ダーキニーの手
右肩が重い。その重みは徐々に冷たい湿気も加わって下に引っ張られそうだ。
肩を回して逃れようとすればする程 その重みは執拗に重力を増す。
重さに耐えきれなくなって 右肩に左手を持って行った時 愛美は確かに誰かの手に触れた。
それは暖かい手ではなく 凍った様に冷たい手だった。
寝汗をびっしょりかいて目が覚めた。
今でも右肩は氷の冷たさが残っている。
まただ。 またあの人が来たんだ。
愛美はその後一睡もしないで朝を迎えた。
愛美と清美は職場の同僚だった。
清美は愛美よりも13年先輩の35歳。
仕事はそこそこ出来、見た目は日本風の美人で柳腰。スタイルも悪くなかったが、同期の女子社員が寿退社していく中で 清美だけはなかなか良縁に恵まれなかった。
といって選り好みした訳ではなかった。
田舎の小さな職場にいると新しい出会いは ほとんど無い。清美は毎日毎日マンネリ化した生活の中に埋没していきそうだった。
かといって、街迄出て行って出会いを求めたりするのは清美のプライドが許さなかった。
学生時代から何人かとは付き合ったこともあったが、結婚まで話の進んだ人はいなかった。
なぜか いつも自然消滅で 相手に曖昧な理由でデートを断られそのうち連絡が来なくなってしまうパターンが多かった。
家では父親と二人暮らしだったが、この春 清美は思い切って憧れの一人暮らしを始めた。
それは 清美にとって一世一代の賭けだった。
3月にこの小さな会社に派遣社員として清美よりも10歳も若い男が入って来た。
人当たりが良くいかにも営業向きの この男 木下は 清美が古株であり何でも任されている存在と言う事を良く解っていた。
それゆえ 清美さん、清美さん、と下の名前で親し気に呼び、外回りから帰って来る時には必ず清美にちょっとしたお土産を買って来て 特別に渡すのだった。
清美は悪い気がしない。優しく解らない事を教え、失敗は庇ってやりよく面倒をみた。
そのうち食事に清美から誘い、服を買って与え姉さん気取りで木下を可愛がっていた。
会社の忘年会の帰り、酔った木下をアパートまで送った清美は、それまで千鳥足だった筈の木下に強い力で家の中に引きずり込まれた。
その後二人は当然の成り行きのように朝を迎えた。清美は無我夢中だった。初めての男ではなかったが、いつもは甘えている木下が人が変わった様に主導権を握って清美を征服しようとする若い力に戸惑っていた。
その後も清美は木下のアパートを尋ね、回を重ねるごとに木下に惹き付けられていった。
一人暮らしになったのも 木下との生活の為だった。
自分の部屋で手作りのものを食べさせてやりたい、いい生活をさせてやりたい、そして二人でゆっくりと朝を迎えたいとの思いで、清美は年老いた父を説き伏せて1人マンションに移り住んだ。
木下との関係は会社には内緒だったが、誰ともなくその関係に気付き始め噂にもなっていた。
そのうち木下が競艇に会社の売上金を使い込んでいた事実を 清美は帳簿の辻褄が合わない事で知った。
清美は木下の後始末を、自分の貯金で賄ったが、そのうち賄いきれなくなり会社のお金にも手をつけ始めた。
木下はその事を知ってか知らずか 交遊費を何度も清美に請うようになった。
清美は架空名儀で口座を作り会社のお金を横流しした。
最初の何ヶ月か二人の関係はうまくいっていた。
8月のある日 アルバイトが一人入って来た。
