第八話 人との縁は、異世界程度じゃ切れはしない
「戻ったぞ~。」
シブキは、先に部屋で待っていた3人の元へ帰ってきた。
ここは、城の一部で繋がってはいるが一般の人間も使用することができるマンションでポピーと呼ばれている。
「おかえりあなたごはんにする?おふ─」
「作るから黙っててくれ。なんか買ってくる」
「もう瞬間移動で買ってきたのでご自由にどうぞ。」
台所に置いてあった材料は人参、玉ねぎ、じゃがいもとこの時点でもう作ってほしいものが分かったのでシブキは、料理を作る。
野菜を切りながらシブキは、今後のことを考える。
あの旧都で起こったことを今の冷静な判断ができる自分なら断ることができていただろうか?そんな考えが。
ローレンスは、今後この秘密を守るなら自分たちの身の安全を保障するとのこと。
また、ローレンス自身や他の事情を知っている大臣達が仕事に追われ彼女を見ることが出来ない間、自分がツキミの相手をする。ついでに自分の研究に付き合ってくれれば4人の生活費を保障と仕事を提示するという条件を提示した。
これらの条件をのんだことで3人の立場は、事実上兵士としてこの街での市民権と仕事を得ることができた。
そんなことを考えている内にカレーは、完成した。
4人は、それぞれの皿のカレーを食べる。
「やっぱりカレーは、3日目が一番美味しいですね。」
「お前の口内だけタイムスリップでもした?」
「そういえばカレーで思い出したんだがさっきトイレで─」
「黙って食え。」
「それで、2人だけ残ってどんな話ししてたの?彼氏でもできた?カレーだけに。」
「くだらねーこと言ってねぇで聞くならちゃんと聞けよ!なんでおれに彼氏ができんだよ!」
(こいつら俺がいない間にあっという間に馴染みやがって。)
シブキは、いつもの2人のおふざけに今後はもう1人増えたと考えると今から気疲れを起こしそうだった。
シブキは、あの後どうなったかを襲われたことと旧都で起こったこと伏せて話した。
今後自分たちは、ここで暮らしてもいい代わりに定期的にくる仕事をこなすこと。明日の朝も早速仕事を用意してくれたのできっちりと参加するように3人に伝えた。
夕食を終えた4人は、それぞれの部屋に戻り明日の仕事に向けてしっかり休んだ。
次の日、4人は、玉座の間に入りツキミを迎える。
「今日は、来てくれてありがとう。それじゃあ初のお仕事一緒にがんばろ。」
全員は、えいえいおーのようにして拳を空に上げる。
4人はツキミを中心に前と後ろで2人ずつで囲んでアドベンコーポレーションへ向かう。
今日は、月光街最大の企業アドベンズコーポレーションの社長と対談し正式に国が認める企業であるかの査定を行う日である。自分たちは、その道中のツキミの安全守る護衛が記念すべき初仕事である。
ローレンス曰く、ほぼ形式的に行うためのもので特になにか特別なことをするわけでもないから気楽に護衛をしてればいいよとのこと。
会社へ向かう道中シブキ達は、遠くからなにかを叫ぶデモ隊が目に入った。
彼らは、奴隷解放!!、自由を!!とプラカードを掲げていた。
「あの人達は?」
イグニスは、あのデモ隊がなにかをツキミに、聞く。
「あの人達は、アドベンズ社が買い取っている奴隷を解放して欲しいって言ってる解放戦線の人たち。」
「奴隷っていえば昨日おれたちが捕まったあの奴隷商の奴らがいたがまさかここで売買してるのか?」
「たぶん誤解がだと思うんだけどよくうわさされてる。」
「早い段階で何とかしないと国の信用にも影響刷るから今回は、その件についてもお話をするの。」
走行している内に会社のエントランスの前に着く。
扉の上には、異なる色の円がいくつも混ざり合って真ん中が小さな白い円が象られたエンブレムが掲げられていた。
(あれ?このロゴ何処かで見たような?)
そんな疑問をよそにシブキ達は、会社に入る。
受付の人にアポの確認を済ませ最上階の社長室のエレベーターに乗ろうとした時、
「あっ!ちょっと待ったオレトイレ行ってくる!先行っててくれ」
リオは、腹を押さえながら走ってトイレを探しに行ってしまった。
「マジで緊張感ねぇなあいつ。」
4人はリオを置いてエレベーターに乗り上へ上がる。
「そういえば、社長ってどんな人なんだ?」
「若くて優しそうな人だったよ。初めて会ったときは、少し怖かったけど。」
「まあ、裏で奴隷ビジネスをやってる疑惑があるんだもし噂が本当なら警戒したほうがいいな。」
「うん。でもどうやって止めるように交渉しよう?」
「そういうことなら私に任せてください。人の揚げ足をとることが3度飯よりも好きな私にいつでもフォローしてあげますよ。大船に乗ったつもりで待っていてください。」
ツキミの不安をイヅミが拭う。
「誇るなそんな自慢。」
イヅミとシブキのやりとりにツキミは、少しだけ笑顔を取り戻す。
「ありがとう。期待してるね。」
エレベーターを降り社長室の扉の前に立つ。
「社長、ツキミ様がいらっしゃいました。お招きしてよろしいでしょうか?」
「どうぞ。」
案内をしてくれた社員が扉を開ける。
「失礼します。」
扉の先には、質素なデスクと椅子に座っている。アドベンズ社の社長が座っていた。
年齢は、ツキミの言う通り若くまだ20代後から三十代前半のような顔立ちでぴっちりと余計なものを一切感じない洗練されたスーツ着ていた。メガネをかけいかにも仕事ができる雰囲気を漂わせていた。
「え!?」
「うっ!?」
そして、2人は、この人物を知っていた。
ズドーンブクブクブク
「なんか今大船が沈んだ音がしたんだけど!」
「お世話になっておりますツキミ様、アドベンズコーポレーション代表取締役、渡零士です。」
その名前を聞いてイヅミは、吐きそうな顔になる。
明らかに顔色がおかしくなったイヅミをみたイグニスは、シブキに答えを求める。
「シブキ?さっきあの人渡って。」
「ああ、あの人は、イヅミの
─叔父だ
書きました。ギャグもうまくなりたい。




