!?」

根岸さんの 感嘆の声に美香は真っ赤になっていた。

僕は自分のことのように嬉しかった。


・・・ただ、おにぎりに関しては僕が作ったと白状すると、失笑を買った。・・


「「「不器用・・」」」

3人から同時にいわれて、僕は不愉快になる・・美香がそんな僕を見て、僕の耳元でささやいてくれた・・。

・・優ちゃん、なれと、コツだからこの次頑張って・・と。


 それを聞いて、気を良くしてにこにこしてたら、柳が呆れた顔で呟いた。

・・・そうやって、操られているのよね・・・と。


・・・本当に、失礼な奴だ!!!・・・・・


楽しい昼食が終わり、根岸さんを病室へ送る途中彼女に言われた。


「光源氏の紫の上かな?」

笑いながら言う根岸さんの言葉に、思わず僕は答える。


「・・・僕はまだ手を出していませんよ?」

根岸さんに呆れたように言われた。

「・・当たり前だろう?あの子はそんなことゆるさないだろう?」

僕は驚いて、思わず言った。

「・・・美香の性格、あの短時間でわかりましたか?」

僕の問いに、根岸さんが笑いながら言う。

「・・何年、教師してたと思うの?少し話せば大体わかります。」

僕は思い切って聞いてみた。

「相談があるんです。」

僕の真剣な様子に、根岸さんが眉をひそめた。

「あの子、いじめに遭ってるのか?」・・・と


どうしてわかったんだろう?と驚く僕の様子に、根岸さんが笑う。

「子供コドモした中学生の集団に、あの子は浮くだろうな?」

僕の目を見ながら彼女が言う。

「自分の気持ちと時間を大事にして、なおかつ周りとの軋轢を避ける事はまだうまく出来る年ではないだろう。子供の集団心理はある意味怖いからな?教師も集団に一見溶け込んでるように見える子供でないと自分たちが不安になるから嫌がる・・。高校生ぐらいになったらそれぞれが自己を考えるようになるから、一人でいても違和感なくなると思うんだけど?あの子はある意味早く大人になりすぎてるのかもしれないね。まだ中学生だよな?。集団に溶け込めない目立つ存在なんてヒーローになるか、悪役になるかどっちかかもしれない。目立つものに対してあの頃の年齢の視線はシビアだと思うよ?あのこは、前に出るのも好まないだろう?まあ、何かきっかけがあっての結果だと思うが、きっかけの心当たりはあるか?」


・・・・ありすぎて・・とは言えず。


「光源氏の存在も、あのこが浮いてしまう原因になってないのか?」


「原因をつぶせば、解決すると思いますか?」

僕の問いに、根岸さんは答えた。


「・・・まあ、内容次第だとは思うけれど・・・なんとも言いがたいかな?」

考え込んだ僕に根岸さんは続ける。

「学生生活は一生続くものではない、一時的な関わりのために自分のよさを否定する必要もないが渦中の人ではそれも難しいだろう。しかも、学生生活は、人格形成する上で重要な栄養、ゆがんだ栄養はいい影響はないだろうな。」

考え込んでる僕に彼女は続けた。

「ただね、人生にとって必要な出来事なのかどうかは、不幸な出来事が起こってるその最中には見えなくて、それを乗り越えた時にわかる。生きるための力は誰もが持ってる。でもその力は自分以外の誰も使う事が出来ない。」


その辺を見きわめて、後はあのこの好きにさせてやることかな?


「トラブルが、単に嫌な出来事で終わるのか、それを糧にできるのかは彼女次第だ。そしてその結果は遠い未来にならないと見えてこないが、”今”その問題と自分がどう向き合うかにかかってる。」

根岸さんは僕に笑って続けた。

「きっと乗り越えるよ?手を出しすぎず、放置するでなく・・見守ってやってね?」


 まあ、調べられるならきっかけは、探ってみたら?


最後にそういって笑った彼女にお礼を言って病室に送った。


 学校に行こう、実力テストの面談がもうすぐあるはずだ。叔父に言って保護者として参加させてもらおう。


 美香が隠すのなら、自分で探るまでだ。

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