20.訓練
「なんだ?クレオ。やけに乗り気じゃないか?」
俺は訓練をつけてもらうという意味がわからなかった。だって魔法ってある条件下でしか発生しないはずじゃ?訓練して発生できるものなのか?
「こいつには見所がある。初見で手加減したとはいえ私の攻撃を避けるのはそういない」
「確かに反射神経は自信ありますけど...」
「それでもまだまだ足りない」
「魔法の発生のついでで訓練をつける」
なんともありがたい話だ。異世界人に訓練をつけてもらえるなんて早々ないはずだ。
ていうか、ないか。
「おい、奏人気をつけろよ。こいつの訓練は地獄と言われているんだ。 何てったってこいつは元軍人だ。そのときのメニューを数段アップさせて独自に研究したものだからな」
...何だか急に不安になってきた。少し、少しだけ。
「奏人安心しろ。私だって本人に合わせてやるさ」
「お願いします...」
「少し移動しよう」
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俺達はさっきと同じ大きさぐらいの空間にやって来た。俺とクレオさんは対面している。ミカンは壁際に座って胡座をかいている。
壁には一定間隔で穴らしきものがついている。
「さて最初にお前に発生させる魔法を発表する。その名も【直感】だ。この魔法は初歩中の初歩の魔法だ」
「【直感】?」
「【直感】はお前の長所である反射神経を伸ばす魔法だ。【直感】は常時発動型の魔法だ」
なるほどまずは長所を伸ばすのか。だが男の子としてはド派手に攻撃的な魔法を使ってみたい。
「攻撃的な魔法はどうやったら覚えられるんですか?」
「まぁ、そう焦るな。ちゃんと攻撃魔法の発生方法も教えてやる。」
「さて、お喋りもこの辺にして早速訓練に入る」
「まず、お前には目隠ししをしてもらう」
「はい」
俺はクレオさんに目隠しを渡された
「よし、持ったな。それじゃあルールを説明する。」
「お前がさっき見た通り穴が全方位に空いている。この穴から1秒間隔で小石が出るようにしている。なおこの魔法には私の魔法が1割の威力で付与してある」
「それを避け続けろってことですか?」
「そうだ。理解が早くて助かる」
...無理だろ。正直おかしい。直感ってレベルじゃなくないか?
「クレオさん本当にこれで発生するんですか?」
「あぁ、確かだ。我が組織の上層部だけが知っている。発生方法が確立している数少ない魔法のひとつだ」
「視界に入っていないものを一定時間の中で計100回避けるという方法だ」
「時間は一時間以内だ」
1秒で1回ってことは60×60=3600ってことは36回に1回避ければいいってことか。意外と簡単なんじゃないか?
「それじゃあ頑張ってくれ。私たちは上から見ているから」
彼女はおい起きろと寝かけていたミカンを起こすとひとっとびで上にあるスペースへ飛んでいった。
「目隠しをすると始まるようにしている」
そういうと彼女は一言も喋らなくなってしまった
深呼吸をして、目隠しを付けると早速発射音が聞こえた。右に避けようとした瞬間。
「なっ!?」
俺は勢いよく後ろへ倒れてしまった。別に躓いた訳ではない。小石が当たったところから凄まじい衝撃が走ったのだ。
そんなことを考えているうちに二個三個と俺を狙ってくる。まともに立とうとしても次次とくる衝撃のせいで倒れてしまう。
(これをどうしろって言うんだ!)
俺は衝撃による痛みで顔を歪める。
(せめて当たっても倒れないようにしないと)
(そうだ!いつも通りのことをすればいいじゃないか)
俺は部活でいつもしていることを試すことにした、




