#28
大変遅くなりました。
長い上に文字の密度が3どころじゃない密っぷりです。
天井から降り注ぐ色とりどりの透明感のある、バラ窓のステンドグラス特有の鮮やかな光が身廊を包み、トリフォリウムの無い一際大きなクリアストリーはバラ窓に負けじ劣らず、しかしバラ窓のそれに比べると敢えて幾ばくか透明度の低いガラスが使われたステンドグラスは、そこからバラ窓の光を取り囲むように降り注ぐ光にピントの強弱による強調効果を与え、バラ窓の光に包まれる最奥の祭壇の主神像は、まるで彼女から発せられた神気の結晶たる『慈愛』と『規律』がこの厳粛な空間を満たしているように見えた。
僕らは件のコードレスバンジー司祭の後について、聖瑞香大聖堂の中へと案内されていた。
後ろから聞こえる「ほぅ」と言う溜息に視線だけ向ければ、悩ましげに頬に手を当てて小首を傾げるヘーリヴィーネが居た。確かにため息をつきたくなるほど、よく演出された荘厳さだった。
……因みにアレ、君だからね?まだ気付いてないのは幸いだけど。ちょっと冷や汗物だ。
まぁ、この聖瑞香大聖堂は実際、よく出来ている。
教会というのは大抵、権威と信仰を視覚的に表している。宗教画などはその最たるもので、ある特定の記号が意図的に書き込まれるそれは、その記号によって聖書の一文だったり、神代のエピソードだったりを語り継ぐ為であり、姿の見えない神々を想像で描くがゆえに、鑑賞者に勘違いや見間違いが起こらないようにという配慮だ。
たが、エールスリーべ教団が他の宗教と最も違う所は、『神』と言う存在が『ゼロの概念の近似値』では無いことだ。
実在してるからね。しかも過去形ではなく現在進行形である。
謂わば、エールスリーべ教団の主神は『限りなくゼロに近い虚数』なのではなく、実数であり整数なのである。
その為、他の宗教の様に記号によって聖者や神や救世主を示す必要がなく、神々はデザインが統一されている。
今、色とりどりの光りに包まれて佇むアプスのヘーリヴィーネ像は、どこの教会で見ても全く同じ顔をしている。まぁ、担当した彫刻家の手癖や個性によって若干の違いはあるが、詳しい者が見なければ違和感程度で済む違いしか無い。
だが、どこの教会勢力も一枚岩ではない。一見全て統一された組織に見えても、いやそうであるからこそ寧ろ権力の権化と言ってもいい。伏魔殿だ。それはエールスリーべ教団も同じ。
彼らはその一見一枚岩に見える組織の中で、自他を測り、順位付けをし、時には殺し合う。勢力の大小を図るため、一般的には賄賂を始めとした経済力や軍事力でもって他を威圧し、制圧するのだが、エールスリーべ教団に限っては少し変わっている。
自分の管轄の教会のヘーリヴィーネ像をどれだけ素敵に飾れるか、を競うのである。
冗談に聞こえるかもしれないが本当である。
何せ、彼らは『神の忠実なる下僕』なのだ。彼女の教えに背いて宗教権力を傘にきた悪どい手法で私腹を肥やしたり、妄りな暴力は禁じられている。私兵を持つ事も許されない。倫理と秩序は彼女の最も重視する要素だ。彼等は常に社会秩序と信仰の為に、将に自らの身を砕き骨を粉にして費やさねばならないのだ。
え?そんな建前どんな宗教も同じだって?