それが愛美だった。
愛美は22歳。高校を卒業して専門学校に通って一時は中小企業に就職もした事があったが、飽きっぽい性格が災いして 会社を辞め,地元に帰って来たのだった。
ここには知人のツテでアルバイトに来る事になったのだった。
清美の元で仕事を教えてもらい、雑用もこなしている清美のアシスタント的な存在での入社だった。
愛美は 物怖じせず、誰にでも人懐っこい明るい性格だった。その明るさは清美にとって眩しく妬ましいエネルギーだった。
愛美は物憶えも良く、愛想が良いので接客の時に重宝された。
それと反対に地味で控えめな清美は尚更職場で目立たなくなっていった。
それでも清美は木下に希望を繋いでいた。もしかしたら一緒になれるかも知れないと。
そのうち営業の木下は当然の様に若い愛美に興味を持ち、清美に隠れてデートに誘うようになった。清美が一番危惧していた事だった。
最初のうちは何かと理由をつけて清美に会うのを断っていた木下も,次第にメールの返事が遅くなりついに返事も来なくなった。
会社で顔を合わせても木下は清美の存在を無視していた。
話しかけても他人行儀に「今,忙しいので失礼。」と言って通り過ぎてしまう。
清美はメールを何通も送り続けた。仕事の合間にも 夜中にも。
それは何百通にもなった。無言電話もした。
年末に監査があるという噂を聞いて清美の不安はさらに膨れ上がった。
清美の精神は次第に壊れつつあった。
愛美は木下から清美の事を聞かされ、清美を不気味に思う様になっていた。
職場では清美から失敗する様に仕向けられたり、わざと大切な事項の伝達を知らされないまま得意先に行かされたり、数限りないいじめにあった。
次第に愛美の携帯にも不気味で罵倒したメッセージが届く様になった。
無言電話もかかってくるようになった。
愛美の帰り道、後ろから自動車で尾行されたり、ぎりぎり横を猛スピードで通り抜けられたりした。
木下と愛美は 清美の存在が重苦しい恐怖になってきていた。
ある日 清美は木下が会社のお金を横領した事をばらすと脅しをかけてきた。
「私はどうなってもいいから全部ばらしてやる。あんたたちだけ幸せになんかさせるものか。」
執拗にまとわりつく清美の行為に木下と愛美は恐ろしい計画を立てた。
愛美は怖かった。
いつ清美が自分や木下に危害を及ぼすかと考えると夜も安心して眠れなかった。
アパートの5階に住んでいても愛美はベランダの鍵をしっかり掛ける程 戸締まりには念を入れた。
ある夜中、寝付けなくて外の空気を入れようとカーテンを開けた時 ベランダに清美が立っていたのを見つけた時には 全身の毛が総立ちになる程の衝撃と恐怖を感じた。
その目は異様に光り 獲物を獲る肉食獣のそれと似ていた。
急いでカーテンを閉じたが 今すぐに清美が部屋に侵入して来そうで恐ろしく そのまま部屋には居られずに慌ててタクシーで木下の所に向かった。
それにしてもどうやって5階まで登って来たのだろう、登っている姿を想像するだけでもおぞましかった。
愛美から話を聞いてしばらく考え込んでいた木下は まず清美をなだめる為に、ヨリを戻す演技をすると言った。そうして少しずつ別れ話をして諦めさせようと。
木下には愛美には言わなかったがもう一つ目的があった。
それは清美から聞いていた会社の2重帳簿だった。もう1冊の帳簿を盗み出し、会社を揺さぶろうという魂胆があった。
