第31話アルカナ
審判者がシブキに近づいた時、場の温度でいえば上昇していた。しかし、その場の空気は凍っているかのように冷え切っていた。
恐怖と緊張で動けないもの、興味を持たないもの自分達には被害が及ばないよう武器を構えるもの、ただ笑って一連の光景をただ見ているもの達ばかりで誰も審判者に近づこうとはしなかった。
そんな中彼の刃を向ける者がいた。
ツキミだった。
ツキミは審判者の喉元を寸前まで近づけていた。
「何のつもりだ?ツキミ」
「何度も言わせないで。彼はわたしの騎士。あなたの都合で勝手に彼の運命を決めるのはわたしが許さない。」
「そうじゃねえよ。私に刃を向けて来ることに対しての気は確かか聞いただけだ。」
「そう言うあなたもずいぶんと冷静さを欠いてる。そんなにも進行を邪魔されたのがいやなの?頭に血が上ったならわたしがその首切り落とす。」
「・・・・・・・。」
2人のにらみ合いが続く。そして、
「…いや止めだ。すまなかった確かに冷静さを欠いていたのは確かに私の方だ。」
審判者はあっさりと引き下がった。
「で、ではこれを持って会議を終了させていただきます。各自解散をお願いします。」
「あ、俺たちは少しのこらせて貰うぜせっかく黒山羊が来たんでな。」
「分かりました。」
会議室には千面相、黒山羊、審判者、の他に会議声を発しなかった白衣の少女、地味な服装の青年が残っていた。
「迷惑をかけてごめんなさい。」
「別に気にしてないから大丈夫ですよ。なにせこのシブキは世界の吊るされた男ですからね。」
「なんでお前が言うんだよ!」
「あいつらっていうかこの会議って何なんだ?どういう集まりなんだ?」
「それについては私が説明しましょうか。」
ツキミのポケットにぶら下がっている人形が喋る。
「ソティス、アリスとはいいの?」
「ええ、十分と話し合えましたから。私の方も早く帰って業務の続きを行わないと」
「この会議は世界の方針、今後の脅威等についてそれぞれの方法で世界を継続させるアルカナという組織です。」
「それぞれの役割や性質をタロットカードでなぞらえて選出されます。」
「まずは愚者のアリスですね。かれっ、彼女はこのアルカナの最高戦力の1人です。普段の彼女はネットアイドルとして活動しています。ですが彼女はたった1人で夢の国の防人を担っています。」
「夢の国って何ですか?もしかしてネズ─。」
ソティスはイヅミの疑問2を食い気味に否定した。
「夢の国とは現在無実の罪で追われているもの、今の世界に馴染む事が出来ないもの、肉体を離れざるを得なくなったもの達が住まう場所ですね。簡単にいえば現在命の危険がある者達を守るシェルターみたいなものです。」
「それをあの女の子?が行っているのですか?たった1人で?」
「ええ、たとえ彼女は全ての人間を敵に回しても負けないと思います特に防衛戦に限って言えば。」
「魔術師のエスメラルダ、魔術研究所の最高責任者ですね。白衣を着ていた少女です。彼女は既存の魔術から全く新しい宇宙魔術の開祖であらゆる魔術から宇宙を見出す事が出来るとか、現在は人と関わるのを出来るだけ避けて宇宙の魔術研究所で日々研究をしているとのことですね。」
「女教皇ですが現在は空席ですね。千面相曰く目星はついているそうですが。」
「次に女帝ですが先代が行方不明になってしまい現在その娘であるツキミ様が代行をしています。また、皇帝も現在死亡しておりそれも娘であるツキミ様が代行しています。」
「そうなのかツキミ。」
「うん。」
シブキの問いにツキミは何処か寂しそうに答える。
「教皇も現在は空席ですね。こちらは太陽の役割を持つ鍵師が探しているそうです。」
「恋人は今回急遽欠席でしたが貴方達と年齢の近い学生です。黒山羊が彼女を見出しました。彼女家系は代々アニマ・アニムスと言われる固有魔術を持っておりその中でも特に適合率が高く選ばれたそうです。」
「戦車は現在空席です。候補も決まっていないそうです。」
