25.理由
「いやー、奏人が無事でよかったよー。何かあったらお兄さん心配しちゃう!」
「だまれ。うるさい」
廊下を二人で歩いていると学校のときのことを思い出した。移動教室とかもこんなにうるさかったな。
「だいたいお前が異世界人だったなんて知らなかったぞ」
「教えてないから当たり前じゃないか。奏人は頭が足りないのかな?」
イラッとするがいつものことなので耐性がついてしまっている。
「詳しい話は部屋で話すことにするよ。眠れると思うなよー」
相変わらず頭の上に星が出てきそうなしゃべり方をしてるな。
俺は歩を早めた。さっさと詳細を聞きたい。
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俺は部屋に戻るとベッドにダイブする。そのまま眠ろうとするが、勿論そうはさせてくれない。主にこいつが。
「ハンバーガーごっこだー。とうっ!」
そういうと光木は俺の上にダイブしてくる。あまりの衝撃にうっと声を出してしまう。
「どけよ。重い」
「えーどうしようかなー?」
「ど・け」
俺が語気を強めて言うと、おとなしく引きさがった。
「はーい。よいしょっと。」
光木は俺の上から退くと向かいのベッドに腰かける。
「さーて、お話たいむですね奏人くん。これからは黙ってお話を聞いてね?長いから。」
俺は光木に従い口を閉ざす。さて、準備をしないと。頭の整理が追いつかないからな。
「さて、すべての元凶である、君のおとうさんが異世界へ召喚されたのがはじまりでーす。」
「君のおとうさんは二つの役割で召喚されました。ひとつは言語の統一化です。二つ目は迷宮と呼ばれる底もわからないものの攻略です」
「言語の統一化はその当時、他種族の交流をしようとした各種族の長達は言語の壁に悩んでいました。それを越えるために言語翻訳の魔法を編み出しました。が、この魔法は異世界人の体質では習得が不可能でした。そこで呼ばれたのが君のおとうさん。
地球の人物はあらゆる魔法を汎用的に覚えられるからです」
「どういうことだ?当時は異世界のことは認知されていたのか?」
「そうだよ。君のおとうさんの前にも何らかの形で異世界に来た人がいたんだ。そのときに異世界があるってわかったんだ。で、その前例に倣ってというわけ」
「だから異世界人達は日本語を話していたのか」
「そう。二つ目は召還から五年で終わった」
「迷宮は攻略されたのか?」
「ああ、終わった前半部分は。50階層で終わったと思ったところで、100階層の敵が表れ、彼の大切なものを奪っていってしまった」
「それは彼の強力な魔法と娘といってもいい存在です」
「まさか...」
「そう。まさかのまさか。ノナさんがさらわれてしまった。取り返すには100階層の最後の敵を倒さないといけない」
「なんで100階層ってわかるんだ?その先があるかもしれないだろ?」
「その部分について問題ないよ。その敵がご丁寧にも説明してくれたそうだ」
「おっと。失礼少し、お花を摘みに行ってくるよ。その後に、また話すよ。」
そういうと光木は足はやに部屋を出ていってしまった。
俺に地の分の力を分けてくれー!