全然違う。
何せ、エールスリーべ教団の信仰する神は実在するのだから。虚数ではなく実数なのである。
だから他の宗教の様に建前と実像が乖離することはない。
そんな事をすれば罰(物理)が当たる。や、本当の所、彼女は実在するのだから当てようと思えば当てられるのだ実際。しかも、それが自身の名を担いで行われたということであれば、それこそ死ぬ程どころか消し炭も残らないような奴をブチかますだろう。
まぁ実際、へーリヴィーネはこの教団の存在は知らないはずだから、そんな事はできないだろうけど。
因みに歴史的には、何度か天罰が当たった輩も実際に存在する。教団創設初期の頃、定期的に僕達が天罰を落としていた。そりゃぁもう派手に消し炭にしてやったさ。ヘーリヴィーネは自分が天罰を落とした事になっている事実すら知らないけどね。
そんな実績があるから、彼らエールスリーべ教団の聖職者達は私腹を肥やさないし、人格的善者しか教団中枢へ昇格しない。そういう風に僕達が創った。
ホント大変だったんだよ。へーリヴィーネにバレないように彼女の宗教創るの。まぁ、主神が自身を信奉する宗教を創ったのなら、それは単なる独裁でホントの意味での神権政治になってしまう。だから、意図的に彼女の預かり知らぬ所でこのエールスリーべ教団を立ち上げさせた。もう随分、それこそ千年以上前の話だ。まぁ、ちょっとした事件の折にその土壌を創ったのは彼女だったから、丁度良いってんで地上世界の社会秩序維持の為に僕達で煽ったんだけど。煽りまくったんだけど。
まー、その結果僕も副神として祀られてたりするわけだけど、結果的に最初に地上世界の秩序安定策としてこの案出した首謀者が一切表に出てきてないのはちょっと納得いかないんだけどね。実際、世界各地に有る自分の彫刻見るのは恥ずかしいものだ。しかも僕のに限って言えば色々な要素が混ざって良くわからないキメラになってるし、ヘーリヴィーネの像に比べれば扱いはぞんざいなものである。
それはさておき、だからエールスリーべ教団では聖職者は皆本当に清貧。だけど、そんな組織が立ち行く訳がないし、基本へーリヴィーネはエールスリーべ教団の存在すら気にも止めてなかったから――僕達が意図的に隠蔽したってのも有るし、彼女の興味は長く天上世界の安定に注がれていた。それが間接的に地上世界の安定につながるからね――エールスリーべ教団の聖職者達がへーリヴィーネに接する事は無かった為――勿論、接触する手段なんて用意しているわけないし、積極的に僕等が妨害したからね――彼らはどんぐりの背比べをせざるを得なくなってしまったのだ。
そんな自身の信奉する神に序列付けしてもらうこともできなかった彼等は、その内教団内部で影響力を持つために、聖職者としての実績はもちろん、自身の教会のヘーリヴィーネ像の素敵さで信仰の深さを表す様になってしまったのだ。いつの間にか。
うーんこれは僕達も予想外だったよ。肝心の首謀者は笑い転げてたけど。
まぁ、誰しも自分の好きなアイドルのフィギュアは綺麗に飾っておきたいよね。綺麗に飾れれば飾っただけ、そのアイドルを深く敬愛してる、と言う風に考えても不思議じゃない。
……僕達もこの方向性が芽吹くとは思ってなかったんだよ。
で、そんな感じに面白おかしくねじれ曲がったエールスリーべ教団の教会は大抵寒気がする位、荘厳である。
だが、その中でもこの聖瑞香大聖堂はかなりというか、流石グレンコア大陸の中でも大国に分類される国の首都に建てられた聖堂だけあって、正直僕が今まで見てきた各地の教会と比べても息を呑むほどの美しさがあった。この自然光だけで映し出される様々な象徴の数々、一つ一つはそれぞれ独立したものだったが、規則正しく配されて太陽の動きに応じて次第に角度や位置が変わっていくソレは、エールスリーべ教団の教義を象徴的に表している。コレ、多分朝と昼と夕方で映ってる象徴の模様はそれぞれ全く違う種類、位置、意味になっているはずだ。どんだけ金掛かってんだこの聖堂。これ多分、夏至と冬至でも映る内容が違いそうだ。
多分、聖堂が建つ位置や方角まで計算されてるぞこれ。区画整備にどれだけかけたのか、いや、ウンターデンアイヒェの様子を見るに、最初にこの聖堂を建立してそれから周りの建物を立てたのかもしれない。
どちらにせよ金銭以上の色々な資材要素を費やし過ぎている。将にプライスレス。
そんな、この世の物とも思えない様な聖堂の中を、あのコードレスバンジー五体投地して来た主教のご老人に連れられて僕らは歩いていく。
気が重い。
だってそうだろう?
これからこんな基地外みたいなリソースの使い方をしてる狂信者のお願いを聞かなきゃいけないんだよ?
や、まぁ、寸分も願いを叶える気は無い。
お話だけ聞いて、にっこり笑って「頑張ってください」と告げて逃げるだけだ。
ケチとか言うなよ。ここで願いを叶えてしまったらヘーリヴィーネも僕も世界中のエールスリーべ教団信徒や困窮者の願いを叶えて回らなくてはならなくなる。
だって、他の宗教と違ってエールスリーべ教団の神様は実数なんだもの。
そんなの不可能だし、それでは宗教の意味がない。
宗教の機能とは、人々の自発的な発展を促すことだ。万能の願望機を作ることではない。存在すれども関与せず、これが大事なのだ。
その為には、人々の願いを叶えてはいけないのだ。敢えて。
「美しい礼拝堂ですね」
丁度、アプスに辿り着き、祭壇に鎮座するヘーリヴィーネ像から柔らかな色光が降り注ぐ中で立ち止まると、本物の方のヘーリヴィーネを背に隠すようにして主教殿に声を掛ける。
この聖堂には、僕達以外誰もいなかった。
先程、主教殿に侍っていた若い聖職者達は、其処がまるで聖域であるかのように聖堂の入り口で中に入ることを忌避した。
嫌な予感しかしない。人払いまでしてする話なんて碌なもんじゃない。
「本日は、手前共の勝手に拠り主上の御幸行を留める事となり、誠にあい申し訳ありませぬ」
そう言って、主教殿はまた両手を地に着ける。
「主教様、我々はただの旅人です。勘違いをなさいませぬよう、くれぐれも、お願いします」
僕は、自身の発した言葉に、少しだけオドを乗せる。
僕の声音が届いた途端、主教殿がビクリと身震いをした。
テメェ、僕たちゃ公式にはここには居ないんだよ。解ってんだろうなぁ?言葉選べよ?って副音声が聞こえていることを祈りたい。
へーリヴィーネに彼女を主神とした宗教が有ることを知られるのは非常にマズイのだ。
宗教のあり方という側面もあるけど、それ以上に隠れて面白可笑しく自身を祭り上げていた輩を彼女が許すはずがない。具体的には主に僕を!