「力は今回の会議には欠席しましたが単純な戦闘能力で言えば恐らく最強は彼でしょう。常に内乱をしている国プルファーで現在も戦っているそうです。」
「次に隠者のローレンスですが、まあ彼はいいでしょう。様々なものの開発理論を提示しているくらいでしょうか。」
ローレンスの説明は早々に終わる。
「運命の輪は、私もよくわかっていませんあれは空を飛び回る幾何学模様の生物(?)です。その付近には未来を示す音楽隊や運命を操作するオブジェクトを生成しているそうですが未だに正体はわかっていません。」
「正義はまあ見ての通りですね。ユースチスが代行しています。自称正義のですね。」
「次に死神ですがそれは私です。内容は何となく分かるでしょう。」
「節制は零士が行っている役職ですね。彼は大企業のアドベンズ社を通して世界の経済を管理しています。」
「アドベンズ社ってそんなにも大きな企業なんですね。」
零士の企業について聞くイヅミは何処か嬉しそうだった。
「当時彼は世界の3分の1の金を持っていると言われたそうです。」
「次に悪魔ですが。あの黒山羊が行っています。黒山羊は断罪宗という当時の異端狩りから罪人はより苦しめて罪を裁くべきという思想の元に生まれ派閥の畜生派を作り上げた人物です。」
「塔は世界を揺るがす存在として指定されるものでこれを攻略するための今後の目標とするためのものですね。現在は星人がその位置にいます。」
「星は現在空席ですね。候補も今のところいません。」
「月の千面相は少し説明が難しいですが言ってしまえば世界に一強を作らないようにするバランサーのような立ち位置ですね。神の時代を終わらせた者、星人の弱点を作り上げました。」
「太陽はあの地味な服装をした男鍵師が担っています。彼は世界を繋ぐ存在と言われています。貴方達がここへ来たのも彼が原因ですね。」
「審判者はこの会議のまとめ役ですが如何せん普段の言動や行動からかなり舐められてます。」
「そして世界ですが。現在は空席です。本来はツキミは様がその位置に立っていましたが両親がなくなります彼らの役割を代行するという形で本来の役割を保留としています。」
「以上、現状のアルカナです。よろしいでしょうか?」
「ああ、ありがとう。(吊るされた男については意図的に飛ばされたな。)」
────────────────────────
会議室に残ったメンバーが何処か別の空間に移動する。
────────────────────────
「ふう、ここなら大丈夫かな。誰にも聞こえないと思うよ。準備はいいかな?」
「問題ない。」
「んじゃ、こっちの方でまた俺だけの会議を始めるか。」
「じゃあまず我様から話そうか。あの雪山で出た狼、あれ我様奴じゃないか?千面相その事について何かあるか?」
「ああ、あれ?あれねぇ元々存在が溶けかけてたからウチの犬混ぜ合わせたら面白くなるんじゃねって思って混ぜた。」
「そしたらなんか溶けてた人間としての理性までなんか戻ったんだよね。不思議〜。」
「カスが。」
「そういうことか。なら別にいいぞ我様は別にあれについてはどうでも良いからな。明確な裏切り行為ではないしな。」
「毒親どもが。」
「それにしても星人を滅ぼすなんて審判者は思い切った事を言うね。あれ千面相が結構気に入ってたんじゃなかった。」
「確かにオレが作って愛着次第はあるが強すぎてあれの一人勝ちされちゃつまらないだろせっかく審判者が作ってくれたゲームなのにさ。」
「それにさ、星人は完成されすぎてあれ以上の発展は望めないんだよねだから滅ぼすのもやむなしみたいな感じで〜。」
「それにしてもさ。エスメラルダ今回の会議時にしゃべらなかったね。ずっと零士の事見てたけどお前まさかアイツに惚れちゃった?」
「な…なななな何を言う!宇宙のゴミが!」
「まっ、…まじかよ。お前その器に引っ張られすぎだろ。」
「黙れ殺すぞ!」
書きました。キャラの説明するのかなり大変ですね。




