2 キモ即斬
文頭に : がついていたらナレーション?というか説明文になります。
「あだだだ、なにこれどうなったん?」
:擦り傷と土で汚れた身体を確認しながら、
ゆっくりと周りを見渡す。
あたりは一方が開けた洞窟のような壁に囲まれ、薄暗いがなぜか見える、そんな不思議な場所だった。
見上げると天井は3m程の高さで、頭上にポッカリと穴が開いており、微かに光が見える。
「あー、ココから落ちたのか、地盤沈下?
いやいや局所的過ぎるだろ。
しっかしうちの畑の下にこんな洞窟?があったのか〜。
んー登るのは無理そうだなぁ」
:落ちてきたと思われる穴がある天井は、
大した怪我をしてないのが不思議なほどに高い、光が確認できる事からみるに、殆ど直線的な穴のなのに、だ。
「ま、とりあえず道はあるし、空気も淀んでないからどこかに繋がってるかなぁ?」
:痛む身体で立ち上がり、周りに散乱した荷物をかき集めた
・ドライバー(4本入り)
・ガムテープ
・小型LEDライト(電池入り)
・野菜支柱用の棒3本(1.5m)
・塩飴1袋
・500mlの水
穴が開いてたのだから小屋の物が落ちてないか期待したが、見つかったのは先程買った品々のみ、あとはスマホと財布だけだった
「はぁ...」
:足元悪いし足は痛い、せっかくの休みだというのにため息もつきたくなる状況だ
まずガムテープで痛む足首にテーピングを施した、立ち上がった時に気付いたが、結構酷く捻ったようで、少し動きづらいがないよりマシだろう。
「なんかライトで照らしてもあんま見え方変わんねーな。壊れてんのか?」
ブツブツと呟きながら残りの荷物をビニール袋に詰め込み、
棒を3本にまとめてガムテで纏めたものを杖代わりにし、洞窟を進みはじめる。
〜〜〜〜
「なんだアレ...」
:進み始めて5分程、曲がり角の先が大きく
広がり、ドームのようになった空間になっていたのだ。
まぁ、それは良いのだが、中にいるものが問題だ
(デカすぎる、キモすぎる。見た事ない虫だ)
近い生物を挙げるならナメクジかヒルだろうか、6.70cmはある軟体系の虫?が蠢いていた
(走り抜けるか?ケガはしてるけど見る限り遅そうだしな...うぉっ!)
脚にピリッとした痛みを感じ、咄嗟に足元に棒を突き立てる
暗がりで見えなかったが這い寄ってきたヒル?が、ズボンの裾から入り込もうとしていたのだ
「クソっ!んだよもう!腹立ったぞなんか」
吹っ切れた順平はドームに踏み込み、次々にヒルに棒を突き刺していった
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ハァハァハァ...
「はぁ〜...、コレで全部死んだか?あれっ死骸どこ行った?なんだこの石...?
...あぁクソ!やっぱここダンジョンかよぉ」
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落下地点のイメージ
下は通路に向かって平になっていきます
[園芸棒]
長さ1.5m200g程
一本での耐久性は心許ないが、4.5本纏める事でそれなりに硬く、重量も1kg程になり、十分打撃に使える。
また、5本纏めると花のような形になり、棒同士の隙間に指を掛ける感じで握りやすく、操作性が上がる。
杖術、棒術の観点から、乳切り棒という自身の乳首までの長さの棒が1番使いやすいとされており、180cmの順平に丁度良い長さになっている。
なお、作者は以前兎小屋を荒らすムジナに木刀で挑んだが、近所のおっさんと網で捕獲して袋叩きにしたものの網を噛み破って逃げていく程度に野生動物の耐久は高く、この程度の打撃武器では、中々致命傷には至らないと思われる。
ちなみにネズミはヤレる。