僕この件に関して面白可笑しかった事一度も無かったと言うか、苦労話しかないんだけど!一番面白可笑しそうにしてた御仁は既に大いなる円環に旅立って久しい。勝ち逃げズルい!
「シュテーア主教の行いをお許しください。彼は、小官の意向で動いたのです」
主教殿が尚一層、平伏して地に額を擦りつけたのと同時、身廊から伸びる幾つかの袖廊に続く扉の内の一つが、重厚な音とともにその扉を開いた。
このコードレスバンジー主教、シュテーアって言うらしい。クソどうでもいいけど。
僕達がシュテーア主教殿から視線を上げると、そこには最上級の軍礼装を身に纏った、壮年と言うにはまだまだ若い一人の男が袖廊から出てきたところだった。
僕は内心で舌打ちする。
アイツ、皇太子やんけ!
「まずは名乗る栄誉を我が身にお与えください」
そう言って男は僕等から数歩離れた位置で跪いて頭を垂れようとする。だから彼よりも先に僕は素早く膝を付いて言った。
「これは、アウグスト・ヴィルヘルム皇太子殿下、御拝謁に際し、恐悦至極」
同時にチャントでは『我々はただの旅人だ。いいね?』と発信する。同時にかなり強めにオドを発して威圧しておく。
ヘーリヴィーネの不審そうな視線が背中に刺さるがこの際無視だ。
『……アッハイ』
一瞬だけ驚愕と困惑の視線をコチラに向け、僕の表情を見てゴクリと喉を鳴らしたテルミナトル帝国皇太子、アウグスト・ヴィルヘルム君は、膝をつこうとする途中、少し腰を落とした態勢で固まりつつも、僕の飛ばしたチャントを正確に受信したようだった。
流石、自身も箒に跨ってチャンバラするだけある。きちんとチャントが使える様だ。素晴らしい。
『もし、これ以上、下手なことを言ったら、解るよね?』
『……エッ?……アッ……ハイ……』
口角だけ釣り上げて微笑ながらチャントで念を押すと、アウグスト・ヴィルヘルム君は小さく震えながら了解を示してくれた。命拾いしたね。
「まさかこのような所で殿下にお声がけ頂けるとは思っても見ませんでした。恐縮の極みです」
当たり障りのない言葉を交わしながら、アウグスト・ヴィルヘルム君に先を促す。勿論、本題の方はチャントで、だ。
最初は戸惑ったアウグスト・ヴィルヘルム君も、さすが一国の皇太子。すぐに僕の腹芸に合わせ始めた。
「あー……済み……済まない。知り合いに似ていたので、シュテーア主教に招くように私が言ったのだ。だが勘違いだったようだ。だがどうかな、これも何かの縁。ニールギーリンを淹れさせているのだ。少し付き合ってはもらえないか?」
僕達を伴って――僕はへーリヴィーネの胡乱げな視線を伴って――アウグスト・ヴィルヘルム君は自身が入ってきた袖廊へと僕達を誘う。
『ちょっと!お茶なんてしている場合ではないでしょう!』
チャントで抗議するへーリヴィーネを宥めつつ、僕達は袖廊から続く通路の先にあった茶室へと通される。
『我が国の置かれた状況はご存知でしょうか?』
茶室の上座に腰を下ろした――最初に下座に座ろうとしたので僕がチャントで上座に座るよう促したのだ――アウグスト・ヴィルヘルム君は、窓から見える教会の庭園の景色の素晴らしさなどを語りながら、そう切り出した。
『いくらかは、ね。あまりポンポン戦争をするものではない、と思うよ』
『お恥ずかしい限り。ですが、我々も戦争を好む野蛮人ではありません。しかし状況がそれを許さないのです』
テルミナトル帝国はここの所、というかここ百年程で大きな戦争を幾つも経験している。
最初は寄合所帯だったエルメリア連邦を帝政へと変革する戦争。これは元々百年近く、小規模な戦争をチマチマとやっていた。そしてその後はキャール王国とクロクット首長国を糾合した戦争。彼らの中では祖国回復戦争なんて呼んでいるそれ。そして、今将に祖国回復戦争でお隣さんになったラサントス藩邦国と戦争になろうとしている。あぁ、大メイザール王国もちょっかい出しているんだっけ。
テルミナトル帝国の歴史は、時期によって大分緩急が激しい。創建はいつ頃だったかな。多分僕等が『帝国』を興して二百年くらい経った頃には諸都市国家が安全保障と経済圏の確保の為に連邦を形作っていた筈だ。
それから数百年は構成する諸邦の合併糾合分裂脱退加盟ナドナドはあれど、あまり大きな変化はなかったと思う。
その後の数百年も首長を選ぶ選挙が合議制から投票制になったり、投票権を持つ家系が固定されてきたり、とあまり大きな変化はなかった。
大きな変化が起こったのは今から二百年くらい前かな?
