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12月19日

 こんにちは! 今日は電車に轢かれて死んでしまいました。


 駅のホームで電車を待っていたら大声で電話をしながらタバコを吸っているおじさんが隣に立ちました。

 駅構内は禁煙ですしその時間は大変混雑していたので周りの人はみんな迷惑そうな顔をしていました。

 しばらくすると一人の若い男の人が「おい、周りの迷惑だからやめろよ」と注意してくれました。


 しかしおじさんは「ああん!? 俺のどこが迷惑だってんだよ言ってみろよオラアアア!」と若い男の人に殴り掛かりました。

 それをきっかけに「そうだ! タバコ吸って何が迷惑なんだ! 嫌煙野郎はぶっ殺してやらアアアア!」と周りの喫煙家の人が加わり、「てめえらのニコチン臭さにはうんざりなんだよヤニヤニパニックがよオオオオオオ!」と嫌煙家の人も加わって大乱闘シガレットブラザーズが始まりました。


 そこまでは良かったのですが私はちょうど電車がホームへ進入してきた際に嫌煙家の紫パーマおばさんの肘打ちを喰らい線路へと落下してしまいました。

 あとはお察しの通り俗にいう『全身を強く打って死亡』ということになりました。


 今日の死神さんはいつもの人とは別の人で「今日はたくさん死ぬはずだったんだけどなー。君がさっさと死んだおかげで仕事少なくなっちゃったよ」と愚痴っていました。

 これには私もおかんむりです。そんなの私のせいじゃありません。死神さんの鎌を奪い取って鼻フックしてやりました!


 今日の三途の川ではラーメン屋の修業をしたもののとてもまずくてライバルに負けてしまい絶望して自殺を図った女の人と積み石の監視役の鬼さんが言い争いをしていました。


「もういやだわ! どうして私ばっかりこんな目に! 私だって辛かったのに! みんなライバルの『ラーメン神力』のほうにばっかり行って! 私頑張ったのにどうしてええええええ!」

「まぁお嬢さん落ち着きなさい。とりあえずあの世へ行けるように積み石をしよう、な?」

「い゛や゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」


 どうやら生前散々だったお姉さんが年甲斐もなく駄々をこねているようでした。鬼さんもまいったなという表情です。

 でも三途の川ではこういうことって結構よくあるんです。私も10回死ぬと1回くらいはこういう場面に出くわします。

 対処に困っている鬼さんは新人さんなんでしょうね。お疲れ様です。まずは慣れてください。話はそれからです。


 といったところで今回の報告はおしまい。

 また死んだらお会いしましょう!

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