雨
ゴロゴロ
黒い雲が存在を知らせるように鳴った。
「うわ! 雨降りそう」
「ホントだー最悪」
「梅雨とかなんでくるかなー」
雨がまだ降っていなくても、梅雨となれば雨が降ることが多く、雲をみれば『またか』と思う人が多い。だが、中には雨が好き、雨が必要と思う人もいる。
ポツポツポツ
雨が降り出した。しばらくすると歌が聞こえてきた。
「あめあめ、ふれふれ、もっとふれ~」
長靴を履いて雨ガッパを着ている少女がいた。水たまりで足をバタバタしたり、とび跳ねたりしている。
バシャバシャ
少女は笑顔で遊んでいる。雨で喜ぶのは他にも雨で遊んでいる子供や田畑の苗、稲とかだろう。
少女の笑顔を見て、雨で嫌そうな顔をしている高校生もそれを見れば自分の幼いころを思い出すだろう。だけどなんであんなに笑ってたのかわからないだろう。
しかし雨を面白くないと思っていても幼いころも変わらないことがある。
長い間降っていた雨が止み、雲の隙間から漏れる補日の光が射す。
「うわ~!」
また違う笑みが出る。さっきの遊んでいた楽しさの笑顔ではなく、
嬉しい、好奇心が湧いて、いったことからくる笑顔だ。
暗い雲が覆う空で、少し出てくる日の光。それは日常にある晴れによる笑顔、雨で遊んでいるときの笑顔よりも価値のあり、多くの笑顔が見られるだろう。
久しぶりに30分書きに挑戦しました。雨をテーマにしたけど、これは小説と呼べるのかな?