現在の帝家、ターミナトル家が力を持ち始めて、何期か連続で首長に選出されるようになった。まぁ、選挙とはいえ、民主的な普通選挙じゃないからね。場外乱闘が選挙の結果を左右するとなれば、家勢が物を言う。そういう意味ではターミナトル家は上手くやったと言える。
それに外部的な要因も大きかった。
当時、国境を広く接していたキャール王国と言う国家は元々エルメリア連邦で活動していた傭兵団が興した国だ。
商売とは物流の事であり、当時は物流には護衛としての傭兵団が付き物。傭兵団は商家の雇われで、彼等からは一段低く見られていた嫌いがあった。
都市国家同士の小競り合いも基本的に傭兵団を使ってやっていた時代だったのだが、彼等は扱いがあまり良くない事に段々と不満を抱き、そのうち騎士道精神なんかと変な具合に化学反応して――得てして、持ってないものには憧れがあるものだよね人間って――エルメリア連邦の内陸側外縁部の都市で建国してしまった。そこにあった幾つかの都市国家を制圧して。
勿論エルメリア連邦は猛抗議。なんとかその都市国家を回復しようとするけど、キャール王国に大多数の傭兵団が参加しちゃってたから、奪還しようにも武力的に出来ない。
一方、キャール王国は戦力はあれど、元は傭兵団の集まり。物資の生産や調達、更には行政のノウハウが無くて国土が荒れた。
で、キャール王国はなんか飢饉等の対応に失敗する度――と言うか、キャール王国の基本方針は食糧難になったら国境線に兵隊を並べる、だった――に戦争する構えを見せて、物資をエルメリア連邦から強請ったりして急場をしのいだりしていた。ラサントス藩邦国にもちょっかいかけたりしていた様だし。
ただ、ラサントス藩邦国は元々グレンコア大陸中部の比較的大きな国だったし、元々商売っ気じゃ右に出る者は居ないエルメリア連邦の商圏がラサントス藩邦国にかなり強く経済的影響を与えていたから、ラサントス藩邦国としては経済的な理由からキャール王国は丁度いい防波堤だったのかもしれない。
同時期にエルメリア連邦で負け組になった都市国家が寄り集まって創った北側のクロクット首長国と合わせて、彼等を裏で支援していた。ある意味で継続的な代理戦争をして人為的な戦時特需で経済を回していた。
で、商圏は狭まるわ、ラサントス藩邦国はなんか冷たいわ、裏切り者は新国家創って強請ってくるし、と散々なエルメリア連邦の中で危機感を覚えた一派がエルメリア連邦を帝政へと変革する。
そう。ターミナトル家とそのお仲間だ。まぁ、実際は、外敵に対抗する、と言う大義名分の下、全都市国家を制圧しただけなんたけど。
そしてターミナトル家を旗頭に周辺国家の外圧を国力隆盛によって跳ね除けようと、色々頑張ったわけだ。この頃はまだエルメリア連邦名乗ってたけどね。
元々、商人の集まりだったから武器揃えたり大陸中から天上世界の道具買い漁ったり、と札束でビンタして技術的・軍事的試行錯誤をドンドン積み上げて、周辺国家に対する態度がドンドン硬化してゆく。
危機感を覚えるキャール王国とクロクット首長国。キャール王国はエルメリア連邦が物資を融通してくれなくなってしまったので、ラサントス藩邦国からの支援に頼らざるを得ないが、ラサントス藩邦国だってタダの盾役に鱈腹食わせる程余裕があるわけではない。
むしろかつてのエルメリア連邦が傭兵団にしたような扱いでキャール王国やクロクット首長国に接したし、むしろ単なる植民地市場としかラサントス藩邦国は彼等を見ていなかった。
クロクット首長国は元々エルメリア連邦の底辺に居た都市国家群が一旗揚げるために立てた国なのに、やっぱり底辺都市国家が集まってもエルメリア連邦の商圏に圧されてうだつが上がらない。寧ろ、面積的にもそんなに広くないクロクット首長国は農産物等を取り扱う場合、面積も広く穀倉庫を抱えているエルメリア連邦に対して、どうしても一段劣ってしまうのだ。
そんなクロクット首長国とキャール王国は段々と接近していく。
そんな中で、遂にエルメリア連邦が連邦制を廃して中央集権的テルミナトル帝国に変貌した。
テルミナトル帝国は統合の際のゴタゴタで生じた混乱を何とかするべく、急速にナショナリズムに傾倒。元々、統合の根底にあったのが外敵への対抗策としてであった事もあり、スンナリ右傾化しましたとさ。
「クロクット首長国とキャール王国の国土は元々エルメリア連邦であった。ラサントス藩邦国の暗躍によって失われた地はテルミナトル帝国に回帰すべきである」なんて声高に叫ぶ社会になってしまった。
