表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
選択的別姓「かぐや姫」珍騒動記 ~月世界誤送信事件と二人の「かぐや姫」~  作者: 如月妙美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/6

第2章:五人の求婚者と名前のドタバタ劇

2-1 戸籍課の混乱

 かぐや姫の美しさは都中に知れ渡り、五人の貴公子が本格的に求婚を申し出るようになった。石作皇子、車持皇子、右大臣阿倍御主人、大納言大伴御行、中納言石上麻呂足である。

 ところが、彼らが戸籍課に結婚の申請に行くたびに、役人は頭を抱えた。

「えーと、お相手は『竹取かぐや』様ですね?」

「いや、『山田かぐや』だ」

「はあ?でも先ほど石作皇子様は『竹取かぐや』様とおっしゃいましたが」

「どちらも同一人物です」

「…は?」

 役所は大混乱に陥った。二つの姓を持つ女性への同時多発的求婚という、前代未聞の事態である。

「これは藤原道長様に相談せねば…」

 役人たちは、この複雑怪奇な案件を時の権力者に丸投げした。


2-2 難題を出される求婚者たち

 かぐや姫は、しつこい求婚者たちに辟易していた。

「お爺様、お婆様、この人たちをなんとかして!」

「そうじゃな。何か難しい課題を与えて、できなかったら諦めてもらうというのはどうじゃろう」

「それいいわね!」

 こうしてかぐや姫は、五人にそれぞれ難題を出した。ただし、彼女は気まぐれに「竹取かぐや」と「山田かぐや」の名前を使い分けたため、求婚者たちはさらに混乱した。

 石作皇子への難題は「仏の御石の鉢」。しかし、かぐや姫は彼に手紙を送る際、署名を「山田かぐや」としてしまった。

 石作皇子は「あれ?俺が求婚してるのは竹取かぐやじゃなかったっけ?山田かぐやって誰だ?もしかして双子?」と混乱し、間違えて「山田家」という別の農家に鉢を届けてしまった。

「うちには『かぐや』なんて娘はおらんぞ」

「え、でも山田かぐや様って…」

「山田なんて姓、この辺にゴロゴロおるわ!」

 こうして石作皇子の恋は、名前の混乱によって早々に破綻した。


2-3 データベース化の試み

 あまりの混乱に、竹取家は「かぐや姫データベース」なるものを作成することにした。

「名前:竹取かぐや(公式)/ 山田かぐや(通称)」 「生年月日:延長五年三月十五日」 「両親:竹取太郎(父)・山田花子(母)」 「特技:琴、和歌、竹細工」 「備考:選択的別姓制度により二つの姓を保有」

 このデータベースは竹取家の門前に張り出され、求婚者たちの便宜を図った。

 しかし、これが後に月世界のデータベースと微妙に食い違いを起こし、壮大な誤送信事件へと繋がっていくのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