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可愛げがないと婚約破棄されたので辺境で自由を謳歌します  作者: おとら@7シリーズ商業化


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17/18

ドワーフ

それから数日後、私はシグルド様とエリゼと共にお出かけをする。


この数日は魔法の鍛錬や、前世でやっていたことなどを思い返していた。


その中で、料理以外で私に誇れるものが一個あったことを思い出した。


今回行くのはドワーフさんのところだし、作ったものが役立つかも。


「シグルド様、度々ごめんなさい。お仕事、お忙しいでしょうに」


「気にするな。むしろ、周りから怒られてしまった。婚約者を数日も放って置くなんてありえないと」


「ははは……まあ、仮のですからね」


ここには私とエリゼしかいないので会話に気を違わなくて良い。

心なしか、シグルド様もリラックスしているように見える。


「実際にアリス殿はよくやってくれている。メイドや使用人からも評判が良いし、オルガ

良く懐いている」


「そうなんですか? ……特別なことはしてないつもりですけど。あまり良く思われるのも良くないと仰っていたので」


「ふっ、本人は気づかないものだな。使用人やメイドに偉そうにしない、掃除担当や料理人まできちんと挨拶などをするとか」


「お嬢様は、昔からそういう方なのです。私に対しても、最初から偏見がなかったほどに」


「なるほど、生来のものというわけか」


……ちょっとむず痒いわね。

私が偉そうじゃないのは、単純に前世が庶民だからである。

そもそも未だにお世話されることに罪悪感があるし、いつまで経っても慣れない。


「あの、あんまり褒められると困りますわ」


「お嬢様はいつもそうです。本当だったら賞賛されることを沢山やっているのに、それを決して表には出さずに……」


「わ、わかったから! エリゼ、悪かったわ!」


「クク、良い主従関係だ」


私はただ、当たり前のことしかしてないのだけど……ありがとう、ごめんなさいを徹底したくらい。

そもそもこの世界の貴族がおかしいのよ、何が『謝ったら負け』よ。

悪いと思ったなら謝れば良いのに。

そんなことを考えていると、目的地である街の外れにくる。

そこにはポツンと一軒、平屋の建物があった。


「ここが我が領地に住む数少ないドワーフの一人だ」


「どうして、こんな街外れに? やはり、種族間の関係ですか?」


「いや、それがないとは言わんが本人話の希望だ。さて……ドルズ! いるか!」


すると、扉が開いて……イメージ通りのドワーフが現れる。

身長150センチ程度に厳つい顔、髭がもじゃもじゃで体格が良い。


「なんじゃ、誰かと思ったら領主か」


「急にきてすまんな。少し用があってきたのだ」


「噂の婚約者の紹介か? それなら、ワシにはする必要はない」


「いや、その婚約者が用事があるようだ。アリス殿、ご挨拶を」


私は深呼吸をして、相手を真っ直ぐに見つめる。

こういう職人気質な人には嘘や誤魔化しはしない方が良さそう。


「初めまして、ドズルさん。私、アリス-カサンドラと申しますわ。突然の来訪、申し訳ありませんでした」


「……それで要件はなんじゃ?」


「実は作って頂きたい物があるのですわ」


「ふんっ、領主のコネを使い欲望を叶えに来たか。これだから人族の貴族というものは……」


「それは否定しません。ただ、きちんとドルズさんにも益がある話を持ってきましたわ」


「ほう、このワシに人族が? ……面白い、話だけは聞いてやろう」


「ありがとうございます」


よし、第1段階クリアだわ。


ドワーフ族は土を扱う一族にして、鍛治を中心に生業にする者。


だったら、私の持ってきたモノが役に立つはず。


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