いや、ターミナトル家が帝国化に伴う様々な弊害から周囲の目を逸らすため、と言うある意味で必然の行動とも言えた。そもそも、言ってる事は間違ってないしね。
そして、遂にクロクット首長国とテルミナトル帝国の戦端が開く。
まー、何でキャール王国じゃ無かったのかって言うと、僕の考えでは軍事的に強いキャール王国を最初に相手にするより軍事的には劣ってるクロクット首長国で肩慣らししようとテルミナトル帝国が調整したんだろうと思うよ。
で、キャール王国がその戦争に速攻参戦――確か、盟約に従い〜とか言ってた気がする――して、キャール王国とは次にヤるつもりだったのに二国同時に相手しなくちゃいけなくなって焦るテルミナトル帝国がわーきゃーやって、結局テルミナトル帝国が勝ちましたとさ、と言うのが簡単なこの国の歴史だ。国力的には割と余裕っぽかったけど。
キャール王国とクロクット首長国の民はこの敗戦に対してどう反応したかと言うと、どうも反応しなかった。
単に支配層がすげ変わっただけ。キャール王国もクロクット首長国もまだまだ神権政治に近い体制だったから仕方ないね。特にキャール王国とか神権政治そのものだったし。神に選ばれし円陣の騎士がウンチャラカンチャラとか言うそんな感じの。
まぁ、そうは言ってもテルミナトル帝国もまだまだ似たようなものなんだけど、彼等の方は国力隆盛のために教育勅令とか発してそれなりに気を使ってたせいもあって、まだまだ国民国家とは言えなくとも、それなりにナショナリズムは育っていた。帝家の人気も高かったし。
テルミナトル帝国は議会もあるし、憲法に相当する『大規約』という法律もある。まぁ、まだ皇帝権が強過ぎるキライはあるし、議会構成員の議席が一般には開かれていないから、社会としてはまだ閉じた社会なのだが、それでも一応形としては立憲君主制を採っている。
戦争に強い国家の条件とは、兵士に戦略的な当事者意識があるかどうか、そして、組織最末端の構成員が自発的思考力を発揮する土壌、つまり初等でも教育を受けたことがあるか。この2つが重要な要素となる。
テルミナトル帝国は教育機関を一般に公開して――教育とは為政者にとって見れば、諸刃の剣である――更には国民に対するプロパガンダを使った危機意識の醸成、ナドナド、用意周到に準備を進めていた。
まだまだ戦争に軍隊という名のほぼ傭兵を使ったりしていたキャール王国とクロクット首長国が束になっても敵うはずもない。
体制としては、かなり強力な国家としてテルミナトル帝国は準地域覇権国家になりましたとさ。
ビビったのはラサントス藩邦国だ。盾が二枚一気に消滅した上に、国境線が接して――しかもほぼ全域に渡って確定してない――しまった上に、軍事的にも経済的にも強力な国家のお隣さんになってしまった。しかも、なんか自国のことを恨んでる。ヤバイね。
という事で、元々婚姻などで親交のあった大メイザール王国に泣きついた、と言うわけだった。
この辺から話がややこしくなる。
大メイザール王国は天上大陸セレスメアと非常に強い繋がりを持っている。婚姻やら叙爵やら特恵等でセレスメア市民権を持ってる人間が結構居る。しかも上手いことやった大メイザール王国の王家の中には、セレスメアの王位継承権まで持っている者もいる。と言っても継承順位は四桁に近い三桁だったと思うが。
ラサントス藩邦国から相談を受けた大メイザール王国は乗り気じゃなかった――海を隔てた大メイザール王国が動くとなれば海軍が動く必要があるし、海軍は金をバカ食いする。それなりのリターンが見込めなければ動けないけど、グレンコア大陸の北部は天上大陸レグランティスがテリトリーにしているので、近い場所に植民地や租借地が得られるとは思えなかったからだ――のだが、その話を奏上したらセレスメアが妙に乗り気で巨大な横車を押し始めてしまったのだ。
ちょっと脱線するけど、天上大陸は基本的に宙に浮いているが静止している訳ではなく、宙に浮く巨大な大陸というよりは、空飛ぶ軍事要塞と言ったほうが良い。天上大陸単体でもそれなりに自活できるが、完全戦闘状態を維持する為には地上世界の策源地で補給を繰り返さなければならない。勿論、すべての物資が一箇所で手に入ればよいのだが、それは無理な相談だ。
そこで、彼等はそれぞれの土地を定期的に回って必要な物資を補給して回っている。地上世界にとっては天上大陸との交易というわけだ。
