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第一話 旅立ち

「ルビー様…」


「もうお別れね、フレデリック。貴方の武勇でこの国を支えてあげてちょうだい。こういう事を頼めるのはフレデリック、貴方しかいないの。だから、お願いフレデリック。どうかわかったと。」


「…わかりました、ルビー様。不肖私、ヴァシュヌ王家親衛隊総隊長フレデリック・ファルコンが確かに(うけたまわ)りました。」


「ありがとう。」



ふわりと笑んだ彼女が乗った王家専用馬車が動き出す。

ルビーが向かう先は、彼女が嫁ぐ隣国カーン王国。

これからルビーは、カーン王国の国王と婚姻の儀を執り行う為に、15年間育ってきた祖国を後にする。



動き出した馬車の窓から顔を覗かせていたルビーは、愛おしい祖国の風景を見忘れぬよう食い入るように見入っていたが、やがて馬車が流れに乗ってしまったため、やむなく窓から目を逸らした。






『ねぇ、フレデリック…笑って頂戴。貴方がそんな顔をしていたら、私は何時まで経っても貴方の笑っていた顔を思い出せそうにないんだもの。』



「ルビー様…」



消えゆく馬車をひたすら目線で追っていた男の目から、一筋の涙が流れ、それは呆気なく風に舞い、そして散った。

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