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ポナの季節  作者: 大橋むつお
54/92

54『ユニットの衣装……③』        


ポナの季節・54

『ユニットの衣装……③』        







「……というわけなのよ」


 安祐美が、やっと霊体化するところまで回復したので、そぼ降る雨の中、旧講堂にまで早朝から足を運んで説明し終えたポナであった。



「現物見ないとなんとも言えないけど、聞いた限りでは因縁がありそうだね」


 大ネエが持ってきてくれたコスは、アマチュアで五人のユニットを組んでいた横浜の女の子が特注で作ったもので、品質としては一級品だった。

 ただ本人たちは、移動中の交通事故で三人が死亡、二人が意識不明の重体である。で、この衣装は事故の後に仕上がって届いたもので、遺族の母親たちは、四十九日が過ぎた日に、事故の担当であった大ネエに相談した。

「手許に置いておくのも辛いし、遺品としては他の衣装もあることだし、もしよかったら、同じような活動をしている人たちに使ってもらえれば」

 そこで大ネエはポナのことが頭に浮かんだ。

「分かりました、心当たりがありますので、当たらせてもらいます」


 で、夕べのポナと大ネエの話になったわけである。


「こういうのは、プラスにしろマイナスにしろ、影響が大きいからね。みんなで着てみないとわからないよ」

「じゃ、手配するわ。放課後、みんなで集まろう」


 放課後、非番の大ネエが車に衣装をのっけ、ついでに乃木坂に寄ってみなみも拾ってきてくれた。


「やっぱ、みんなピッタリじゃん!」

 大ネエも、みんなも驚いた。衣装だけじゃなくて、ブーツのサイズも全員ピッタリ。

「でも、変だなあ……」

「大ネエ、なにが変なの?」

「靴のサイズ、被害者のと合わないんだ……業者のミスってこともあるかもしれないけど、こうも都合よく合うかな?」

「これは因縁ですよ、お姉さん。事故に遭った子たちが、自分たちのハートをだれかに受け継いでもらいたいって気持ちの現れですよ」

「うん、なんだか、このコス着てると、胸がワクワクする!」

 普段穏やかなみなみが頬を染めて叫ぶように言った。


「ものは試しだ、一曲やってみよう」

「でも、楽器とかないよ」

「アカペラでいいじゃん!」


 ダイアモンズをアカペラで通してみた。すごくノリやすいと、五人とも感じた。


「不思議ね、声が十人分くらいに聞こえた」



 大ネエが拍手しながら、嬉しそうに言った。ポナも感激した。大ネエは物事に感動しても、めったに表情には出さない。それが満面の笑みで喜んでくれている。唐突だけど、血の繋がりはなくても大ネエは、お姉ちゃんなんだと思った。


「あの、考えたんだけどさ……ユニット名」

「え、どんなの!?」

「SEN4・8ってのどうかな?」


 安祐美が幽霊らしくなく、目を輝かせて言った。





ポナの周辺の人たち


父     寺沢達孝(59歳)   定年間近の高校教師

母     寺沢豊子(49歳)   父の元教え子。五人の子どもを育てた、しっかり母さん

長男    寺沢達幸(30歳)   海上自衛隊 一等海尉

次男    寺沢孝史(28歳)   元警察官、今は胡散臭い商社員だったが、乃木坂の講師になる。

長女    寺沢優奈(26歳)   横浜中央署の女性警官

次女    寺沢優里(19歳)   城南大学社会学部二年生。身長・3サイズがポナといっしょ

三女    寺沢新子(15歳)   世田谷女学院一年生。一人歳の離れたミソッカス。自称ポナ(Person Of No Account )

ポチ    寺沢家の飼い犬、ポナと同い年。死んでペンダントになった。


高畑みなみ ポナの小学校からの親友(乃木坂学院高校)

支倉奈菜  ポナが世田谷女学院に入ってからの友だち。良くも悪くも一人っ子

橋本由紀  ポナのクラスメート、元気な生徒会副会長

浜崎安祐美 世田谷女学院に住み着いている幽霊

吉岡先生  美術の常勤講師、演劇部をしたくて仕方がない。

佐伯美智  父の演劇部の部長

蟹江大輔  ポナを好きな修学院高校の生徒




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