第35話 子供の思い
「シブキ昇格戦おめでとう。」
「なんでこんなところに。」
「この会社の見学をしているときに君のプロフィールをみてね3日後には昇格すると思ってここに来たんだ。」
「来るなら前もって言ってくれよ。さっきのも全部みてたのか?」
「僕が見ていたら多分シブキは負けるでしょ。だから見てないよ。顔は見れたから十分。」
シブキは父の鳳利を叩こうとするがそれを全て躱される。
「なーんか自分達はお邪魔なようでありますね。」
「そうだな、家族水入らずを邪魔しちゃいけねぇな。」
2人は親子の会話を優しく見つめ去っていく。
「そうだ、今から家族を連れて君たちの部屋に行ってもいいかな?」
「はあ!」
「多分今ならツキミも部屋にいると思うから。」
「実際に会ったことねぇのになんでわかるんだよ。」
「待っているときにランキング表を見ていてね。その時彼女のプロフィール写真をみたんだ。その時の顔である程度性格は予測できたんだ。多分彼女の性格ならこの時間帯に君たちの部屋に遊びに来てるよ。」
「はぁ…あっそ、分かったよじゃあ母さん達も連れてきな。」
「ただいま。」
「おかえりなさいシブキ、昇格戦おめでとう。…その方達は?」
扉を開けたら鳳利の言葉通りツキミがいた。
「俺の父さんと母さん、それと兄妹達だ。」
「はじめましてシブキの母の茜です。息子がお世話になってます。」
「は、は、はい。…こ、こちらこその…お、お、お世話になられて…おりまする?」
突然の来客にツキミはさすがに動揺しているようだった。
「すっげーふんいきこのおくにゼッタイおたからあるぞー!」
「すすめー!はやいものがちだー!」
シブキの兄妹達はそんなことは露知らず走って部屋の奥へ行ってしまった。
「おっ!英雄様のご帰還だ。」
「ジェンガは役に立ちましたか?。」
「もっとマシなヒント出せわかりづれーんだよ。」
「あれ?そっちの人は?」
「君がイグニスだね。…なるほど…。」
鳳利はイグニスを見て何かを感じ取る。
「俺の父さんと母さんだ。」
「みろ!これシオンのけんー!」
「ボクのミサイルにかてるかなー!」
後で戦いごっこをしている兄妹がいた。
「向こう遊んでるのが妹の紫音と弟の紫乃だ。」
全員がシブキの家族を迎え入れる。
分け合い合いと家族と交えた会話をする。
そんな中ツキミは家族にシブキにある話題を振る。
「その…シブキは…お父さんに似てるんだね。」
「確かになんていうか雰囲気が似てるねー。」
「あっ。」
「あー。」
ツキミとイグニスの話題にリオとイヅミが黙る。
「そうか。オレ父さんと似てるか。」
シブキは嬉さと悲しさと罪悪感が混ざった笑顔で微笑む。
その後シブキの顔は青くなりお腹を押さえて立ち上がる。
「悪いちょっと席を外す。」
「おいおいせっかくのお客様がいる中でうんこか?」
「デリカシーがないのですか?紙入ります?」
「デリカシーの欠片もなねぇのはオメーらだろ。」
シブキが部屋を出たあと沈黙が走る。
「その様子だとシブキも君達も話してないようだね。」
「まさか貴方達がいるとは思いませんでしたし。」
「そもそもあんなもの話しても別に楽しくなる内容じゃねぇからな。」
「あの…わたしなにか間違えた?」
「いや何も間違ってねえよ。」
「遅かれ早かれ2人には打ち明けようとは思っていましたから。」
2人の疑問に鳳利が答える。
「結論から言うと僕とシブキは血がつながっていないんだ。茜は当時本当の父親と望まない子供を妊娠した。まだ高校を卒業したばかりのことだった。」
茜の表情が少し曇り俯く。
「僕は茜の守ることを決意した。幼馴染だったから親御さんの説得はしやすかったからね。」
「産まれてきたシブキは不自由なく暮らすことができた。でも自分の出生はいずれ気付く。少し時間はかかったけどそれでも今は自分の生まれを受け入れた上で向き合おうとはしている。」
「じゃああのときのシブキの顔は。」
「複雑な感情だねとても一言では言えないように。僕に似ているといううれしさと本当ではなく偽りの関係である罪悪感等が複雑に混ざり合っていた。」
「そこで僕からお願いがあるんだ今後のためにも君達には彼を支えて欲しい。彼を支えることができるのは親としてではなく年の近い友人として。」
その後シブキは青い顔をしてトイレから戻ってきた。
「ただいまー。ん?どうした?」
「今日は赤飯でもやろうと思ってな。」
「俺がいない間にどんな話が進んだんだよ!」
リオの提案にツッコミ鳳利を見る。
「君の昇格戦の勝利をみんなで祝おうという話になってね。」
「そ、そうか分かったよ。」
その後、9人は夕飯に赤飯を食べた。
アドベンズ社、社長室にて。
「はいそうですね。ようやく準備が整いました。…はいでは明日総理を迎え入れましょう。…はい是非ともよろしくお願いします。」
零士は電話を切る。
「明日、いよいよ高橋総理がこちらへ来ます。その間は会社を空けることになるのでよろしくお願いします。」
「はい。ですが本当にこの時期でよろしいのですか?本当かどうかは分かりませんけれど。星人がやってくるのでしょう。」
「そうですね。でもこの時期でなくてはだめなのです。運命の輪曰くこの時期に総理を呼ばなくては我々は詰んでしまうと。」
書きました。
次回からは星人との対面を描きたいです。ちなみに総理大臣の名前は小学生のとき2番目に多かった名字です。(一番は伊藤)




