回り始めた運命の歯車 1
「アマノ、早く行くぞ。入試遅刻するぞ」
そう言うのは幼馴染の神尾 流牙だ。
「わかってる。行くぞ」
俺は零世 アマノ15歳、一応 黒翼宗 という無名の宗教団体当主だ。いま俺たちは京都にある 南蒼塔高校 という世界でもトップレベルの呪術学校に受験に来ている。ここの受験は普通の筆記試験に加え、運動の実技、呪術の実技試験もあり3日間行われる。
そして合格発表当日、2人とも合格した。ついでにいうと俺は主席、流牙は2番だったそうだ。入学書類が届き、記入していると 1組を希望されますか という書類があった。どうやら南蒼塔では推薦入試(大規模な宗教団体の実力者が受ける)での合格者20人と俺たち一般入試での合格者10人が1組に入ることが許可され残りは実力を均等になるようクラス編成されているようだ。
「どうする、アマノ?」
「もちろん1組に入るよ。お前もはいれよ流牙」
入学式当日
クラス分けも発表された。1組は24人みたいだ。どうやら今年は世界トップレベルの宗教団体 零ノ夜の当家や日本有数の宗教団体の当家の人が推薦入試で合格したみたいで一般入試の上位10人のうち6人は辞退したみたいだ。
これだったら無名の俺たちは辞退するべきだったな
教室に入りホームルームが始まった。
「1組の担任をする、三輪 航大だ。よろしく」
とてもガタイのいい人が俺たちの担任らしい。そこからクラスメイトの自己紹介が始まった。やはり所属の宗教団体は日本有数の団体ばかりだった。
「零宮 京谷零ノ夜所属です。3年間よろしく」
きた 推薦入試トップ 零ノ夜 当家 見るからに実力が回りと違う 勝てるか
そして京谷が推薦組最後で次に一般組に順番が回ってきた。
「零世 アマノ 黒翼宗当主です。よろs」
言い終わる前に教室は大爆笑が起きた。
「どこだよそれ」 「よく1組は入ってきたな」 「不正じゃね」
俺は笑いながら「無名な宗教ですいません」といいながら自分の席に座った。流牙の自己紹介も笑いの中終わり残り二人の一般組の自己紹介が始まった。水色の髪のボブと茶髪のミディアムの女子だった。
「月塔 閃奈 無所属なので高校の間に決めようと思ってます。」
「猫羽 日ノ夏 私も同じく無所属です」
全員無所属ということに驚き、何も反応なく自己紹介が終わった。
休み時間
一般入試の女子2人は無所属ということと、かわいいということもあって勧誘をたくさん受けていた。
たいへんだな 無名の俺らはあんなめんどいこと巻き込まれないな
「零世君、君が当主って本当? あと入試トップだよね」
水色の髪の月塔 閃奈が猫羽 日ノ夏とこっちに来た。
「ちょっと、閃奈ちゃん。そんなわけわからないやつらほっておいておれらと話そうよ」
「そうよ、私たちのところのほうがいいんだから」
まわりのやつらが口々に俺らと話すのを止めてきた。
「私たち入試、私が3番、日ノ夏が4番でこの二人に負けているの。私は自分よりも強い当主がいいの」
「うちもそうやな。自分よりも弱い当主は嫌やんね。」
「そんなわけのわからない団体の奴らなんて不正だよ。俺らのほうが強いよ」
一人がそういうと
「なら試してみたら。僕も一般主席の実力見たいし君戦ってみてよ。まあ、一般組4人誰にはみんな勝てないと思うけど」
と零宮 京谷が口をはさんできた。
ふざけるなよ だるいな
教室は俺とその男子との勝負をするという雰囲気になった。