魔術獲得
翌朝
風も火も水も木も土も出来なかった俺だが光魔術は出来た。
本に書いてあった詠唱をライリーが読んでくれたのでそれを復唱したら両手が緑色に光り目の前の草がくっついた瞬間は凄く嬉しかった。
ライリーも初めて出来た時は一緒に喜んでくれたしレイラも目を輝かせていた。
だがそれ以降なんの成長も見られない
だから俺はもっぱら光魔術の練習に明け暮れている
治癒魔術の練習法としてまずは草を少し千切ってヒールしてくっつける、その繰り返し
成長していないから練習になっているのかわからないけど
それと同時にこの世界の読み書きをライリーから学び始めた
文法自体は日本語と同じ、違う事といえば漢字やカタカナみたいな複数の文字がないと言う事。
いわば全部ひらがなの日本語である。
これに関しては割と習得が早かったと思う
体内に取り込める魔力にも限界があるので魔術練習は継続して出来るとしても2時間が限界
だから残りの時間は語学の勉強に当てたのだ
元々本を読む事は嫌いではなかったから苦ではなかった
ライリーから算数の勉強もしますか?と聞かれたが算数は数字さえ分かれば問題ないのですぐマスターできた。
前の世界では何かをコツコツ努力する事は大嫌いだったが成功体験を積んでいくと楽しいもんだ
そんなこんなで2ヶ月が経った
太陽?はギラギラあたりを照りつけ陽炎が立ち汗が滴る温度になってきた。
レイラは居間でアヅイ暑いと愚痴りながら寝そべっている
俺はと言うと魔術の練習をしていた。
「飽きた」
2ヶ月も草を千切っては治し千切っては治しの繰り返しは流石に飽きた
ライリーに次は何したらいいのか訊ねても教えてくれないから光魔術の本を自分でチェックする事にした。
文字はそこそこ読めるようになったから読めちゃうんですよねこれが。
レイラからはまだ早いと言われたがやってみなきゃわからないだろ?
えーっと植物の次は人体で行うべし
この世界では動物はいない、みんな魔獣になるのでモルモットとか昆虫が居ないのだ。だから人体で試すしかない
そりゃレイラも早いって言うしライリーからも教えられなかった訳だ
レイラに頼むか?いや、絶対断られる。
なんなら俺が傷つけられる....俺?
そうだ!自分で切り傷作って自分で治癒魔術を使えばいいんじゃねぇか!
って事で小さめのナイフを持ち出し軽く指先に傷を付けてみた
血は出たが治癒魔術を行う前に傷は塞がってしまった
特異属性のある者は何もしなくても傷の回復が異常に早いってライリーが言ってたな。
て事は俺はやっぱり特異属性を持っているって事か
背に腹は変えられないし、しょうがない腕イクしかないか
覚悟を決めてナイフを振り下ろす
「ストーーーーーーーーーーーップ」
聞いた事ある声の主が聞いた事ないぐらいの叫び声で俺を止めて来た
なんなんだ、こっちったら忙しいのに
「ライリー、俺は修行中なんだけど?」
「修行って自分の腕傷付ける修行がありますか!」
ライリーは息を切らしながら俺のナイフを取り上げた
「修行の為に自分の体を傷付ける人がどこに居ますか!」
「ここにいますけど...」
「ここにいますけどじゃないです!!」
「けどライリー、俺は光属性みたいだから傷の治癒が早いからなんとか..」
「なりません!!腕が落ちたら上級治癒魔術じゃないと治せないんですよ!それにこの小さいナイフでも切り落とそうと思えば腕ぐらい落ちます」
「ならライリーどうしたらいいんだよ」
「頬膨らませても可愛くありませんよ
どうせ次の訓練は人体で試せって書いてあったのを間に受けたんでしょうけど普通は旅について行って最後の治癒をお手伝いするって形でマスターしていくものなんです!いきなり自分の身体で試す人なんて普通いませんよ」
「なんでライリー止めるのよ、もう少しで面白いのが見れそうだったのに」
レイラが本当に残念そうな顔をしてこちらに来た
そうですか、貴女は使い魔の腕が飛ぶ瞬間が見たかったのですか
「面白いって..レイラ様」
流石のライリーも引いてるし
「んで、ライリー今日は何しに来たの?」
「あぁ、そうでした!レイラ様、ハルト様をお借りしても良いでしょうか?」
「いいけど、どうして?」
「家の整理をしたくてですね、男手が欲しいんです。」
「何そんな事、なんなら私も手伝うわよ」
「いえいえ!レイラ様にそんな事させられませんよ!」
ライリーは全力で断っていたがレイラがそんなので引き下がる訳ない
と言う事でライリー家の整理を手伝う事になった
なお俺に着いてくるかどうか聞かれることは無かった




