残光幻夜
世闇に沈んだ部屋の中。液晶画面から溢れる笑い声。
幸せそうに笑う彼女と、口々に彼女を祝う列席者。
「一緒に幸せになりましょう」と彼女が口にする。僕はそれに微笑みで答え、腕に抱いた彼女を見下ろす。
人形のような白く美しい肌に、紅色がよく映えている。
机に置かれた手紙、『貴方も幸せに』という文が目に留まり、「君さえいてくれれば、それだけで僕は幸せさ」と彼女へ囁きかける。
なぜか溢れた涙が彼女を彩る紅を滲ませた。
いつのまにか再生を終えた画面の残光に晒されながら、彼女の存在を噛み締める。終わりが訪れるまでいつまでも、二人きりの幸せに浸り続けた。
クローバーフィールドの冒頭パーティー風景観てたらなんとなく着想。
結局ぼやーっとしたイメージのまま今に至る