アマノ隊 1
教室
今の時間はホームルームだ。担任の三輪が教壇に立って話している。
「来週の授業で、模擬戦を行う。初めて授業での模擬戦だが隊を組むでの連携を訓練する模擬戦だ。急で悪いが明日までに組んでくれ。最大6人で頼むぞ。」
ここは普通の高校ではない。そのため、グループを組むとなったら自分の所属している宗教や団体のことを考えクラスメイトと組まなくてはいけない。必然的に協力関係、従属関係の団体のメンバーで隊が構成されていく。当然、京谷は自分の従者と零の世所属の生徒と組む。
「おい、アマノ。俺らは2人だぞ」
流牙が笑いながら言ってくる。まぁ当然そうだ。無名の宗教団体所属と授業でも手を組もうとはならない。それぞれの顔があるからだ。そして、そうなると無所属の実力者である月塔と猫羽は多く声をかけられる。
アマノが椅子に座って2人を囲むようにしている集団を見ていると、中心にいる月塔と人と人との間から目があった。
「アマノ君の隊空いてる!?」
月塔が大きな声で言ってくると2人を囲んでた集団はアマノと流牙をにらめつけた。そして口々に「無名の宗教じゃなくうちにこようよ」「わけのわからないところより待遇いいよ」と馬鹿にされた。
アマノは呆れた顔をして席を立った。
「流牙ー、ホームルーム終わったから帰ろ。」
とカバンを持って教室を出ようとしたとき、後ろで踏み込んだ物音が立った。月塔がまさかの集団を飛び越えてこっちに跳躍してきた。そのまま、あろうことかアマノに突っ込んできた。
あ、めんどくさい。
アマノは思考を止めた。体は宙に浮きそのまま廊下の壁にぶつかった。
「その顔は空いてるね。よろしくねアマノ君。」
アマノが体を起こすと月塔がドヤ顔で仁王立ちしていた。
「月塔、てめぇ頭おかしいだろ。頼む相手を吹っ飛ばすか普通。」
「避けれたくせによく言うね。で、いいの?」
「わかったわかった。」
「あ、ずるい私も!」
教室で囲まれている猫羽も、言ってきた。
「わかったよ、めんどくせ。」
こうして、アマノたちは4人の隊で模擬戦に挑むことになった。
◆
ファミレス
なぜか、学校帰りに4人でファミレスに寄っている。月塔と猫羽に強引に連れ込まれたのだ。
「で、なぜファミレスに俺と流牙を連れてきた。」
「そんなのアマノ君と流牙君と仲良くなりたいからだよ。ね、日ノ夏。」
「うん!せっかく同じ隊を組むのだから仲を深めた方がいいでしょ。」
こうして、二時間ほどファミレスで話をした。
「じゃあねー、2人とも。模擬戦がんばろう!」
「楽しかったよ!閃奈と模擬戦で実力見せつけるからね。」
月塔と猫羽はそう言いアマノたちと別れた。
「2人とも話しやすいな。ちなみにアマノはどっち派?」
「しばくぞ。お前は猫羽だろ。」
「当たり、ということはアマノは月塔派ね。」
くだらない話をしながら2人も帰路に着いた。