第4話街へ城へ
シブキ達は、気絶した奴隷商達が目を覚ましても大丈夫なように自分たちの枷を彼らにつけている。
「なあ、イグニス俺の槍についてなんか知ってるか?」
「それは、思想武器ね。人の考える力にはエネルギーがあるんだけど思想武器や魔術はそれを具現化させることができるの。あの時、トルボも韋駄天といって靴が変化したでしょあれも思想武器の1つよ。」
「なるほど、考える力のエネルギーか。うーん?」
「どうしたの?」
「なんか昔、そういう話を何処かで聞いた気がするんだ。」
「聞いたって?あなた達が元々いた世界のこと?」
「ああ。」
シブキとイグニスは、捕まっている時の会話で互いの事情を把握している。
イグニスは、はるか昔大地から炎があふれ出し世界が焼きつくされようとした時自らの血で炎を消し去ったといわれる血の巫女の末裔とのことらしい。
12歳を超えるまでは、村で大事に育てられ消して村の外には出ては行けないらしく、今回12歳を過ぎたので憧れの村の外に出て目的の王国からの使いを待っていたところ奴隷商に捕まり今に至っている。
「それよりもこれからどうしようか?」
イグニスは、シブキに今後のについてを話す。
現在、イグニスの覇王弓で馬車は壊れ馬は逃げたし、道の真中に放り出されている状態である。
トルボが自動販売機を利用していたことから近くに街、なくても建物くらいはあるかもしれないがそれは彼の脚行けたもので自分たちが馬もなしに徒歩で行ける保障はない。2人はさっきの戦いでほぼ満身創痍でほかの子供達の体力を当てにするには荷が重い。
「なあ、イグニス。血を打ち上げ花火みたいに飛ばせるか?」
「出来るけど?あ!なるほどね!任せて」
そう言うと早速、イグニスは血を打ち上げた。
打ち上げた血は、花火のように弾けSOSやHELP、助けてなど形を変えて舞っている。血の救難信号が完成した。
ひとまずこれで助けが来てくれることを祈り子供の解放と奴隷商の無力化を再開する。
(ひヒひヒ、バカなガキ共だ。もう少し、本気でやるか先にオレを縛るべきだったな
なんとトルボは、すでに目を覚ましていた。いや正確には、2人の攻撃を喰らう寸前に2人から回収した魔封錠で増えた2つの槍の攻撃を防いでいたのだ。
しばらくは、起きてこれないと踏んだ2人が最後に自分を縛るためにやってきた。
トルボは、完全に2人が油断したその一瞬を見て立ち上がり襲いかかろうとした。
そのとき、頭上から何かが降ってきてドルボを押しつぶした。
「ぶっ!!」
「あっすいません!大丈夫ですか?やっぱり何もないとどうしてもいい関係がずれるようですね。」
「あへ、そこにいるのシブキじゃね?」
「おや知り合いかい?ならあれに向かって飛んだのは正解だったね。」
突然トルボの頭上から現れた3人のうち2人をシブキは、見覚えがあった。
研究所まで一緒にいたイヅミとリオだった。
3人は、再会を喜んだ後、状況整理をすることにした。
2人とも、それぞれ別のところに飛ばされていた。
イヅミは、近くの魔術研究所に飛ばされていた。
突然現れたイヅミを親切な魔道士たちは、歓迎し瞬間移動魔術まで教えくれた。
イヅミには、どうやら魔術の才能があったらしくあっという間に瞬間移動ともう一つ魔術を学んだ。
その後、イヅミが現れた時とほぼ同時期に2つの人間の反応が突然現れたことを掴んだ魔術師が、そのことをイヅミに伝えるとそれがシブキとリオであると確信した。
お世話になった魔術師にお礼を伝えると早速瞬間移動でリオのところに飛んだ。
リオのほうは、誰もいない森に飛ばされたが運良く出口を見つけるとそこには、天秤の用な瞳をもつ金髪の青年と出会った。
