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交差点と公園と花束

作者: KsTAIN

高校一年生の7月。僕は自転車を漕いで目的地へと向かっていた。35度を超える酷暑の中、肌を焼きながら前へと進んでゆく。

異常なほど勾配が急な坂を必死に漕いで昇ったあと、下りをシャーっと駆け下りる。夏にしては涼しい風が僕の全身を通り抜ける。

「んー気持ちいい〜」

思わず声が出てしまうほどの心地よさ。これが自転車に乗ることの醍醐味である。

後ろから走ってくる車などに少々怯えつつ、環状線を一人で走る。

僕が大好きなことだ。

やがて走っていると一つの平坦な道に出た。

ペダルを全力で踏んで進み続けると、交差点で赤信号に捕まってしまった。僕はブレーキを踏んで停止する。かなりスピードが出ていたため、急ブレーキのような形になってしまった。

ふと左を見ると、一つの公園。その入口付近に、一束の花束が置かれていた。赤いカーネーションだ。

事故現場なのかな?と思い見ていると、一人のおばあさんがやってきた。そのおばあさんは、一束のバラを置いた。

その後、僕に近づいてくる。

「お兄さん」

「なんですか?」

急に話しかけられ、少し驚いてしまう。

「私は悪魔でね。未来が見えるんですわ」

「はあ」

突然振られた宗教的な話に、返答に困ってしまった。

「それだけですよ。オチもありません。ほほほ。信じるか信じないかは、あなた次第ですよ」

その婆さんは不敵に笑い、信号を指差す。おばあさんが指をさす信号を見ると、信号は青になっていた。しかし、近くで止まっている車は一台たりとも動いていない。

おかしいな、と思って左右を確認するも、車は全く無い。

「そうですか。教えてくれてありがとうございます」

青信号になっていることを教えてくれたことにだけ感謝し、スタンドを蹴り上げてペダルを踏み込む。

「いえいえ。ごゆっくり」

わけのわからない言葉を無視し、交差点に進入する。

すると大きなクラクションが一つなった。左から聞こえてきたので、なんだ?と思って左を見てみる。

そこには、一台のトラックが。

僕は、あのおばあさんが悪魔なのだという事実を、受け入れざるを得なかった。

さてさて。主人公は結局どうなったのでしょう。そして、あの花束は、一体なんなのでしょうか。

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