天上大陸が移動できる範囲は『帝国』の認可で決まるが、現在では『帝国』の航路認可は殆ど各天上大陸の意見を取りまとめたものとなっている。
詰まるところ、天上大陸間で話が付けば『帝国』は認可を出す、と言う訳だ。や、帝国法上は一方的に『帝国』が天上大陸の航路を決めることは可能なのだが、今の皇帝にそこ迄の力は無いのが実情なのだ。今の『帝国』は天上大陸の利益調整機構が主な役目だからね。
そうすると、まず始まるのは天上大陸間の鍔迫り合いなのだが、直接軍事的衝突をしようものならそれこそ世界の半分が焦土になりかねない。それにそんな事になったら、間違い無く星征艦隊が介入する。
星征艦隊は『帝国』の指揮権が及ばない独立戦力だ。主なお仕事は『ILshnEDE』の殲滅。彼女達はその名の通り、外宇宙の外敵に対する防人なのだが、この惑星の衛星軌道上に複数の拠点を持っているし、資源の一部もこの惑星上から調達しているから、世界の半分が焦土になるのは勿論困るし、一応彼女達は「人の隣人」としての立場を崩すつもりは今の所は無いらしい。まぁ、言ってみれば古くからの友人たちの子孫に対する御義理の様な物で、この世界の秩序は守られている。嘆かわしいね。
そうすると、天上大陸同士は直接戦争は出来ないから、地上世界を使った搦め手で勢力争いをすることになった。
天上大陸も物資が沢山あればそれだけ経済を回せるし、他の天上大陸が豊かになって行くのを指を咥えて見ている訳はない。でも勝手に地上に線を引いて世界を分け合うわけにも行かない。帝国法では『天上大陸は地上世界の好意によってのみ地上世界から物資を得ることができる』と規定されており、強引な収奪は出来ないのだ。昔、裏で天上大陸同士が密約して勝手に線を引いたこともあったのだが、時と共にそれぞれの勢力範囲にあった地域が独立したり糾合されたり滅亡したりして虫食い状態になった挙句、空白の地域の支配権をめぐって結局は戦争状態に陥って、星征艦隊の衛星軌道砲撃を受けてそれぞれの天上大陸に巨大なクレーターを作った、なんて事もあった。
その為、地上世界には空白の地域がいくつもあると言うか、今現在も大部分がそうだし、下手に手を出すと他の天上大陸が口を出してくるから、互いに牽制しあって現状では天上大陸は下手に地上世界には手が出せなくなっている。
だから、今回そんな新たな策源地を手に入れられる機会にセレスメアは飛びついた、と言う訳だった。
堪ったものじゃないのがテルミナトル帝国だ。安全保障上の脅威を取り除いただけなのに、別の大陸の強力な国家が出張って来たのだ。理不尽を感じたのは当然であろう。
多分、その内何処かの天上大陸からお声が掛かったりもするんだろうけど、天上大陸は今はまだ利益調整中の段階の様子。セレスメアは天上大陸間の話が着く前に既成事実を作りたいのだと思う。傘下の地上国家が間接的とは言え当事者になったことで、セレスメアはこの問題に即座に介入できるが、他の天上大陸はまずはその理由探しからしなければならない。スタートダッシュをバッチリ決めて、他の天上大陸が走りだす前に紛争を集結させて、ラサントス藩邦国は自陣勢力下に、テルミナトル帝国はラサントス藩邦国と大メイザール王国に分割統治させるなり傀儡政権作るなり租借地を設定するなりして支配下に置いてしまえばいい。
だが、ラサントス藩邦国側から攻めさせてはいけない。大義名分というのは大抵正当防衛をする場合にこそより強固になる。だから、テルミナトル帝国から開戦させるために真綿どころか荒縄で締め上げるように、大メイザール王国はかなり派手な要求をテルミナトル帝国に突きつけている。
今の所は輸入関税全撤廃、だったかな。
テルミナトル帝国はこの前の三ヶ国会議でこれを飲んだ。涙と一緒に。
確か、強くなりすぎたテルミナトル帝国の経済的圧迫に対するバランスを取るため、とか言う理由だったと思うけど、普通に考えなくても不利すぎる条約である。実際は大メイザール王国が背後霊みたいにバックに控えるセレスメアの幻影をチラ見せしながらゴリ押しただけ。
ラサントス藩邦国は国内産業が潤い、ついでに大メイザール王国産品の仲介貿易も担ってウッハウハ。大メイザール王国も世界各国の租借地やら植民地やらからの大量生産品を捌く市場が新たに見つかってハッピー。テルミナトル帝国は国外から安い製品を大量に輸入出来て消費者はハッピー。代わりに国内生産者は死ぬけど。と言う話。
