=異世界の農業革命 発端④=
月刊 異世界農業 第5号
=異世界の農業革命 発端④=
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ダンパーに関しては、油圧がダメならエアサスみたいなものだろうなぁ。風なら魔石でなんとかなるだろう。
あっちの世界とは違い、魔力で真空にしたり風で満たしたり出来るはず。物理とか分からないからどこまで小型化出来るかになってくるな。
まぁ、エアサスのようなものが作れれば何かと使えるものだけに量産化も視野にいれないとな。
さて、仕事仕事。
今日は、例の防獣ネットの件でセクタさんのところにいく予定だ。
【セクタの工房】
「こんにちは!ミノルです!」
「おう!ちょっとそのへんに掛けていてくれ!」
と奥の方から声がした。
しばらくすると、セクタさんが何かを抱えて出てきた。
「一応。試作品が、出来たから見てもらいたいんだが…」
「出来たんですか!」
「まぁ、ちょっと見てくれ。」
ちょっと自信なさげに装置に繋いだ。
「魔力流すぞ。」
と、魔力炉を起動すると何も変わった様子がない。
「触ってみてくれ!」
えっ、無理ですよ。ビリビリしちゃうじゃないですか!
「あ、あぶなくないですか!?」
「まぁいいからよ!」
と強引に手を引っ張った。
「...っ!痛くない。微妙に電気を感じる?」
「そうなんだよ。雷の赤ん坊みたいなのは出せるようになったんだがよぉ。こんなんじゃ効きやしねぇ。」
「なるほど、見る限り綺麗に魔石が練り込まれてますね。やはり魔力効率ですかね…。」
「メインになる鉄部分に魔力効率の良い鉱石とかはありますか?」
「あるにはあるが…ミシリルはなぁ…」
「何か問題のある鉱石なんですか?」
「うむ。ミシリルは魔力を吸収するからよ、魔石の窯では加工が出来んし、おそらく加工できる工房がこの国にはないと思うぞ?」
「なるほど…それは温度が足りない感じですか?」
「ざっくりいえばそうだな。」
「温度くらいであればなんとかなりますよ!」
「本当か!」
「ちなみにどれくらい出ればいいですか?」
「よくは解らんがアイアンくらいは必要らしいぞ。」
「アイアンですか…なるほど!それなら行けますよ!」
あっちの世界で鉄を製造する時のコークス製鉄法でいけるんじゃないかなとおもうんだよなぁ。
コークス製鉄法とは
高炉にコークス、鉄鉱石、石灰石を投入して
高炉で1500度以上の高温で加熱して鉄を溶かし
成分を整えた鉄を固める製鉄法(権能調べ)
採掘資料にも、コールとシリカは採掘されていたはず。
「ちなみに、不純物を取るために何を混ぜますか?」
「うむ…製造されているとこを見たことないからな…わからん。」
「そうですか。わかりました。とりあえず調べてみます!」
セリスさんに聞いてみるかなぁ。
防衛省だし兵器で使ってたりするでしょ?
ご無沙汰です!
また連載がんばります!