会社は多額の脱税をしていた。それをネタに脅して幾許かの金を手に入れたら愛美と一緒に姿をくらまそうと思っていたのだった。
それを実行するには清美の協力が不可欠だった。
帳簿を手に入れてしまえば清美は用なしだ。その後は消えてもらうしか無いだろう。
「愛美の身に何かあったらと思うと俺は居ても立ってもいられない。全部俺の責任だ。だから俺が何とかするから。」
木下は心配する愛美を説き伏せて清美の元へ向かった。
清美のマンションに着くと木下は持っていた合鍵でドアを開けた。
中には生ゴミの嫌な臭いが漂っていた。
あれ程甲斐甲斐しく部屋を綺麗に飾り快適な暮らしをしていたのに 玄関から続く廊下には足の踏み場もない程の大量のゴミや洋服が散乱していた。
居間の電気を点けると中央に清美が座っていた。
真っ暗な中ただじっと座っていたのかと思うと木下は戦慄を憶えたが、清美がゆっくりと振り返ったので声をかけずにいられなかった。
「ただいま。清美、今帰ったよ。」木下は優しくゆっくりと清美に言った。
清美はぼんやりした目で木下を見ていたが みるみる表情が変わって嬉しそうな笑顔になった。
「おかえりなさい。遅かったのね。待っていたのよ。」
その日から木下はまた清美と生活を共にした。
清美との夜は木下には苦痛でしかなかった。清美は執拗に木下を離そうとしなかった。
清美はだんだん落ち着きを取り戻したように見えた。
部屋の中も整理整頓され清潔で明るくなった。
会社には2人で出勤した。
木下はこれで清美は全幅の信頼を自分に向けてくれているものだと思い込んでいた。
他の社員はそれまでの清美のやつれて憔悴しきった姿ではなく 嬉々として木下と一緒に出勤している姿を見てヨリが戻った事を察した。それとは反対に木下は 気の毒なくらい憔悴しきっていた。
愛美はしばらく病欠と言う事にして会社を休んだ。
会社で清美と木下の仲を見せつけられるのはいくら演技とは言え耐えられなかった。
愛美は木下に毎日メールしてお互いの気持ちを確認しあっていた。
平常に戻ったかに見えた清美は実は恐ろしい事を企んでいた。
愛美と木下がまだ繋がっている事を 木下の携帯のメールを盗み見て知った清美は 嫉妬で怒り狂っていた。
「あんな女に木下が騙されているのは許せない。あの女はこの世から抹殺するしかない。」
ある夜 清美は木下の携帯を黙って外に持ち出した。木下はお酒の中に清美が常用していた睡眠薬を入れられ泥酔していた。
そして木下に成り代わって愛美に呼び出しのメールを出した。
「愛美、今からすぐ来てくれないか? 清美の事でどうしても話しておかなければならない事があるんだ。」
愛美は久しぶりの木下からの誘いに小躍りして喜び すぐさま 待ち合わせの場所へと向かった。
今から思うとこんな辺鄙な場所を指定する事はありえないことだった。
夜11時、愛美は湿原の展望台の前で待っていた。
あたりはもう真っ暗で電灯だけが数カ所ボゥッと灯っていた。
ここには木下と2、3回デートで訪れたことがあった。だがそれは昼間の事でその時には観光客もいて賑やかだったが、今は人っ子ひとりいない。
湿原の草いきれと生臭い香りにむせそうになりながら 愛美は寒さと不安で両腕に鳥肌が立っていた。
その時柱の影ですうっと何かが動いたのを目の端に認めた愛美は心細い声で「木下サン。」と呼びかけた。