今はテルミナトル帝国自体が国内の食料や繊維製品など外国からの輸入で圧されるであろう産品を大量購入しているせいで、まだ関税撤廃による影響は限定的だが、いつまで続くのか。
いや、むしろテルミナトル帝国の買い付け方は、既に戦時体制のそれと言っていい。
『やけに最近、食料やら繊維製品やら、金属やらを買い占めてるみたいだけど、近々お隣にピクニックにでも行くつもりなのかい?』
僕の言葉に、アウグスト・ヴィルヘルム君の表情がピクリと一瞬緊張した。
『何があったとしても僕達は地上世界には不介入だ。僕達が何か地上世界にするとすれば、それは地上世界の整地を思い立った時だけだと理解してくれよ。勿論、今の言葉は物理的な意味しかないからね』
口を開こうとしたアウグスト・ヴィルヘルム君の機先を制するように発した僕のチャントに、彼は押し黙った。
『僕達の支持を得て、開戦を正当化。あわよくば『帝国』に介入してもらおうなどとは考えないでほしい』
念を押す様に言った僕の言葉に、アウグスト・ヴィルヘルム君は無念そうに眉を寄せた。
『では、我々はどうすればよいのでしょう。座して死を待つしかないのでしょうか?』
いや、この国の民は死なないとは思うけどね。とっとと謝っちゃえば良い。今から手のひらを返してラサントス藩邦国に恭順を示せばいい。多分、テルミナトル帝国は近い将来何処かの属国になるし、アウグスト・ヴィルヘルム君や彼の御父上を初めとした血族は少なくとも今の地位には居られないだろうけど。
と言う喉から出かかった言葉を僕は飲み込んだ。
まぁ、それを言っちゃお終いよ、って話だね。多分アウグスト・ヴィルヘルム君は納得しないし、何としてでも僕等にお願いを聞いてもらおうとするだろう。
因みにこの教会、既に二個小隊程度で囲まれてる。
僕等が教会に入った辺りで雑踏に紛れていた兵士か邏卒かはわからないが、武装集団がウヨウヨと集まってきているのを伸ばしたオドの抵抗で僕は捉えている。百人近い人数が居るが、多分全員歩兵だ。
そうすると、僕達は彼等を蹴散らしてこの場を離れなければいけない。まぁ、ぶっちゃけ可能なのだが。
だがそれをすると、多分何も知らずに命令に従っただけの彼等は怪我どころか死人すら出すことになるだろう。僕も大人数を相手に手加減は難しいし。
彼等にも家族が居るだろうし、それが仕事と言っても少し可愛そうだ。
で、あればアウグスト・ヴィルヘルム君に何とか納得してもらうしかない。
が、彼等としては今手を打てる最善は僕等に味方してもらって何がしかの口添えを得ること。簡単には諦めないだろう。
でも僕達にはそれが出来ない。それをしてしまうと、今現在かなり微妙なバランスで機能している『帝国』が機能不全に陥る可能性があるのだ。
建国の志士なんて言われて――へーリヴィーネに至っては未だに政治と無縁ではない。国母とか呼ばれてるし――それなりに影響力もある僕達がどこかの味方をしようもんなら、我も我もと似た輩が出てくるし、明らかに『帝国』の影響で不利益を被る天上大陸が出てくる。今回の場合はセレスメアだ。
今現在の『帝国』は残念ながら建国当初の様な絶対的権力を持ち合わせていない。初代を除いて歴代の皇帝がそれまでは帝国の指揮下にはなくとも、良き隣人として帝国の運営を手助けしてくれていた征星艦隊を利用して、アレやコレやと企んだお陰で彼女達の信頼を絶対的に失ってしまって久しいのだ。彼女達にとって『帝国』は今や信用ならない存在になってしまっている。唆されて何をさせられるか知れたもんじゃない、って感じ。
『帝国』も一つや二つの天上大陸とならばやり合うだけの戦力は今も何とか維持しているが、世界中を相手に出来るほどではない。
そんな軍事的優位性を持たない帝国は、今現在どんな事態に対しても『何もしない』と言う行動指針の下、『何処にも干渉しない』と言う天上大陸の安心感から勝ち得た『権威』の下に、絶妙なバランスを保ちつつ利益調整機関として存在しているだけなのだ。
それを僕達の一言でぶち壊すわけにも行かない。
参ったねーこりゃこりゃ。
