落ち着く間も無く
「ライリー、なんで剣を持って行かなかったの?」
「それは、元々村の外に出るなんて思いませんでしたし、ましてや魔獣と遭遇するなんて」
「レイラ、無理言うなよ。
もしかして村の外にいるかもっていう予想だっただけで、、」
「私が結界の為に村の外に出れないと知ってて?」
「5分ぐらいなら出ても問題ないだろ?」
「一歩も出られないのよ!出たら即座に結界は崩れるわ
それぐらいライリーも知っているはずよ」
「結界なんて目に見えないし、、」
「見えなくても結界が壊れれば魔獣がすぐ村を襲うわ
もちろんライリーはそれぐらい知ってるはずよ」
ライリーは口を閉ざして下を向いてしまった
ライリーが剣を抜き魔獣を倒してすぐ村に戻ったばかり
事情を説明するとレイラが怒り始めたっていう訳だ
レイラも別に本気でキレてる訳ではないだろう
単になんでそんな無理したのか、怪我したらましてや死んだらどうするんだと問うている訳で
「レイラちゃん、そのくらいにしておいてくれ」
村長がレイラに声をかけレイラもおじいちゃんがいうならとライリーを解放した
俺が気になるのは村長が一晩何処にいたのかだ
村長の奥さん曰く昨日の昼に家を出たらしい
あのエマとか言う女が村長に化けてレイラと密会してたのと時間が妙に一致していたので最初は疑問に思わなかったが今となっては何故村長が村の外に出る必要があったのか
「村長さん、ちょっと話があるんですけど」
「なんだいハルトくん」
「村長はなぜ村の外にいたんですか?」
村長の目が一瞬いつもの優しい目が鋭い目に変わった気がした
「隣の街までちょっとね」
声はいつもの優しい村長だった
ーーーーーーーーーーーーーーー
その晩、ライリーとエリーで食卓を囲む事になった
レイラは言えない用事があるとかでまた留守にしている。
だけど朝には戻るらしい
この3人で食卓を囲む事は割とよくあることだがこんなに静かなのは初めてだ
ライリーは黙々と箸を伸ばし
エリーちゃんは食事に手をつけず下を向いている
気まずいのは確かだ
「なぁ、ライリー。
何故村長は村の外に出てたのかわかるか?」
ライリーは伸ばしていた手を止め俺の顔を見た
「ハルト様って時々空気と真逆の質問を投げる時ありますよね」
「それはわかってる、けど気になって仕方がないんだ。
レイラが会っていたあのエマって言う女の事も」
「エマっ!?」
下を向いていたエリーちゃんが声をあげ顔を上げた
「エリーちゃんエマについて知ってるのか?」
「え、えぇ。闇の巫女ですね」
闇の巫女、そういえばレイラは風の巫女って言われてたな
「なんなんだ、その闇の巫女って
レイラみたいな巫女服じゃなかったぞ?」
「服装なんて関係ありませんよ、
巫女というのは先代から受け継がれるモノです。
生まれ持ってその魔術ジャンルで1番高い魔力を有しているって言われてますけど..」
1番高いから一般人から信仰される
となるとあのエマってやつもその街では信仰されてるってことか
「エマが闇の巫女なのはわかった。
闇の巫女って事は闇魔術のトップなんだよな?
闇魔術って人を陥れる魔術なんじゃ」
「そうです。だからその人物とレイラ様が会っていたと言うことに驚きなのです。」
「ライリー、それと村長について関係あると思うか?」
「いえ、それはわかりません。
私もレイラ様と闇の巫女が密会していたのは初めて聞きましたし。
ただ村長さんが村の外にいた理由は...」
ライリーはひと呼吸開けると言いにくそうに重い口を開けた
「結界を壊そうとしているのかもしれません」




