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想造世界(イマジンワールド)  作者: あらんジョー


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第48話 生存の覚悟

この世にはどこまで行っても会わない人間がいる。

 俺にとってそれはすぐ近くにいた。


 自分の名前をようやく書けるようになった頃父さんと母さんは死んだ。

 何でもないただの事故だ。

 毎日のようにテレビで報道されたしウンザリするようなインタビューもされた。

 

 でもまあそれは世界有数の会社の社長と一時代を築いた女優との子供の俺に用意された有名税だと子供ながらに思っていた。


 だから慣れていたし。しっかりとした受け答えでなんと大人びた子供だろうと記者たちの心を掴んだ。

 これで俺だけじゃなく父さん母さんのまで褒められたのは嬉しかった。


 ただ、それでも2人を亡くしたときは今後の人生ずっと泣き続けるんじゃってくらいに泣いた。

 

 泣いている俺の後にあいつが来た。

 何も言わず。ただ俺と死んだ2人を交互に見ていた。


 元々俺と爺との関係はあまり良くなかった。

 何も悪いことをしてないのに事あるごとに俺を睨み。

 ぶつかって尻餅をついた俺にまるで気づいていないかのようにに仕事のをしながらどこかに行く。

 

 それでもこんなときだからこそ俺はどこかで爺の何かを期待していた。

 

 泣いてくれれば一緒に安心して泣ける。

 励ましたり優しい声をかけてくれれば受け入れられると思った。

 何も言わずに立ち去ってくれれば俺の心を察してくれていると解釈が出来た。


 だがあの爺は、そんな俺の思いを冷たく突き放した。

 


「いつまで泣いている?そんな事ではお前は何者にもなれんぞ。」


 …ああそうか、…こいつはそんな奴なんだ。

 …父さん、母さん…ごめん…仲良くするって約束したけどやっぱ無理だわ。




「はあああ!」

 シブキはツングースカに向かって槍を振るう。

「がぁ!」

 まるで虫を払うかのように簡単にはたいてシブキを吹き飛ばしてしまう。


 吹き飛ばすたびにツングースカは砂時計を裏返す。

「あれは、何か彼の能力ですか?」

「いやっ、あれはあいつ自身の癖だ。自分の行動を砂時計を通して測っているって感じだ。」



 するとシブキ達に通信が入る。

「もしもーし、良いニュースと悪いニュースがあるぞ。悪いニュースはこの戦艦を完全に乗っ取るのは不可能だね。良くて俺自身を潜り込ませる程度ッて感じだ。いいニュースはターゲットを特定できた。識別名はツングースカ図体が倍以上のでかさだからすぐに分かるぞ。間違っても見つかるなよ〜見つかるすなわち死だと思うぜ。」

「連絡ありがとう。こっちも良いニュースと悪いニュースがある。良いニュースはそのツングースカってやつを見つけた。悪いニュースはそいつに見つかったことだ。」

「…マジィ?」 



「あっち向いて〜ホイ!」

 メイが指をさす方向にツングースカを注目させる。

「喰らえっ!」

 その隙に瞬間移動したシブキが一撃を与える。

「なっ!?」

 ツングースカはシブキの攻撃を見る事なく素手で槍を受け止めた。


(だが今なら。)

 ツングースカの背後にイヅミ達はが瞬間移動した。

 しかし、それを瞬時に察し片手で弾く。

 その後シブキの槍を掴み柄を鳩尾まで押した。

 「うっ!」

 怯んだシブキの身体を引っ掛け何度も地面に叩きつけた。

 「がっ!ぐっ!ああぁ!!」

 

 ツングースカは叩きつけられたシブキをそのまま押し潰そうとする。

 (まっまずい!)



『あっあー、テステース。聞こえてますかー本日は戦艦をご利用いただき誠にありがとうございます。当機体はただいま乗っ取らせていただきました。御用の方は制御室までお越しください。』



 その声とともにツングースカは動きを止めすぐに何処かへ移動した。


(あいつまさか!)

 

 ツングースカは制御室の扉を開ける。

 「よぉ!遅かったな。」

 彼の周りには機能を停止して動きが止まっている星人達がいた。

「見ての通りこれは俺の能力だ。この弾丸な命中すれば撃たれたやつだけじゃなく周りのやつにもご覧の有様よ。制御室であんたらのデータを調べたら簡単に作れちまったよ。全く人類の天敵が聞いて呆れるな。」


 ツングースカはリオに近づこうとするがやめた。

 彼の銃口の向き方に違和感を覚えたからだった。


「へぇ。流石この場で一番強い純血種だそこにいるアホな奴とは訳が違うな。」


「…この戦艦からお前等の過去と今の状況を観てきた。」

 リオは何処か呆れたような哀れむような目でツングースカを見る。

「昔人類に力で蹂躙してったら痛い目に遭ったんだろお前等。下剋上を恐れたあんたらはそいつらを攻めたら罰でも当たったのか雌が産まれねぇ種族に作り変えられちまった。」

「…そんで苦肉の策としてさんざん見下してきた俺達人類からなんとか種を遺そうとした。…でも生まれてくるのはどいつもこいつも下位互換の劣等種ばっか。おまけに感情や思考能力すら不完全な出来ときた。」