『先日、我が国が関税の撤廃に応じたのはご存知でしょう。しかし、さらにラサントスは我が国に祖国回復戦争前までの領土に復帰する事、旧クロクット首長国、キャール王国領を共同統治とする様要求しております。ですが元々は旧クロクット・キャール両地域は我が国固有の領土でした。それに、ラサントスの提示する国境線は本来の両国国境線から60オクスも東に迫り出しているのです。明らかな領土割譲要求にほかなりません。しかもメイザールは我が国とラサントスの共同統治地域の監視のためにと抜かして、我が国最大の港街であるゼールヴッフェの永久租借を要求する始末。戦争を回避しようにも、この様な条件を呑めるわけがありません。戦争を起こそうとしているのは彼の国々なのです』
と言うアウグスト・ヴィルヘルム君の苦々しい言葉。
まぁ、そりゃ飲めない。ちなみにゼールヴッフェと言うのは大河ネッカー川の河口、テルミナトル帝国最大の軍港にして河川防衛の要。ここを租借するということはネッカー川の中流域に位置する帝都ヴィルへリンブルクまでの直通路を明け渡すのと同じだ。多分、セレスメアの要望だろう。
だけどその言葉に僕は頷かない。
何故なら、それはテルミナトル帝国と言う『体制の理由』だからだ。
民衆の立場からすれば、帝国の頭がすげ変わったところで何も変わらないのだ。その為に命を賭して戦争するなんて馬鹿げている。勿論、だからといって大国の覇権主義を肯定するわけではないけれど、僕達がテルミナトル帝国に何かしてあげる理由とはなり得ない。
まぁ、テルミナトル帝国執政部もこの『御国の理由』を『国民の理由』にしようと、せっせとナショナリズムの醸成には余念が無いようだけど。
『ねぇ、ちょっと』
と、そこで隣りに座るヘーリヴィーネからのチャント。
『あぁ、すまないね。もう少し我慢しておくれ』
視線を左に動かせば、焦れたようなジト目でこちらを見つめる二つの美しい瞳。
あぁ、本当癖になりそう。
『何を、話して、いるの、かしら?』
ヴェールの奥で、すぃと窄められるアウイナイトの様な相貌。
うーん。癖に……じゃない。マズイ。ヘーリヴィーネはかなりご立腹の様だ。なんとかアウグスト・ヴィルヘルム君を納得させてこの場を離れないと。
『ちょっとした世間話だよ。もう終わるからほんの少しだけ待ってくれないかい?』
『チャントで?世間話?嘘おっしゃい』
『いやいや、ちょっとあまり大っぴらにできない類の話ってだけさ。大した話じゃないよ本当に』
そう言って視線をアウグスト・ヴィルヘルム君に戻し、どうこの場を上手く離れるかに思考を巡らせる。
『おおっぴらにできない話をなんで貴方としているの?知り合いなの?』
『いやいや、今日初対面だよ。何でだろうねははは』
『ねぇ、私に何か隠し事をしているのではなくて?』
『や、ヤダナァ。僕達の間に隠し事なんて、あるわけ無いじゃないか!っていうか、チャントもしてないからね?』
『ねぇ、祭壇の女神像、なんかちょっと私に似てなかった?』
『ッ!?にににに似てないよ。て言うか、彫刻では君の美しさを万分の一も表現できないさ。似ているわけがない!』
『ふーん』
僕は努めてヘーリヴィーネを見ない。
ヤバイ。どうしよう。彼女にすべて話すわけには行かない。主に僕達が彼女を勝手に祀ってた事とか!
考えろ。考えるんだ。もういっそ悪意ある精神攻撃で王子様黙らせちゃえば良くね?
とか、考えた時だった。
それまで一方的に季節の話題や庭の造形や最近流行りのオペラの話をしながら、チャントでは延々と自国の正当性とラサントスとメイザールの悪逆非道っぷりを訴えていたアウグスト・ヴィルヘルム君の視線が、唐突に僕の左側に移動したかと思うと、まるで水面に顔を出した鯉のようにポカンと口を開いたまま停止した。
彼の隣に座していたシュテーア主教は驚愕に背を反らせて椅子ごと引っくり返りそう。
慌てて左を振り返った僕の目に飛び込んできたのは、給仕が持っていたのであろう青磁の水差しを振りかぶったヘーリヴィーネだった。
水差しを持っていたのであろうシンプルなデザインの給仕服を着た可愛らしい少女が腰を抜かして床にへたり込んでいる。
って!
チョッチョッちょっと待って!
そんなんで殴ったら僕の頭が浜辺の西瓜みたいにパッカーンしちゃう!僕のドタマが!
論理防御術式展開――って、あ?割込術式?!
ちょっおまっ!防御術式キャンセルされた!!!
なんで?!?!
いつの間にマインドハックなんてしてたの!!???
気付かなかった!!!!
ってか、真逆最初から全部僕達の話とか僕の思考とか読んで……アッーーーーーーーーーーー!!!!
(何かが割れる音)
マダツヅキマス……。
港湾都市ホバッケン→ゼールヴッフェ
に変更しています。
……更新が遅いので自分が何書いたか覚えてないマン。