ところが 柱から姿を現したのは清美だった。「愛美ちゃーん。会いたかったよー。」
不気味な声色を使ってじりじりと近づいてくる。
その目はあのベランダで見た目と同じ肉食獣の目だった。
瞳が異様に光りその色は僅かに赤味を帯びている。
愛美の足はすくんでいた。まるで蛇に睨まれた蛙みたいに。
『逃げなくちゃ。 誰か助けて!木下サン!』愛美は声帯がこわばって全く声が出ない事に気付いた。
今迄目の前にいた清美は もう姿を消していた。
愛美は暗闇の中 目を凝らして清美を探した。
風の音に混じってふくろうの鳴き声とガチガチという骨をぶつける様な異様な音が聞こえて来て さらに恐怖を膨らませる。
早くこの場から逃げ出さなくちゃ と思うのに思う様に足が進まない。
愛美がガチガチという音は自分の歯の根が合わない音だと気付いたが 実はそれだけじゃなく後ろから襲って来た清美の歯を噛みならす音でもあった。
愛美は後ろ髪を急に引っ張られ 仰向けに倒れた。
ひっくりかえったまま見上げると 清美が薄笑いを浮かべたまま愛美を見下ろしている。
血の気のない顔には狂気の憎しみと怒りで 毛細血管が切れ真っ赤になった二つの目だけがらんらんと光っていた。
清美の周りに恐ろしい程の黒いエネルギーが渦を巻いていた。
清美はいつの間に持っていたのか、大きな石を投げつけてきた。
愛美は必死に転がって石を避けた。
そのまま転がりながら駐車場まで逃げた愛美は車のキーが入っているバッグを置いて来た事に気付いた。
建物の方を振り返って見る勇気もバッグを取りに戻る体力もなかった。
愛美はよろよろしながら車を目指して走り出した。
後ろから意味の解らない言葉を喚き叫んでいる清美の声が聞こえて来た。と同時に大きなエンジン音が聞こえ振り返ると清美が車に乗り猛スピードで追いかけて来るのが見えた。
川の手前迄来た時、愛美の足はもつれ、前につんのめって倒れ込んだ。
車が嫌なブレーキ音を出して止まり中から清美が降りて来るのがわかった。しかし愛美は膝を強打して立ち上がる事も出来なくなっていた。
後ろから右肩をわしづかみにされた。氷の様に冷たい手だった。爪が食い込むほどの凄まじい力で掴まれ、愛美はもう抵抗する気力も失せていた。
アドレナリンが過剰に分泌されたもの凄い力で愛美は川の方に引きずられていった。
『清美は私を川に落として殺す気なんだわ。』
引きずられながらぼうっとする頭で清美の乗り捨てた車を見ると キーがついている。
愛美は最後の力を振り絞って 清美の手を噛み、相手が怯んだ隙に車まで這う様にして逃げた。
清美が獣の様な声をあげて追って来る。 愛美はかろうじて車まで逃げて来て、乗り込もうとした瞬間に足首を掴まれた。
ありったけの力で清美の胸を蹴ると 清美は路上にひっくり返った。 愛美は車に乗り込みアクセルを思いっきり踏み込んだ。
ボンネットの向こうに清美が立ちはだかる様に両腕を広げているのが見えた。
そこで記憶が途絶えていた。あの後どうなったのか、どうやって家に帰ったのか愛美は全く憶えていなかった。
眩しい蛍光灯の光で目を覚ますと病院のベッドの上だった。
その翌日愛美は病室で事情聴取された。
警察の話によると清美は川から遺体で発見された。体中に傷があったものの死因は首を絞められた事による窒息死だった。
『首を締められた事による、窒息死?』
愛美は首をかしげた。
あの時 私と清美以外に誰がいたの?