「はっはっはっは!マジで笑えるな。さんざん見下してきたやつに情けなく腰振ってどんどんと落ちぶれてい様はよ〜!」

 ひとしきりに笑った後リオはツングースカを睨む。

「この恥ずかしい秘密は俺が墓まで持っていてやる。だからとっとと帰ってママのミルクでも飲んでろ!おっとお前たちの種族にはもうママは産まれねぇんだったな。わりぃわりぃ。言い方を変える。とっとと帰ってパパのミルクでも飲んでろ!でもパパのミルクが出るところは1人につき1本だからケンカすんなよ!」

 そう言ってリオは中指を立てる。

「安い挑発だな。そうまでして近づいてほしいように見える。」

「さぁて何のことやら。」

(こいつはやっぱ優秀だな。よく目が見えてる。周りの状況で俺の銃はブラフ、本来は一定の範囲に近づくと発動するセンサーからの攻撃だとバレたな。)

 リオは表情を変えずに汗をぬぐう。

(でもその優秀さを利用させてもらうぞ。)

 下手に近づかないツングースカを見て内心で笑みがこぼれる。

(こいつが来るのが遅すぎてセンサーのバッテリーはもう切れている。要するに今の俺は丸腰だ。だから俺はこうして挑発してあるはずのない罠を警戒させて貰った。であと少し…あと少しで俺をダウンロードできる。)


ツングースカは砂時計を裏返す。

「仲間のために自らを犠牲にする君の覚悟に敬意を評し、当機体の思想武器を使用する。」

「ハンッ!そうでもしないと俺に怖くて近づけねぇんだろ!」

「そうとも言う。」

 ツングースカは天に手をかざす。

「巻き込め。ミョルニル。」

 天井を突き破りハンマーがやってきてツングースカの身体を叩く。

壊せ(ころせ)ミョルニル。」

 ツングースカは背後の壁を叩く。

 すると叩いて砕かれた瓦礫が宙に浮く。

「これなら近づかずにお前を殺せる。」

「飛び道具はずるじゃね?」

「君がいうか?」

 瓦礫がリオに向かって襲いかかる。



リオはそれでも余裕の笑みを崩さずただ襲いかかる瓦礫を見つめていた。

 既に自分の死の覚悟を決めていたからだった。

(やばい、今俺◯ン◯ンめちゃくちゃ硬くなってるしスゲームラムラしてる。やっぱ人間って生命の危機を感じるとなんとかして遺伝子残そうと必死になるのか。っていやそうじゃなくて。俺もう少しで死ぬかもしれないのに案外余裕だな仲間のために死ぬって最高の死を経験できるからか?)


(…いやっ、ちげぇな身体は死を感じてるけど心は死なねぇって思ってるんだ。…だって俺、仲間を信じてるからな。あいつらは絶対に俺を助けるって。)


 瓦礫がリオの身体に命中する直前にリオの身体は消えていた。

 「っ!?これは!?」


「いやぁ~死ぬかと思った。」

「こんな無茶すんならあらかじめ言っておけ。」

「わりぃわりぃ即席で考えたやつだからな。でも信じてたぜお前が俺の意図を察してイヅミにギリギリのところで飛ばしてくれるって。」

「お前…。」

「あっ女子はあんま見ないで俺の身体大変見苦しい状況になってるから。」

「…お前。」

「とにかくこの作戦で得たい情報は得たとっとと帰るぞ。」

「そうですね当機体も君たちを抹殺すれば終了しそうです。」

「「「「!!!!!!???。」」」」

 そこには先ほどまで制御室したはずのツングースカがいた。

 彼らは気付くべきだった。

 イグニスを連れ去ったホバは瞬間移動をして連れ去っていた事を、彼が出来るのならツングースカも当然出来ると頭に入れておくべきだった。


「逃げろ!」

 宇佐美の咄嗟の声に反応し各陣営は散り散りになる。

「君たちは逃げないのか?」

「もうこれ以上失わないって決めてるからな。」

「私は今回の作戦の発案者であり恐竜です。ならば判断の誤りの責任は恐竜である私が取るべきであると判断したためです。」

「なるほど彼だけでなく君達も強い覚悟を持っているのだな。」

「だがすまないが私は抹殺を宣言した。そして私のミョルニルの能力は未だ続いている。」

「そのハンマーの能力か?」


「このハンマーは破壊したものと狙った対象にのみに生じる重力を発生させる。要するに私が破壊した瓦礫は対象に当たるまでたとえ世界の果てに行ったとしてもやってくる。」

 彼の説明を終えるとともに車のようなものが脱線した音がする。 

「まさか!」

 

 彼の想像通り瓦礫がリトリシの車に直撃し横転していた。

 ここに来るまでに瓦礫は削られかなり小さくはなっていたが車を横転させるには十分な力であった。

 全員致命傷を負ってはいないものの横転した衝撃で1人を除き気絶していた。

「…はぁ…はぁ…はぁ。…っう。」

 唯一意識のあるクミは横転した事で最初に車から飛ばされ背中をぶつける程度で済んでいた。

「はぁ…はぁ……すけて。」

 彼女は嗚咽を漏らしながら車の近くに入り出されたランドセルに近づく。

 「…助けて…エスメラルダぁ…。」

 ランドセルから黄色い帽子を取り出しかぶる。

 すると彼女は身体は光輝く。


 その光に気づいた周りの星人が彼女たちを取り囲む。

「…失せろ…雑魚ども。」

 そこにいたのはサイズの合わない白衣を着たエスメラルダだった。

書きましたよろしくお願いします。

一旦の区切りが見えてきた。

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