第15話 地獄の運命も金次第
「どうしてここに?」
「いやぁ、あの後あんたらが暴れてくれたおかげで怪しいポイントにマークを探ってたんだがなぁ。クソっ!オレとしたことが!」
「なにか罠にでも引っかかったの?」
「ああ!まさかあんなところに更衣室があったなんてよお!」
「・・・・・。」
「あそこに入ろうか入るまいか、いや!もしかしたらセキュリティルームがあるかもしれない。いや、そんなのそんなところにあるわけねぇだろ!いやあの扉の向こうにはある意味セキュリティ、いやセッキュリティがあるかもっtいや!あのちょっと待って!刀しまって入ってないから!!入ってないから無罪だから!!無罪主張!!無罪主張!!」
「うるさい。」
「すいません!」
「それで?そんなことしてたらミランダに見つかったと?」
「はい〜。お恥ずかしい限りで。」
「それで、ここは一体どんな空間なの?」
「ここはミランダの賽の河原みたいな空間だ。禊が終わるまで永遠に出られないそんな場所だ。」
「まあ、見てもらった方が早いかもな。」
リオは、こっちだとツキミを案内する。
そこにはたくさんの人間が互いに斬り合い、殴り合い殺し合っていた。
「ここが餓鬼たちが再起を求めて石を奪い合う賽の河原だ。」
「ここを出るには腕にある年数分の石を積まなければならない。だが石を得るには他のやつから殺して石を奪わなければならない。殺されたら石は全て奪われまた最初からやり直しだ。どれだけ戦っても何れは力尽きて殺され石は奪われる。その繰り返しだ。」
「ならあの人達を全員殺せば石は一人占め出来るんだね。」
「ん?いやまあそうだけど。さすがに─」
ツキミはリオが言い終わる前に突っ込んでいき、
「あん?なんだガキ俺の獲物をぎゃああああ」
ツキミは、争っていた罪人を次々となぎ倒していった。
「よしこれであと341万2541年だね。」
つい先程まで争い合っていた河原はたった一人の少女によって川のせせらぎが聞こえるほど静かになっていた。
「とんでもねぇな。あ、あのオレにも石ちょーだい♡。」
リオは、くねくねしながらツキミに頼む。
「そんなことしなくても普通に頼めば半分は渡すから。」
「ありがとうございます。ありがとうございます。このご恩はここを出るまで忘れません。」
「もう少し覚えてほしいなあ。」
2人は、石を手に入れるべく辺りを探索する。
「そういえばあの2人とはどういう関係なの?」
「ん?ああ、あいつらは腐れ縁だよ小学校で一番仲が良かったからな。特に紫吹にはずっと蝕んでた俺の罪悪感を取り除いて救ってくれたからな。烏海も同じだ。」
「へぇ。何があったの?」
「それはなあ─」
リオが何かを言いかけた時
「!!?まずい。」
リオは、何か慌てたように逃げ始める。
「ツキミちゃん!服を脱げ!早く!」
「え?!」
「いいから早く!俺少ししか見ねえから!」
「少しも見ないで!」
リオの慌てようから緊急事態と察しツキミは渋々服を脱ぎ始める。
「よし後はこの辺に隠せばと、・・よし、間に合った!」
リオはそれぞれ着ていた服を河原に穴を掘り隠した。
するとはるか彼方から高速で近づく老婆がやってきた。
「ふうん?なんだい。せっかくこのあたりで新入りがやってきたって言うのにもう他のやつに取られたあとかね。全く─」
老婆は、2人に近づいて来たかと思うと途端に興味を無くして去っていく。
「よし!セーフだ。さて着直すぞ。」
「今のは?」
「あれは奪衣婆だ。金目の物に目がなく手当たり次第で服を奪っていくようなやつだ。武器も奪っていくから近づいてきたらすぐに服を隠すんだ。最も奪われた物は石を払えば取り返せるが。ボッタクリもいいところだからな。」
「そういうこと。俺が急に脱いだり脱がしてくる変態だと思ったか?」
「まあ、うん。」
「ひどいなー」
カーン カーン
ツキミ達は脱いだ服を着直すと、辺りに巨大な鐘が鳴り響いた。
「今度は何?」
「ああっ!?嘘だろ?!早すぎるまだ石を手に入れたばっかじゃん!落ち着け場所はどこだちょうどこの真上!?」
「やばいやばいやばいやばいやばい!!!!」
「どうしたの理烏!何がやばいの?」
「この賽の河原は蠱毒のように互いに石を奪い合い石の数は基本的には拮抗するんだ。だが中にはあんたみたいな図抜けた強いやつ、俺みたいなちまちま石を貯めたやつらが石をあと一歩まで貯める奴がいる。」
「そんなところまで貯めた奴らの前に現れるのが──」
ズーーン!!!!!!!!
