プロローグ
【配役】
村人6、人狼4、共有2、猫又1、占い1、霊能1、狩人1、狂人1、妖狐1 (計18人)
【参加者】
いのり イレーネ キッカ くおん グラシア サイレス 五月雨 小世璃 シュベル ドロシア メイシア 雛菊 ベルタ モエギ ヤシャルト ラグス リオン 初日犠牲者
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「う……」
不快感に目を覚ますと、ひんやりとした大理石の上に横たわっていた。ここは、どこだ?どうしてこんな所に?
しばらくすると頭も覚醒してきて、ここが俺の住んでいた国には存在しないような奇妙な建物の中、という事だけは理解できた。ここに来る前には何をしていたか。確か、いつものように朝目が覚めて。布団から起き上がると枕元に変な手紙があったのは覚えている。黒い封筒の手紙。そこには俺の名前が書いてあった。中には手紙と小さなカードが入っていた気がする。
―――おめでとう。お前は今回の“人狼ゲーム”の参加者に選ばれた。
もしかしてあの手紙に何か細工がしてあったのか?だからこんな場所に……
「くそ!何がおめでとうだ。こんな訳わかんねぇ所に連れてこられて」
勢いよく起き上がって辺りを見渡すと、ここが洋風の屋敷の一室であることがわかる。部屋の中央には白い大理石の円卓と18個の椅子が並んでいる。部屋を囲む4つの壁にはそれぞれ何個か扉が付いていた。
更に見回すと知り合いの姿もあったし、全く知らない奴の姿もあった。なるほどな、コイツらもこのゲームとやらに選ばれてここに連れてこられたってわけか。この感じだと俺が一番最初に目が覚めたみたいだな。先にいろいろ調べとくか。
部屋中央の円卓の上に何か紙が置いてある。外に出るためのヒントかもしれない。紙に手をかけて読もうとすると、近くで他の何人かも目覚める気配がしたので、とりあえず紙を置いて顔見知りの所に向かった。
「おいモエギ、大丈夫か?」
「うん、…って、リオン?!なんでここに?!てか、ここ…どこ?」
「わからない。けど、ここが俺らの元居た国じゃないって事は確かだ。そして、俺達と同じ状況の奴らが沢山いることも。」
「そんな…どうして」
しばらくして全員が目覚めると、必然的に全員の目が中央の円卓の上の紙へと向いた。
【リアル人狼ゲーム】
お前達は幸運にもこのリアル人狼ゲームに選ばれた。
これから書くルールに従い、ゲームを行ってもらう。
・この18人の中に占い師が1人、霊能者が1人、狩人が1人、猫又が1人、共有者が2人、村人が6人。狂人が1人、人狼が4人。狐が1人居る。
・それぞれの役職の能力については部屋に本が置いてあるからそこで確認してくれ。
・朝8時〜21時の間に話し合って投票し、1人処刑
・処刑は此方で行うのでお前たちは投票だけ行ってくれ
・夜のアクション(村陣営)の時間は22時〜24時
・夜のアクション(人狼陣営)の時間は1時〜3時
・夜のアクションを時間内にやらなければ死亡
・夜のアクション内に不正に部屋から出たら死亡
・仲間以外の他人の役職を見たら死亡
・この建物から脱出しようとしたら死亡
・人狼、役職持ちは決めた相手を変更してはならない
・生き残れるのは最後まで生き残った人の中の勝利チームのみ
朝食、昼食、夕食は各部屋に用意する。それではまず、もうすぐに死ぬ仲間との別れを惜しみ、自分が渡されたカードの役職の夜のアクションを時間内にやるように。役職カードは各自のポケットにもう入っているはずだ。
お前達の健闘を祈る。
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1人としてすぐに状況を理解出来る者はいなかったが、しばらくの沈黙の後、一人の男が口を開いた。
「と、言う訳らしい。人狼ゲームとやらに勝てなければ死ぬ…か。」
「死………」
「大丈夫さ、小世璃。何とかなる。」
まだそいつ自身も理解出来ていないというような様子で、静かに告げた。そして次の瞬間、
「そんなの信じられるかよ!ここでお前らと殺し合う?冗談じゃねぇ。俺は抜けるぞ」
そう言って一人は部屋の窓に駆け出した。バンッという大きな音に一瞬怯み、音のした方に顔を向けると、笑みを浮かべた男が机に手を置いていた。
「シュベル、それは得策じゃないだろ。ルールに脱出したら死ぬって書いてある。キッカを残して死ぬ気か?」
シュベルと呼ばれた男は胸ぐらに掴みかかり、酷く荒ぶった声で叫んだ。
「ヤシャ!お前はそんなバカみてぇな話、信じ「信じる信じないじゃなく、もし万が一この部屋出ようとしたお前が死んだらどうするんだ。生きたくないの?」
チッと舌打ちをして部屋を出ることを留まったシュベルはヤシャと呼ばれた男の近くの椅子に腰を下ろした。
「……腕輪が。」
「ん?どうしたんだ?くおん?」
「今気付いたんだけど、これ。ここに来てつけられたのかもしれないわ。」
「ああ、そうかもしれないな。これに何か仕掛けがあるのかな?そこの人が外に出ようとした時、一瞬だけ赤いランプが光ったような気がしたんだけど。」
「おい。まさか、ルール違反をしたらこいつが爆発したりすんのか?」
「……縁起でもないことを言わないでくれ。」
「爆発とか冗談じゃないわ。」
「まぁ、この夜のアクションとやらが終われば、本当なのか遊びなのか分かるんじゃないですか?とりあえず、皆さん一旦落ち着きましょう?」
静かに手紙を眺めていた白衣の女が宥めるような口調でそう言うと、各々やっと今の状況を理解出来てきたと言う様子で、ぽつぽつと発言をしていく。
「と、とりあえず、その役職カードを確認しませんか?他人のを見たらルール違反らしいので、慎重に。シュベル、怖がらなくていいからね?」
「怖がってねぇよ!お前の方が震えてるだろ………」
「………震えてなんかないよ。」
「私のカードはどれかしらぁ?」
「これじゃない?アンタの。私のはー………っと」
※※※
「全員、役職カードは確認し終えたか?それで…夜のアクションまでの時間は各自、自由と言うことでいいな?」
提案するように言うと、誰ともなく頷き、ぽつぽつと人が消えていった。それを確認して俺も部屋に向かう。
“共有者” そう書かれたカードをドアにかざして中に入る。昔、自警団で人狼ゲームをやったことがある。その時も確か俺は共有者を引いた。あの時の相方はスピラだったな。俺とアイツは意見は合わなかったが、最後には分かり合えて勝利できた。
あの時はスピラに任せっきりだったが、今回は命がかかってる。相方と協力して全員が助かる方法を考えなきゃいけない。
「来ましたね。お待ちしていましたよ。」
「…あ?」
「さぁ、そこに座って。紅茶でも飲みながら、今後の方針について話し合いましょうか?全員でここを脱出するなど不可能なのですから、なるべく多くの人を、僕たち村人陣営の勝利のために頑張りましょうね?」
ティーカップを片手に、掴み所のなさそうな笑顔を浮かべる共有者の相方は、これまた俺との相性が最悪そうな奴だった。
【一日目、朝】
初日犠牲者さんは無惨な姿で発見されました。




