=異世界の王宮のくらし特集= 異世界魔術の使い方②
月刊 異世界農業 第4号
=異世界の王宮のくらし特集= 異世界魔術の使い方②
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〜異世界の王宮暮らし1日目〜
パーパッパラーパッパー
とラッパの音で朝が始まる。
そして、その音と共に団員は寝床を片付けて、すぐさま着替え
廊下に出る。
廊下から聞こえる声
【点呼開始!】
「301班!番号!」
「いっち!」
「にっ!」
「さんっ!」
「しっ!」
「ごっ!」
「301班!異常ありません!」
301班とは300の部隊があるわけでは無く
3は師団名
01は1班という事だ。
「ミノル3等騎士早く来い!」
「はいっ!すいません!」
俺も本日より見習い騎士扱いとして起床点呼に参加する。
皆のようには早く動けないのでもたついてしまった。
「はやく!はやく!」
「310班!番号!」
「いっち!」
「にっ!」
「さんっ!」
「しっ!」
「………」
「ごっ!」
「遅い!腕立て50回!」
【点呼終了!】
「すいません…。みなさんまで。」
「初日だから仕方ないだろ。まぁきにすんなよ!」
こちらは指導係になったレイズ2等騎士だ。
ちなみに騎士団の階級は
下級騎士と上級騎士に分かれている。
上級騎士は貴族家又は名門騎士学校から輩出される。
そのほかは下級騎士となる。
年に一度、騎士団の闘技大会が行われ、その大会で優秀な成績を残した下級騎士は上級騎士の試験を受ける権利が与えられる。
滅多に下級騎士からは上級騎士になることはない。
なぜなら下級騎士と上級騎士とではそれほどの壁があるからである。
「ミノルは、そもそも農業ギルドだろ。訓練もきついかもしれないけど頑張れよ!」
「…はい。」
【訓練場集合!】
「ミノル行くぞ!走れ!」
「はい!」
〜第三師団 訓練場〜
【点呼開始!】
301班!
302班!
…
…
310班!
「310班!番号!」
「いっち!」
「にっ!」
「さんっ!」
「しっ!」
間に合えー!
「………」
「ごっ!」
「遅い!腕立て50回!」
またかぁ!
【それでは、訓練を始める!】
【本日は、行軍を行う!】
【ここより、真っ直ぐカルサウンド湖まで行き、帰ってくること。】
【帰った者より本日の訓練は終了とする!以上!】
「ハッ!」
全員が、一同に返事をした。
【それでは、0700より行軍開始!】
時計があるのか?農業ギルドでは時間の概念がなかったぞ!
「レイズ二等騎士!0700はあとどれくらいですか?」
「君はまだ支給されていなかったか。どれ…あと0030ほどだ。」
と、腕に時間が浮かび上がって表示された。
「ありがとうございます。」
うひゃぁなんか文明が遅れてるのか進んでるのか分からないなぁこっちの世界は。
「ところでカルサウンド湖ってどれくらいの距離ですか?」
「300スクアドルくらいだ。」
「ふぇー!今日中に帰ってこれますかね…。」
「まぁミノル次第だな!」
身体強化に関してはゴリラに習っているから大丈夫だろうが
俺の場合30スクアドルが大体30分だから往復で10時間かかってしまう計算となる。果たして大丈夫だろうか。
「さて、そろそろだ。皆、魔力80毎秒で行くぞ!」
「はい!」
と班長からの指示に班員は返事をした。
俺も流れで返事をしたが80毎秒ってなんだろ。
「ミノル、魔力の身体強化はできるか?」
「はい。一応。」
「どれくらいで走れる?」
「30スクアドルを30分くらいでしょうか。」
「ふむ。報告の魔力量の割に遅いな。大体それで20毎秒くらいだ。」
「それの4倍放出したらいいんですか?」
「単純にはそうだ。やれるとこまで頑張ってみろ!」
「はい。やってみます!」
行軍は魔力制御の訓練らしい。
魔術師たるもの、魔力切れは死に値するという考えから
普段から魔力配分には気をつけなければならない。
魔力量は生まれつき決まっているが
ヤンマさんのように効率の良い使い方をすれば魔力量の差を多少は埋めることが出来るとのこと。
俺に関しては、放出量の制御を身につけなければならないようだ。




