自身の選択肢
エマと別れ家へ帰る途中どうしてもこれまでの6回中5回しか思い出せなかった
全て同じようなタイミングで死んでいた
エマの言う成功した一回はどうしても思い出せなかったが成功と言ってもリスタートしているという事は何処かでレイラは死んだという事だろう
俺は彼女の使い魔だ、彼女を守りたいその想いは無意識の内に刻まれている
だが今回だけ、今回だけなんだ、
レイラの事を『レイラさん』と言っているのは
それだけじゃない、俺とライリー達との友好度が高くないのも初めてた
もちろんエマが記憶を蘇らせたことも初めてだが空耳が聞こえていたのも初めてなんだ
これが7回目だから魔力が蓄積して行った結果か、それとも6回目の俺は唯一記憶のない成功の1回でその俺が残したモノなのか、今の俺にはわからないが俺の記憶にある5回とは確実に違うルートを辿ってる
いつもならここで集会所でレイラが死ぬ
村長達に殺される
けれど家に戻ると目の前にレイラがいる
これが正解ルートなのかはわからない。けどこの巫女を守らなければいけない。それだけはわかる
「レイラ!...さん」
美少女は庭の掃き掃除を止め風に髪の毛を靡かせこちらに振り向く
「何よ?呼び捨てって初めてじゃない?
てかエマと何話してたのよ」
「呼び捨てなんてしてねー、、ですよ
エマとは世間話的な話しかしてないよ」
「いや、なんか不自然過ぎるわ、気持ち悪い。部屋に戻るから掃除の続きしておいて」
レイラは俺に箒を渡し家に入って行った
どうしたら正解なんだ
「その答えは今簡単に出るものではないな」
「えっ」
どこからか聞こえたその声の主は村長さんだった
「ハルト君だったかな?
レイラちゃんの事で話があるんじゃが?」
「話す事はないですし、何で俺の思ってる事を」
「話してなくても顔でわかる。
若い子はすぐ顔に出るからの、それがいい事でもあり悪い事でもある。隠し事なんてしようとするなよ若造」
その村長の目には明らかに敵意があった
「何ですか喧嘩ですか?
老人には負けないですよ、俺」
「ほぅ、舐められたモノじゃな」
「そりゃ舐めますよ、老人でかつ魔術も使えない
負ける理由が見当たらないっすから」
「ワシが魔術を使えないのを何故知っておるんじゃ?
まぁ良い、それにワシは別に喧嘩しに来た訳じゃないわい
レイラちゃんを助けに来たんじゃ」
「というとどう言う事ですか?」
「さっきも言ったじゃろ、若い子は顔に出る
レイラちゃんも若いからのぉ、どうしたいかなんてわかる
ハルト君が聞いてるかどうかはしらんが」
「助けてくれるんですか?レイラを」
「助けるんじゃ、この村の村民からの」
村長さんはそんな言葉を掛けたかと思ったら俺の右手に触れ身に覚えのある頭痛がした
『聞こえるか?小僧、お前1人でこの村を出ろ。』
「村長さん、まさかこれまで俺にっ」
『喋るな、レイラちゃんに聞こえたらどうするんじゃ
少なくともワシが君にテレパシーで呼びかけるのは初めてじゃ。もう一度言う、お前1人でこの村を出ろ。わかったなら顔をかけ』
村長さんの提案はレイラを置いてここを出る
そうすればレイラはどうなるんだ
レイラの夢は
まずこの村を出て俺はどうする?
魔術すらまだろくに使えないのにこの世界でどうやって生きていくのか、結界の外は魔獣がわんさかといる世界
まず俺がやりたい事はなんだ




