=異世界の農業革命 発端⑦=
月刊 異世界農業 第5号
=異世界の農業革命 発端⑦=
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実は最近、気づいたことがある。
それは権能さんが俺自身の記憶と同化してきている。
呼びかけには応えてくれるのは変わりない。
ただ、農業の記憶や情報などは全くなかったはずなのに経験したように記憶されている。
能力の成長なのであろうか。
それはさておき…
「それで、予算がいる案とは?」
とミシリアさんが聞き返した。
「まずは、新規就農に対して助成金制度を作ってはいかがでしょうか?」
「助成ですか。具体的にはどのように?」
あっちの世界ではこの様な助成制度がある。
49歳以下の就農を目指す人に2-3年の間
1年あたり150万円の助成をする制度。
技術を学びたいという者には2年
独立して始める者には3年助成される。
条件の厳しさや認定されるまでの時間がネックだが
新規就農をするには心強い制度である。
詳しくはあっちの世界の農林水産省のHPまたは各自治体に相談だ!
「なるほど。それならば職を離れやすくはなりますね。」
「ただ、誰でもかれでも認定は出来ないでしょうし、国レベルの事業にはなりますので、かなり時間はかかるでしょうけど…」
「農業ギルドで、就農計画作成などの手助けとかしてもいいかもです。」
「さらにですね。これだけの労力は就農者側も大変なので特典をつけるといいかと思います。」
「特典?ですか。」
「例えば、無利子で国より融資してもらえるとかです。」
あっちの世界には
認定を受ける事で一定額の融資しともらえ、さらに最大5年までの返済猶予まで与えられる制度がある。
「なるほど…無利子にすることにより国にメリットはあるのでしょうか?」
「はい。就農するには何かと入り様になりますが、資金の無い中始め、やがて過酷さに辞められてしまうよりある程度設備を揃えさせた方が収穫量も上がりますし、税収も早く回収できるかと思います。」
「それに関しては、少し調査も必要ですね。」
「農業ギルドでは農作業の省力化も研究していますので、ゆくゆくはそちらも組み合わせて頂けたら、農業ギルドとしては、嬉しいです。」
「分かりました。今後ともミノルさんに相談させていただいてよろしいですか?」
「はい。もちろんです。」
てなことで内容は話せないが農業ギルドのこれからの事業も宣伝しておいた。
「それでは、今日はこのあたりで。」
「はい。ではまた連絡頂ければ!」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
と挨拶を交わし、セリスさんと部屋を出た。
「今日はありがとうございました。例の件交渉しておきます。」
「はい。よろしくお願いします。」
と軽く話をして農林水産省の入り口で別れた。