第16話 決着 賽の女王
2人の戦いはより苛烈になっていた。
しかし、ジェットの推進力を借りて戦っているにもにも関わらずツキミはそれを上回る速さで斬り続ける。
「当たらない。追いつけない。たったこれだけの時間でここまでの力の差に?」
「もう覚えた。」
ツキミはミランダの利き手を斬る。
「ぐっ!」
ミランダは利き手が奪われさらに差が広がる。
(このままでは!)
ミランダの金棒がペンに変わるすると片方の手から紙が現れ何かを書いている。
するとミランダの影から何人もの鎖につながれた人間が現れる。
その中にはツキミが賽の河原で斬った者をいた。
「百年分の石を提供します。あれを捕えろ!」
ミランダは捕らえた罪人たちに石を提供することで自分の駒として戦わせることが出来る。
「地獄の門主、賽の女王よ。あなたに敬意を評して同じ地獄の業で押しつぶす。」
するとツキミの体が燃え上がる。燃えた炎は意思があるかのように刀に集まる。
「焦熱原罪改」
「それは!?自らの魂を地獄に落とし2倍の年数の裁きを受けその焼かれた業火の炎を剣に纏う原罪改!それも焦熱地獄を!」
「知ってるんだね。まあ、地獄流の出なら知ってて同然か。」
「ええ、ですが実際に見たのは始めてですね。なにせその業は、地獄の責め苦の記憶は忘れるものの途中で放棄すれば身体は燃え上がり灰となるのですから。」
「一体何年もの罪を?」
「5年分だから10年は責められたと思う。あなたにはそれくらいで十分。」
「10年そうですか舐められたものですね。」
「捕えろ!罪人ども!」
ミランダの声とともに罪人達は一斉にかかる。
ツキミは罪人達の前で刀を振り下ろした次の瞬間辺りは炎に包まれ巨大な炎の塊が罪人もろともミランダを飲み込んだ。
「かなり強かった。」
ツキミは、リオからもらった地図を頼りにセキュリティルームへたどり着く。
先ほどのフロア一帯を焼き尽くしたことで社員のほとんどが逃げておりセキュリティを守る社員も簡単に倒した。
「ここか。」
ツキミは、リオからもらったUSBを差し込む。
「おっ!きたな!」
賽の河原で身を潜めながらリオはUSBが接続されたことを感じ取る。
「起動せよ!おれだけの女神!!」
その言葉とともにリオは眠ったように意識を失う。
時を同じくして社長室では
「どうやらミランダとは決着がついたよつですね。」
「こちらと同じく。」
零士の目の前には、イグニスが眠っている。
周りも戦闘を一切行ってないように荒らされた様子がない。
「さて、確か彼女には─」
「アー!アー!テステス!聞こえますか〜!」
「!?」
「おっし!ちゃ〜んと動いてる。」
「えー本日は、自由な想造を忘れずに株式会社アドベンズコーポレーションをご利用いただき誠にありがとうございます。大変申し訳ございませんがこの会社のセキュリティを乗っ取らせていただきました。覚悟の準備をよろしくお願い致します。」
「これは?!」
リオの言葉通り会社のセキュリティの6割を乗っ取られていた。
「リオ。これがあなた切り札?」
ツキミは、モニターに映るリオに話しかける。
「おうよ!これがおれの固有魔術自分の意識を電脳体してあんなことやそんなことができる。親友にも見せたことのない最強のチート能力よ!」
「確かにすごいけど何でみんなに言わなかったの?」
「決まってるだろ!こうやって自分の能力を隠していぞというときに使って仲間を助けるってカッケーだろ?」
「そんな理由?」
「そんな理由が男は大事なんだよ!!」
「?ツキミちゃん気をつけろすごい勢いで何かが近づいてくるぞ!」
ツキミは、背後を振り向くとそこにはミランダがいた。
炎に焼かれ全身にやけどを負っている。
「あなたを逃したこと彼の警戒を怠ったこと全て私の失態です。この失態は貴方を捕らえることで取り戻さなくては。」
「やめたほうがいい、あなたの上司なら命令はわたしの足止めでしょ。あの人はあなたが戦っても勝てないと分かっていた。優秀なあなたならそのことも分かっるはず。」
「ええ、そのとおりです。ですがこの取り戻しは私自身の意地、誇りのためです。最後まで戦いぬくそれが私の誇り。」
「本当に強いねあなた。」
「もったいないお言葉です。」
もはやこれ以上の言葉は不要。
2人は互いを見て構える。
そして、高速で近づく。
片や壊れかけてなお走り続ける車のように、片や触れるだけで傷がつきそうなカマイタチの風のように。
2人はすれ違う。
勝負の結果は言うまでもない。それでもこの勝負は2人にとって強い意味を持っていた。
「お見事。」
賽の女王は倒れる。ただただ満足した表情で。
書きました。ミランダ戦決着です。