まるで山が降ってきたような衝撃がやってくる。
「来やがった!ここまで頑張ったのに。」
「あれが?」
「ああ、あれが出る杭を地の底に打ち込む。崩し鬼だ!」
「悪い子よお前達はまだ禊が足りないよってその石崩させて貰う!」
「嫌だといったら?」
「お前の刑期をもう二千年延ばしてもらおう。」
「逃げろツキミちゃん!いくら君が強くても勝てない!」
「問題ない切る!」
ツキミは、巨大な鬼の足をすれ違いざま切り裂く。
「ほお!なかなかやるだがその程度ではこの鬼は倒せんぞ!」
「なら!もっと強めに!」
鬼は、巨大な金棒を振り降ろす。
「ノロい。」
「ぐお!」
「そんな速度じゃ私は潰せない。」
ツキミは、振り下ろされた金棒をかわすと同時に足を切り飛ばした。
「すげえ!あの崩し鬼を押しているこれなら勝てる!」
しかし、
「やっぱりあんたいいもん持ってたじゃないかい。」
「な!?」
あの時の奪衣婆がいつの間にか現れツキミの刀を取り上げる。
「クソっ!こんな時に!」
「刀一つ奪われたくらいで」
ツキミは刀をもう一本生成しようとする。しかし、
(刀がでない?まさか奪衣婆はただ刀を奪うだけじゃなくて魔術や能力そのものを奪える!?).
「まずいこのままじゃツキミちゃん文字通りすかんぴんだ。」
「・・・・。」
「かくなる上は!」
リオは、河原の丘に立ち叫ぶ。
「おいそこの変態ババア!!こっちだ!!」
「ううん?」
「なんだい?今こいつの金目のものを精算してるんだあとにしてくれ。」
「こいつが目に入らぬか!この服ははなイタリアの有名ブランドにハリウッド俳優のサインが入った世界に1つしかねぇシロモノだぞ!」
「ほお?」
奪衣婆はリオの服に興味を持つ。
「それだけじゃねえ!このズボンもわざわざ取り寄せた限定品でずいぶん前に販売が中止して今やプレミアムとしてコレクターに─」
「理烏なにを?」
「今のうちだとっとと鬼をぶっ倒せ!」
「!!うん!」
ツキミは、鬼の顔面に一発入れる。
「ぐは!」
体制が崩れた鬼の隙を逃さず金棒を掴み奪い取ろうとする。
しかし、リオの服を奪った奪衣婆が再びツキミの方に向かおうとする。
(まずいののままだと奪衣婆は鬼の方に向かって金棒を奪い返そうとする。物を取ることに関しちゃあ奪衣婆はプロだ。このままだとツキミちゃんは決定打を失う。)
(はじけろ俺のプライド!羞恥心はここにおいてけ!)
「おい!まちなババア!俺のパンツを見ろ!こいつは世界のパンツアーティストとして使用された一億円パンツだ!」
「なんだって!とっととよこしな!」
「いやん!エッチ!触らないで!!今だツキミちゃん!」
「しまった!」
「はあああああ!!!!」
ツキミは自分の何もの金棒を持ち上げる。
「いっけええええ!」
ドォォォン!!
