第27話 無敵の正義の味方
「ただの正義の味方だ。」
ユースチスはヘンリーの拳を片手で受け止め無表情で告げる。
「正義の味方?ふざけんなよ俺の前でそんな台詞吐くんじゃねぇよ!お前がいるならなんであのとき俺の所に来なかったんだよ!!」
ヘンリーは怒りを拳に込めてユースチスに何度も拳を叩き込む。
しかし、ユースチスの身体には傷一つつかなかった。
(バカな!なぜ傷がつかない!?能力が封印されてるのか?いや俺の魔術は確実に発動しているって感覚でわかる。ならなぜ?)
ヘンリーは続けてさらに蹴りを叩き込む。
しかしユースチスは依然無傷だった。
(なんでダメージが入んねぇんだよ!ふざけんなそんなの理不尽だろ!魔術どころか俺の通常の攻撃すらもダメージが入ってねぇ!何なんだこいつの肉体はコンクリートで出来てるのか?いや、本当にそうなのかもしれなねぇ。肉体の強度がまるで鋼の鎧のような強靭さで俺の攻撃をものともしねぇのかもしれねぇ。)
ヘンリーは圧倒的な力の差に絶望し膝をつく。
(いや、内部ならどうだ。)
(内部ならどうやっても鍛える事は出来ねぇはずだ)
(俺の殺意の告白なら殺せるはずだ!)
「もう終わりか?ならこっちから行くぞ。」
ユースチスは空に手を広げるそこに光が集まり剣となった。
(ここだ!)
ヘンリーは手を前に出す。
「これは正当な行為である。殺意の告白!!」
ヘンリーの手に心臓が現れる。
「勝った!」
ヘンリーは勝利を確信し心臓を握る。
しかし、
「ぐぉっ!なんだこれは!お、重い!硬ぇ!に、握りつぶせねぇ!」
ヘンリーは心臓を握り潰せなかった。ユースチスの心臓と思われるそれは硬く重くまるで鉄の塊だった。
「何が起こったか分からない様だね。僕は世界の正義。自分が正義である限り悪には一切の影響を受けない。それが僕の力。」
「はぁ!」
「要するに僕が正義である限り一切ダメージを受けない無敵だと思ってくれればいいよ。」
ユースチスは淡々と自分の能力を告げる。
それをヘンリーはただ呆然と聞いていた。
ユースチスは剣を掲げる。
「正義は我にあり。」
「剣よ悪を滅せ!」
ユースチスは剣を振り下ろす。
「なんだよそれ。何をやっても勝てねぇとかそんなの──」
振り下ろした剣の衝撃波はヘンリーを周りの木々もろとも吹き飛ばす。
「理不尽だろ。」
「シブキ!大丈夫か!しっかりしろ!」
ユースチスはシブキを抱えて一気に下山する。
あっという間に電波の繋がる場所まで降りたところでユースチスは連絡する。
「ローレンス!悪いけど今からそっちへ行く!すぐに治療の準備をしてくれ。」
「死なせない!絶対に!」
下山をするユースチスの遥か上空に一部始終をみていた梟が飛んでいる。
「ほっほぉ。あれがご主人が恐れていた世界の正義ですか。ふむぅ。確かに恐ろしい強さですな。あの範囲とあの威力をさも通常攻撃のように。おまけに我々ではほぼ無力になるような無敵の能力、恐らくわたくしが介入してもなすすべがなかったでしょう。」
「ふむぅ。戦力が減ってしまったのは少々痛手ですね。ですが本来の任務は達成しましたのが不幸中の幸いですね。」
梟は狼を自分の分身で加えている。
「ぐっルヴヴヴ。」
「ふむぅ。同胞よまだ眠っていほうがよろしいですよ。念の為貴方の手足は食い千切っています。同胞として貴方のそのような状態を見て欲しくはありませんので。」
梟はそう言って主人の元へ飛んでいく。
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アドベンズコーポレーションの社長室で。
「はい。私です。候補として出していた世界の恋人ですが。正式に彼女を迎え入れる事になりました。その紹介も兼ねて集会を行いたいのですがよろしいでしょうか。──ありがとうございます。では私の方でスケジュールの調整を行わせていただきます。──そうですね、まず力は、今だ戦争中でしょうし今回も欠席だと思います。それと愚者と月が現在争っていますね。そちらは私が仲裁に入りましょう。悪魔は気まぐれなので来ていただけるかどうか。ですが当日までに何とか間に合わせます。死神も恐らく協力してくれるでしょうし。では当日はよろしくお願い致します。審判様、失礼致します。」
書きました。よろしくお願い致します。




