推しとの接触
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
後半が異世界転生の主人公ちゃんです。
推しと出会えて幸せそうです。
お前は早く旦那とくっ付け。( '-' )
私は今日から錬金術の名門校である□□学園に転入する事となった。新しい友達と頑張るぞ!! と意気込んで家を出たのは遥か昔、此処まで来るのに大変な時間と労力を有した事を覚えている。道を間違えるは、電車を間違えるわ、生まれ着いての方向音痴が不幸を呼び、到着した頃にはもう既にボロボロだった。
こうなる事を見越して夜明け前に家を出て来たから、朝ご飯は抜き。そのお陰で遅れる事はなかったけれども、既に授業前からお腹は空いていた。とりあえず、教室に着いたら持ってきたご飯を食べよう。そうしたら予習を始めないと。
そう、フラフラになりながら廊下を歩いていたら、ぼすっと何かに当たった。固くはない、肉の感触。あ……前を見ていなかった……。
「すみません……。ぶつかってしまって……」
「大丈夫? お顔が真っ青……。保健室まで肩を貸しましょうか?」
「あ……いえ、実は朝ご飯を食べていなくて……。ちょっと立っていられなくなっただけなので……」
転校初日から、道に迷って人にぶつかるという、災難続きである。相手さん、肩を痛めてないと良いなぁ……。
「あら、そうなの? あと数十メートル歩けるかしら? ベンチがあるの」
そう提案されて、私は肩を借りながら何とかベンチに座る。隣に座った女性から袋に入ったパンを渡される。四角くて、表面がマーブル模様のチョコパン。見るからに美味しそうだった。彼女はラッピングを外すと、私の手に握らせる。
「はい。とりあえず食べて元気を出して」
お言葉に甘えるままに口に頬張る。パンは柔らかかった。もっちりと弾力があり、ほんのりとチョコの風味が広がる。甘さ控えめなチョコブレッド。あぁ……美味しい……!! パン屋さんのパンだ……。
半泣きになりながら頬張っていると、意識が漸く回復し始めた。此処で漸く彼女の顔を見る。
癖のない長髪。穏やかそうな黒の双眸は、母性に溢れていた。何となく自分より歳上な大人びた雰囲気に息を飲む。
「助けて戴き、誠に有難う御座います。私、今日から此処でお世話になる□□と言います」
ベンチに頭を擦り付ける様に頭を下げようとしたら、慌てて肩を掴まれて起こされた。それから何かを思い付いた顔をして、弾かれた声が辺りに拡散する。
「貴方が噂の転校生かしら? 噂で聞いていたのよ? 私の学年にとても優秀な編入してくる子がいるって。転校生とこんなに早く仲良くなれるなんて、とても嬉しいわ。分からない事があれば何でも聞いてね? 教室の場所とか、勉強とか、れ……こ……。いいえ、何でもない」
れ……? こ……? 何だかその話をする際に言いよどみ、軽く頬を叩いた。どうやら今はまだ投げ掛ける言葉ではなかったらしい。同じ学年なのだし、何れ知る事になるだろう。
それがこれから生涯を掛けた友達になるとは、この時は深く思っていなかった。
オマケ 授業開始一時間前
「探したよ」
「ごめんなさいね。少し思い出した事があって」
思い出した事とは言うまでもない。この、乙女ゲーの、主人公ちゃんとの、接触!! あー可愛かったなぁ!! 早く私の推しとくっ付いて、惚気話沢山聞きたいなぁ!!
そんな早る思いが先行して、思わず『恋愛』やら『恋の話』と言った言葉を投げ掛けかけた。危うい、危うい。この子のキャラ崩壊に繋がってしまう。
「ところで、渡したかったものって?」
「あぁ、それはね。はい」
昨日、主人公ちゃんに渡す次いでにちょっと多めに作ったのだ。彼が食べると思ってちょっと甘さ控え目なチョコブレッド。やはり主人公ちゃんばかりに気を配って、未来の旦那を蔑ろにするのは戴けない。
彼はそれをそっと両手で握ると、静かに微笑んだ。優し過ぎる笑みだった。
「有難う。せっかくだから君も一緒にどうかな?」
「勿論」
それから中庭まで一緒に歩いて、彼が食べる様子を観察する。あんまり口角を上げる真似はしないけれど、食べる様は慈愛に満ちている。まるで赤子を見るような……。いやだったら我が子を食らうサトゥルヌスになるな……。
「君は食べないの?」
「あげてしまったから無いのよ」
そう言うと、少しだけ怪訝な顔をしたものの、何かを思い付いた様にチョコブレッドを半分に裂いた。そうしてその半分を私に渡す。
「作った本人がありつけないのは、中々理不尽な事だと思うな」
「君のそういところ、とても好ましいよ。今回は米粉入りだから、モチモチしてると思うよ」
一応学園ものの乙女ゲーだと思うんですよ。
大学見たく、皆が教室まで動くパターン。
そこで道聞いて、攻略対象増やす感じ。多分。
その方がやりやすい。作者が。
横文字苦手なので、必死こいて明治時代の日本にしてます。
錬金術特化型の主人公ちゃんだと思います。
他は多分そこそこ。頑張って勉強しい。
学園の設定ぐらぐら過ぎて作者が困ってる。
学園の設定と、名前だけが本当に決まらない……。
作者は突貫で何時も書いてます。こんな奴です。
転生主人公ちゃんの旦那は甘いの得意じゃないので、甘さ控えめな物をよく作ります。
でもほんのり甘くて美味しい。
私からは、転生主人公ちゃんに向けて言いたいことは
『よく頑張って抱き着かなかったなぁ……』です。
多分、、私は限界ヲタク発動して『好きぃ!! 推しと並べたい!!』と叫ぶと思います。
キャラ崩壊に繋がるので、必死の我慢です。