あの夜、木下は清美と向かい合ってお酒を飲んでいた。
清美は異様にハイテンションで 他愛も無い話にすら甲高い声で何度も笑っていた。
木下は帳簿の話を持ち出した。清美は少し間をあけてから帳簿のある場所を教えた。
「ねえ、会社から口止め料貰おうか。そして一緒に海外に逃げない?」
計画が漏れているのかと思った木下は一瞬口ごもった。
「よし、明日早速帳簿を調べよう。」木下は清美の誘いには答えずに言った。
清美はその時 テーブルの上で 木下の携帯のバイブが鳴ってるのを聞いた。
『あの人が戻って来てから 携帯のメールがひっきりなしに届いてる。絶対にあの女だ。木下の迷惑も考えないあの小娘。』
清美はいてもたってもいられなくなり 木下がトイレに立った隙に木下の携帯を開いて見た。案の定 愛美からのメールだった。清美はそのままバッグに携帯を入れ何喰わぬ顔をして木下が戻って来るのを待った。
木下のグラスに睡眠薬入りのワインが妖しく波だっていた。
木下はほくそ笑んでいた。
証拠を手に入れた事で会社と清美から決別出来、さらにお金も入って来る。
わざと携帯を清美の目に触れる所に置いた。
あとは逆上した清美が愛美に襲いかかるのを待つだけだ。
ドアの影から清美の様子を伺っていた木下は 清美がワインに何かを入れるのも見ていた。
だから部屋に入るなり泥酔して倒れ込むふりをした。さらにワインを飲むふりをしてグラスを倒しその殆どを床にこぼした。
清美は木下をベッドに寝かしつけて家を出たのだった。
すぐに木下は清美の後を追った。
湿原の展望台から離れた所に車を駐め二人の女の動向を窺っていた。
木下は愛美からの繰り言めいたメールに些かうんざりしてきていたし これから手に入るであろう大金に目が眩み、愛美の事はもうどうでも良くなっていた。助ける気持ちも失せていた。
丁度良く女ふたりがもみ合いになったことから木下は この際 愛美に罪を被せてしまおうと思っていた。
愛美が車で逃げる時 立ちはだかった清美を跳ねる事無くかすめるだけで通過した事に木下は舌打ちする思いだった。
やるのは今しかないと思った木下は 車に接触して倒れ込んだ清美の背部から近づき 思い切り首を絞めた。
そして川に清美を投げ入れた。清美の持ち物も全部。
すべてこの場にいた愛美に疑いがかかるだろう事を想定して。
急いで自宅に帰った木下は 清美の捜索願を出した。
「お恥ずかしい話、清美は 僕の元彼女との仲を誤解して話し合いに行ったまま戻って来ないんです。」
警察は愛美の動向を調べきっと彼女は疑われるだろう。最後まで一緒にいたのは彼女なのだから。
木下は笑いが込み上げて来るのをどうしても止められなかった。
ふと携帯のバイブの音が聞こえたような気がした。
木下の血は逆流した。 自分の携帯は清美のバッグの中にある。取り戻さなければ。
木下は急いであの川に車を走らせた。
あの忌まわしい場所に来ると 一段とじめじめした湿気が木下の前髪を濡らした。
黒い川面を覗き込んだ。
何か光ったものが中に見えた。携帯がバッグからこぼれ落ちているのかも知れない。
木下はもっとよく見ようと 川の表面まで顔を近づけた。
その時、光って見えたモノが川の中から川面に向かい凄い勢いで近づいて来た。
木下は動けなかった。 ソレは 清美の恨みに満ちた燃える様な目だった。
「まさか!?うそだろう?」
木下がつぶやくのを遮る様に 水面から白い手が突き出し 木下の襟首を掴むとこの世の物とは思えない力で 川の中に引きずり込んだのだった。
恐怖で目を見開いたまま、木下は悶える様に水の中に沈んでいった。
真っ黒い川は音も無くすべてを呑み込んで やがて何も無かったかの様に暗闇に融けて行った。
遺体が見つかったのはそれから5日後の事だった。
警察は愛美に木下の事は伏せていたが 清美の遺体だけ見つかった訳ではなかった。
木下の右肩に女の手が食い込んだまま 川の長い藻に絡まる様に二人の遺体は沈んでいたらしい。
警察の調べで木下には多額の借金があり借金の取り立てから逃げるようにしてこの地に来ていた事がわかった。
あれから半年も経つというのに 愛美の肩には細い指の跡がついたままなかなか取れる気配もない。
清美の怨念はまだ愛美を捉えて離さない。
今夜も愛美は夢の中で川に引きずり込まれるのだ。あの氷のような冷たい手で。
終わり
ダーキニー(Dakini)「荼吉尼天」ヒンドゥー教に於いては性や愛欲を司る神。
荼吉尼天は、生きた人間の心臓を食らい、死者の肉を喰らう女性の夜叉神。幻を操り、自在の神通力を持ち、あらゆる願いを叶えるが、途中で信仰を止めると災禍がもたらされるという。