4.この子をきゅーちゃんと呼ぼう
「ない。ただのキュール」
なんだか怒ってる雰囲気を感じるぞ。なぜだ?暗い過去をお持ちか?昔、親と揉めて1人で出てきたとか?それならばこんな森の中に1人でいる理由にもなるな。他の可能性として家族をなにか事故で失ったことも否定できない。あとの可能性は、
「あまり考えないで。そういうこと」
「ごめんなさい」
読心術?魔法か!?
「心を読む魔法?」
「お兄ちゃん、わかりやすい」
「ぐはあ」
またもや屈辱だ。こんなちんちくりんに手玉に取られている。許せない。反撃だ。きゅーちゃんと呼んでやる。
「なあ、きゅーちゃ」
「やめて」
喉元に手をかざすのはやめてください。あ、目が光ってさっきみたいに粒子を纏ってる。魔法を使っている時はこうなるのか?というか呼吸できない。死にそう。
「…!!」
「私の名前で遊ばないで」
「ぷはあ!…はあ…はあ…ごめんなさい」
「わかったならいい」
「あのさ、キュールさん」
「キュールでいい」
「じゃあキュール、君は何歳なの?」
「17」
「…」
同い年かよ。は?同い年?このなりで?こんなちんちくりんが?不思議なこともあるもんだ。
待ってくださいキュールさん。そんな目で見ながら手をかざさないで。さっきのは苦しいです。
「ごめんなさい」
「まったく」
怖いよこの女。暴力女だ。
「アラタ、その顔からして同い年なのね。ならお兄ちゃんとは呼ばないわ」
「ご自由に」
「アラタ、あなたが空から降ってきた理由、もっと詳しく聞かせてくれない?」
ほら!続いてるよ!まだ折れてない。