プロトポロスの詩
武 頼庵(藤谷 K介)様主催『24冬企画 冬の星座(と)の物語企画』参加作品です。
1900年代前半、アメリカのパルプ雑誌のスペースオペラの雰囲気でお読みください。
【イラスト:アホリアSS様】
(アホリア様のイラストを拝見していて、ふと、短歌の連作でSF書けないかと突拍子もないことを思いつきました)
プロキオン 翔けるシリウス ベテルギウス
冬天彩る ダイヤモンド
我はゆく プロトポロスの名のもとに
星の海原 暗黒の宇宙
※プロトポロス・・・先駆者
彼もしくは彼女は、ひとり、宇宙へと旅立つ。
手を伸ばし 凍てつく星を 眺むれば
果て亡き宇宙が 吾を吸い込まん
※吾・・・一人称、私。
影を追い 最果ての地に たどり着く
異邦人に 風は冷たく
やがて宇宙船はたどり着く。とある惑星に。
そこで待つのは幸運か、危険な冒険か。
危険から 身を守るのは 腰の銃
不敵な闘志が 吾を燃え立たせ
底知れぬ 寒さに震える この身体
君のぬくもり 求めさまよう
頬つたう なみだの色は 吾も知らぬ
こうかいの果ての 人恋しさか
※「こうかい」は後悔と航海の掛詞。
さきがけは 星を狩りて いく千里
暗き空にも 光り輝く
※「いく」も幾と行くの掛詞。
そして主人公の旅は続く。
ダイヤモンドの輝きの先へ。そこに何が待つのか、誰も知らない。