青年のは、ユースチスと名乗り血の巫女の使いとして王国から迎えに来来たとのこと。
程なくして2人は意気投合し、血の巫女が現れるのを待っていると。
瞬間移動でやってきたイヅミと再会。その後、イグニスが上げた血の救難信号を見つけて3人で飛んで今にいたる。
「イグニス様、はじめまして私は、王からの使いのユースチスと申します。貴方様の護衛をするつもりでしたがまさかこんなものことになってしまうとは申し訳なございません。」
「そんな、わたしは別に気にしてないよシブキも助けてくれたし。」
「そちらのシブキ君も巫女様を守ってくれてありがとう。もし何かあったら王から首が飛んでたかも物理的に。」
「あっ僕は、ユースチス。ユースって呼んでくれていいよ。よろしくね」
「あっ、はい、よろしくお願いします?」
ユースは、明るくさわやかな笑顔でシブキにお礼を言った。
初対面で2人が仲良くなったのも分かるように彼は真っ直ぐかつ明るい性格の人であるとすぐに分かった。
「それよりも、これからどうするんだ?馬車は、ぶっ壊れちまってるし。」
「それならイヅミ君の瞬間移動でどうにかなるここから10km先が月光街だからそこの入り口付近で飛べばどうにかなるよ。イヅミ君、この辺だけどいける?」
ユースは、地図を見せて月光街入り口を指す。
「出来ますけど、さすがにこの人数、定員オーバーですこの距離ならちょうど5人が限界です往復もちょっと厳しいですね。」
「なるほど、なら問題ないね。」
「まって、この子たちを置いてくの?」
イグニスは、ユースの服を掴む。
「いや、大丈夫ですよ巫女様。少し待っててください。」
ユースは、子供達にに近づくき触れると
「汝は、善であり、悪に汚されたゆえに望みを聞こう。」
ユースの言葉に子供達は、全員家に帰りたいと返すすると子供達は、光りに包まれた消えてしまった。
「今のは!」
「僕のちょっとした魔術だよ。大丈夫あの子たちは全員家族のところ飛ばしたよ。」
シブキは、彼の言葉に嘘はないと伝える。
「さてと。」
ユースは、次に縛られた奴隷商達に近づき触れると
「汝は、悪であり、善を穢したゆえに我に従え」
するとユースの体から鎖が生え奴隷商たちと繋がった。
「審判の時まで我が右目の中で裁きをまて。」
奴隷商達は、宙にに浮かびユースの天秤の瞳に吸い込まれていく。
「これでよし。」
「すっげー!」
「かっこいいだろ、これが僕の魔術ね。さっきのやつらは、罪人として目の中に一旦閉じ込めて後事情を聞くことにするよ。さ、そろそろ行くとしようか。」
「わかりました。では、皆さん集まってください。」
イヅミは、みんなを集めると地図を広ける場所を確認する。イヅミを中心に大きな魔法陣が浮かび上がると2本の指で印を結と魔法陣が光り輝く。
「つきました。」
イヅミの声とともに目の前には、崖があり、そこから巨大なビル群と城がそびえ立っていた。ビルの周りには車のようなものが飛び回っている。まるで未来都市だった。
「ここが、月光街。」
4人はこの巨大な街の迫力に圧倒された。
月光街の中心、月桜城にてその最上階の王の間の玉座に美しい銀髪の少女が座っていた。
「ツキミ様ユースチス様巫女を連れてがお戻りになったとのことです。」
「分かりました。すぐに迎え入れようにお願いします。」
少女は、立ち上がると周りから無数の刀が現れる。
「今から少し、組み手をしてきます。」
「はあ、ですが。」
「大丈夫です。ほんの1000人なのですぐに終わります。彼らが来るまでには終わらせますので」
「かしこまりました。」
「よろしくお願いします。」
彼女は、そういって玉座を後にする。
街に到着しました。次回は、少し世界観の説明が出来るといいなぁ