ヒロインの歓喜
俺が使い魔....言ってる意味がわからなかったが彼女曰く彼女に使い魔として召喚されたのだからこの世界での俺は【使い魔】という事らしい
「えっと、魔術のメカニックはわかりましたしここら辺に動物がいないのもわかりました。
けど根本的な話なんですが何故俺を使い魔として召喚したんですか?」
「そんなの簡単よ、私が旅に出たいから」
何を言ってるんだこの娘は
俺は突然この世界に連れて来られて訳もわかずお茶(白湯)を飲まされたのに旅に出たいだと?
俺はそのパートナーとして旅をしたいという訳か?
リアルRPGでかつ美少女と旅するのかなんか異世界転生っぽくなってきた...
「まぁ、私がここから居なくなるとこの村を守る結界が不安定になるし下手したら結界が破れちゃうからね
その結界維持の為に貴方を召喚したって訳」
ん?その文脈だと俺はここでお留守番になるの...?
「えっと...俺を旅の助っ人として召喚したっていう」
「それはないわ」
遮るように返事してきた。彼女はどうやら話を遮るのが好きらしい
「元々使い魔召喚で人間が出てくるなんて思ってもなかったしね
まぁ人間だったらら村の人達は御神体として納得するかしら、私の弟とか名つけて...」
何一人で話をまとめようとしてるんだこの子は
「あの、この世界の事というかこの村の事すら分かってないのに御神体なんて無理です。そもそも元の世界に帰りたいんですけど」
「帰れないわよ、そんな簡単に」
彼女は俺の顔も見ずに返事した
「召喚したのに戻せないんですか?」
「当たり前じゃない、0を1にするですら大変なのに1を0にするなんてもっと無理よ」
今度はこちらを向いてくれた
使い魔召喚は転移魔法とかではないのか?
「なら俺が元の世界に帰る為にはどうしたらいいんですか?」
「知らない」
は?
「知らないって無責任すぎるでしょ!
俺はまだ17歳で学校だってあって、家族がいてやりたい事だって」
彼女はお茶を啜りながらハイハイと受け流すだけだった。
その光景に俺は....諦めた
どうせ戻れないならこの世界でなるようになればいい
御神体といってもこの家でぐうたらして参拝者に神のご加護をとか適当な事言ってればいいんだろ
「レイラちゃんおりますかなぁ?」
玄関の方からそんな声が聞こえて来たのは俺が諦め、無音の空間が3分程続いた時だった。
「はーい」
どうやら俺を召喚した子の名前はレイラらしい
レイラと話しているのは老人だろうか?
玄関先でなんだからテンション高い会話が聞こえてくる
使い魔召喚に成功したの!なんじゃと!おめでとう!流石御神体様じゃ!とかそんな会話が
そういえば御神体って神が宿るから神体っていうんだろ?だったらレイラは神様って事なのか?とか考え事をしていたらドカドカと大きな足音を立ててレイラ俺の首根っこを掴んで来た
「なんですか?」
「来なさい!村長さんに挨拶するのよ」
どうやら挨拶するとかそういう礼儀はちゃんとあるらしい
「ほほぅ、これが使い魔かぁ。また人間を召喚するとはレイラちゃんなかなかやるのぉ」
「おじいちゃん!紹介するね!これが私の使い魔の....」
「あんた名前なんて言うのよ」
美少女に耳元に息を吹きかけられるのは悪くないな、うん
「ちょっと、聞いてる?あんたの名前!忘れちゃったなら勝手に今付けるけど」
もう諦めてるから勝手に付けてもらっても構わないんだが
「もう、無視するなら勝手に決めちゃうからねっ」
どうぞお好きに
「江戸川コn「伊月ハルトです!」
おい!この家の何処に少年探偵団とシャーロックホームズの本があるんだ!
危うく見た目は子供頭脳は大人になる所だったじゃねぇか
「なんだ聞いてたんじゃない」
「ほー、伊月ハルトくんというのか、これからよろしくのぅ」
「よろしくお願いしますっ」
俺は満面の笑みで返事した。
「ところでレイラちゃん、使い魔を召喚してどうしたいのじゃ」
「あのねおじいちゃん!私旅したいの!
この村から出て色んな所を見て回って見聞を広めたいのよ!
だからコイツを召喚したってわけ!」
彼女の目は俺と初めて会った時以上にキラキラしていたような気がした
しかし村長さんは正反対の目をして重そうに口を開いた
「レイラちゃん、悪いがレイラちゃんが旅に出てしまうとこの村の結界は弱くなる。
するとどうじゃ、魔獣がこの村を襲うかもしれん。
魔術の使えぬ者が殆どのこの村では追い返す事すら難しい。
それを分かっていて言っておるのか?
もちろん生まれた時からこの村を出ることが許されずに生活してきたレイラちゃんの気持ちも分かるがその望みは叶えられぬ」
レイラはコレ見逃しにキラキラした目で返事する
「もちろん、わかってるわよ。
だからこの男を御神体として置いていくわ。
問題ないでしょ」
レイラはない胸を張って堂々と村長さんに鼻高らかに宣言した
「大アリじゃ」
村長さんのその一言でレイラの目は一変した