叩きつけられた鬼がはるか彼方に吹き飛ばされる。
「馬鹿なああああ!!!」
「やったな!ツキミちゃん。」
ツキミと全裸のリオは互いににピースをする。
「あ!今の鬼を倒して250万年分石が加算された。」
「まじか!俺にも分けてくれ!」
「もちろん。後はコレどうする?」
ツキミは、奪衣婆を見る。
「ひ!ひいぃぃぃ!ゆ、許してくれ!な、なんでもするからどうか殺さないでくれ〜!」
「じゃあ刀返して。」
「ついでにオレの服も。」
刀と服を取り返した2人は残りの年数分の石を探す。
「この調子で行けばあっという間に脱出出来るぞ!なんならそこら辺の雑魚を狩るだけでも余裕で行けるかもな!」
カーン カーン
「おっと、また鬼か。だが次もいけるよなツキミちゃん?」
「うん、さっきので戦い方はだいたいわかった。」
「よおし!じゃあ俺は囮やるからその間にちゃっちゃと倒しちまおうぜ。」
2人は鬼に恐れず鐘の方へ向かっていく。
そこに誰かがこちらにやってきた。
「ひいぃ!」「逃げろー!」「助けてくれー!!」
それは自分たち以外の参加者だった。
「ぎゃあ!」「ぐわあ!」「たすけっ!」,
つきみは、それを残さず全員倒した。
「容赦ねー。」
「早めにやるには越したことはないし。それに結構石持ってた。」
「おお!この量なら後は鬼を2体倒せば出られるぞ!よしそれじゃあ行くぞ鬼ヶ島へ!」
「んん?なんだ?なんかあそこの山の木がちょっと動いたような?」
「?!!!違う木じゃねえあれ全部鬼だ!山の木に見えたのは全部鬼だったんだ!しかもそれが全方位から一斉に襲いかかって来やがる。」
「あいつらはが逃げていたのはそういうことか。」
「ど、どうだツキミちゃんいけると思うか?」
「さすがにあの数は無理。」
「だよなー逃げるしかねえか?でもどこに?全方位からじゃ隠れる場所なんてどこにも。」
「今から穴を掘って隠れてもとても2人分は入れそうな穴は。」
「仕方ねぇ。ツキミちゃんオレの石を全部やるこれでキミだけは脱出してくれ。」
「え?でも。」
「もちろん俺は確実に何千年分のペナルティを負うだろう。でもキミがミランダをぶっ飛ばせば脱出出来るかもしれねえ。それにある意味ここは安全かもしれないしな。」
「?」
「さあ!コレ全部オレの石だ!持ってけドロボー!!」
「だめ!後50年足りない。」
「なあに後は簡単だオレを10回殺せ。そうすれば1回につき5年分の石が手に入る。」
「そんなこと!」
「いいんだよそれで脱出出来るならお安い御用だ。リスポーン地点はここに設定してっと。」
「どうしてあなたはそこまで。別に大したことは、まあしてるかだがオレはダチの助けになるなら十回だろうが百回だろうが死んでやるそれだけだ。さあ!遠慮なくスパッと切ってくれ。」
決して怖くないわけないはずだがリオの覚悟が伝わったツキミは刀を振り下ろす。
「がっ!オオォ!」
「ガフっ!ァー!」
「イッ!はぁっ。」
「ちょっと待ってくれ!やるなら人思いに即死させてくれ死ぬほど痛い!」
「わ、分かった。」
「ゴッ!」
「ぶっ!」
「りっ!」
「ンんん!」
「っ!」
「・・・!」
「!」
「おめでとうございます。あなたは石積みの刑期を見事満了しました。」
お地蔵様の像が空からやってきた。
「来たか!これで出られるぞ!!」
「ありがとう。理烏あとで絶対助けるから!」
「おう!気長に待ってるぜ!あっ、そうだちょっと待ってくれ。」
そういうとリオは、自分の口の奥に指を入れる。
「おえっ!げぼろろろろおおお!」
案の定リオはゲロを吐くそしてその中から小さなUSBがでてくる。
「それはいわゆる切り札だ!たとえ奪衣婆に全部取られてもこれだけは死守しようと飲み込んでおいたんだ。」
「持っててくれ。絶対役に立つ」
リオはゲロまみれのUSBカードを渡す。
「う、うん。あ、ありがとう。」
「行ってくる。グッドラックだ!」
ツキミはお地蔵様を抱くとロケットのように飛び上がった。
「頑張れよ。ツキミちゃん。」
リオはツキミが見えなくなるまで笑顔で彼女を見送った。
ツキミとの戦闘による消耗を癒しているミランダは、地獄の状況を察すると立ち上がった。
「まさかこれほど速いのは始めてですね。」
するとミランダの影からツキミが現れすぐさまミランダに斬りかかる。
「第三ラウンドと行こう。ミランダ!」
「ええ、ぜひとも。」
書きました。ミランダ戦今まで一番長くなりそうです。




